TON―KA―TSU
「今日はさぼてんのトンカツ食いに行こう」
「わーい!!」
持ち帰りもできるけど、店内の席で胡麻をすってソースとコラボ。キャベツ大盛りおかわり自由で、衣ホクホクのトンカツいただきまーす!
ブヒ
「?」
「どうした?」
ブヒブヒ…。
「お前なぁ、ただでさえブタなんだから悪い冗談やめろよ」
「あのね、私がいなくなった後、一匹の白豚が現れたらよしこって名前つけてかわいがってあげてね。ブヒ」
「はああ?」
私はわあっと泣きじゃくりながらお店を飛び出した。
身体が変化して本物のブタになった。
「よしこ。こーいこいこい」
ブヒブヒ。
「ようし、いい子だ。いいところに連れてってやるぞー」
ブヒ。
なんにも疑うことなく連れて行かれたのは屠殺所だった。
「おいしいトンカツ。また食べたいな」
「私を食べるの?」
「よ、よしこ!」
私は人間の姿に戻っていた。
ブタさん、ごめんなさい。これからは感謝して食べます。私は滂沱の涙を流しながらトンカツを食べた。美味しかった。