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第24話 第四の壁

 さあ、ここで問題です。

 犯人は誰でしょうか。


 まるで、私は叙述物のお芝居に出てくる名探偵のように、第四の壁を飛び越えて脳内の視聴者に呼び掛けた。


 第四の壁。わかりやすく言えば、古畑任三〇ね。もともとは舞台用語で、舞台から見て左右と正面の三つの壁とは別に、演者がいる舞台と観客席の間にも見えない壁があるとされて、その見えない壁が、第四の壁。つまり、現実とフィクションをわける境界線のことだ。


 メタフィクション。大好物なのよね。前世では、古畑任三〇しかり、シェークスピアの「マクベス」や海外ドラマの「ハウスオブカー〇」、「エヴ〇」などなど。いきなり、フィクションが現実世界に侵食してくるみたいで。


 だから、私はあえて第四の壁を超える。これを超えてしまえば、私たちはメタフィクションになってしまう。でも、思考をまとめるのには、この方式はかなり有効よ。


 結局アウトプットなのよね。外に自分の考えを発表すれば、思考はまとまり成長できるはず。


 では、ヒントです。

 実は、真犯人は、一つミスを犯しました。これはあえてかもしれません。でも、ミスはミスです。

 

 その人物は、本来のタイミングでは知ってはいけないことを口に出してしまいました。ミステリーで言えば初歩の初歩のミスです。


 そして、もうひとつヒントを。

 私がグレースさんに鑑定を依頼した髪の毛の持ち主のことです。もう皆さんはお分かりですよね。あれが誰のものだったのか。魔力が判明していないのは、学者さん、執事長さん、そして犠牲者の中年さん。この3人です。でも、この中の一人しかその能力は持ちえないのです。犯人がわかれば、たぶん誰かはわかると思います。


 今、私は犯人をこの部屋に呼んでいます。いよいよ、直接対決です。


 私が目を開くと、ドアのノック音が聞こえた。

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