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能力戦争  作者: 赤羽 千菜
第一次戦争
4/17

四回目の戦争!

「ウアアアアアアアアアアアアアアアア!」


 身体中が、熱い。体が軋む。痛い。熱い気持ち悪い。

 叫ぶしかない。


「アアアアアア!」


 かなり鮮明に記憶が思い出される。

 痛みも苦しみも全て。

 耐えきれぬ痛みに嘔吐する。

 頭が焼けるように熱い痛い熱い痛い熱い痛い。

 そう思うことしか出来なかった。


「しぬぅぅぅぅぅぅ!アアアアアアアアアアア!」


 痛みは全然治まらない。刺されている時は耐えられたのに。

 必死に立ち上がろうとする。ベッドから落ちてしまった。そのまま倒れる。

 少し上を向いた先にある画面は、赤黒く染まっていた。


「アァッ!」


 なんとか痛みを抑える。全然治らないが、傷はないため、実際の痛みは感じていない。しかし、痛みに襲われる。

 全身を駆け巡る痛みに襲われながら画面に触れる。

 幸い、手が届くような形に倒れていた。

 俺は一人の人を探す。

 黒髪ロングの黒目で少しツリ目で浴衣のようなものを着ている少女だ。

 画面の写真を探し、見つけ出す。写真を触り、詳細を見る。名前は「S」そうとしか書かれていない。そして能力は「無し」。俺の写真を触り、詳細を見る。名前は「クロ」能力は「無し」。

 しかし、死に戻りが出来た。つまり、これは、珍しい能力は、無しと表記されることが多々ある。ということではないか?

 そんな疑問を浮かべていると、身体の痛みは引いていた。

 身体を見ると、赤いタンクトップに、茶色のズボン。そして、髪色が変わっている。

 その変化が起きていた。


「前回と同じだ・・・」


 安心した。しかし恐怖に怯えた。

 また同じ目にあうのではないかと。

 青白いチームに勝ってほしいのは本当だ。

 しかし、今の俺は死ぬと、かなり鮮明に痛みや苦しみが蘇ってくる。と、思うので、かなり怖い。

 しかし今までの記憶もほぼ鮮明に覚えている。

 最初は、何も分からない俺に話しかけてくれたゆき。しかし、俺を助けるために死んでしまった。二回目もだ。二回目はみのりという「音」のチートみたいな人がいたな。しかし、三回目で、赤側にもいることが分かった。音に音で当たると音の壁は破壊される・・・?

 このようになんとなく軽く覚えているだけだが、助けたい人達はしっかり覚えている。

 俺は『19:47』という数字を確認して立ち上がる。


「さぁ、ここから再び始めよう・・・戦争の始まりだ!」


 赤黒い光に包まれ大広間に飛ばされる。俺はいち早くロングの奴を探す。かなり遠くに見つけた。壁際に何かを作っている。

 俺は人がいないうちにそちらへ走り出す。全然速度が出ない。空気を切る音。地面を蹴る力。それら全てが、一度目と比べて確実に劣っていた。

 黒髪ロングの浴衣の女性はこちらを向く。

 少し驚いたような表情をし、こちらへ向かう。

 俺は立ち止まる。


「あんた・・・珍しい目の色してるね・・・」


 俺に近づきそういう。

 目の奥も真っ黒に染まり少し怖く感じる。

 しかし、声を聞き確信した。俺を二度目に殺した女だと。俺は睨む。


「いいねぇ!その顔!おもしろい!」


 前にも聞いたセリフを言う。


「あなたは敵・・・という認識でいいんだよね?」


「さぁな。お前が思う通りに思え」


 何故能力がバレたのか。


「今君、能力がバレた理由が気になっているね?そんなの単純さ!私は他人の能力を見る能力だからね!」


 彼女はウインクをしながら向いてくる。

 しかし、俺を殺した時は違う能力を使った。つまり、能力の複数持ち、または、ゆきと同じように強奪系統の物しかない。


「ま、あと五分だし、そろそろ作戦会議を開かないとやばいからね。あっ、君も見ていっていいよ。次に残すためにね」


 ウインクをする。俺は睨む目を変えずに見送る。

 作戦会議場へ向かう。

 そこにはホワイトボードのようなものが設置しており、地図が正確に細かく書かれている。


「はーい!えーと、私は今回十三回目の参加となる「S」です!毎回この名前でやらせてもらっています!」


 何度もこの戦争は起きているのだろう。

 俺だったらこんなもの耐えられるわけが無い。


「そして、ここで、作戦会議を開きます!」


『うぉぉぉぉぉぉ!』


 みんなが叫ぶ。何がそんなに興奮するのだろうか。

 彼女は手が紫色に光り、ペンを取り出す。

 これは、一回目に見た、武器を生成している者と同じ光だ。


「まずは、守りは捨てます。そして全て攻めに」


「おい!守りがいないとフラッグが取られるだろ!」


「その辺は問題ありません。移動系能力も、万能という訳ではありません。瞬間移動は、かなり体力を使う能力です。そんなに連発できず、遠くまで行くことも困難です」


「そんなん!信用できっ!」


「信用出来なくても、我慢しなさい」


 鋭い口調でとにかく言い聞かせる。

 経験はモノをいう。だなホントに。


「そして、攻める方法は端からが、主にです。始めてまだ最初、二回目三回目の方は中央付近から、それ以降の方は端から攻めて行ってください。・・・さて、ここまでで簡単な作戦会議は終了です。思わぬ乱入が入り時間が伸びてしまいました・・・すみません。では、残り一分もないので最後に。みんな!頑張ろーう!」


『うおおおおおおお!』


 みんなが一つになり、叫ぶ。そこで俺はみんなとはまとまれずにいた。

 彼女が俺の元に跳んでくる。


「どう?楽しみ?情報を沢山奪うこと」


「あぁ、楽しみだ。俺はお前を倒す手段を考えまくって本当に今からでもお前の泣き顔を想像して楽しんでいるよ」


 彼女はムスッとした顔をする。

 赤黒い光に包まれ戦場に飛ばされる。

 飛ばされた瞬間大勢は走り出す。

 肩や背中が押されるが耐え切る。


「あっ、残ったんだぁ・・・何?私と話がしたいの?そんなわ」


「そうだよ。俺が聞きたい情報は一つ。お前の能力についてだ」


「しかたないなぁ。なら、こっちにも一つでもメリットを着けてよ。あっ、情報提供はいらないよ?情報無くても勝てるし」


 俺は頷く。彼女は言葉を続ける。


「そうだ、私たちへのメリットは、今回、あなたが死なない。ということにしよう!それがいいさ!」


「あぁ、いいぜ。だが、それを聞くには情報との交換じゃいけねぇ」


「というと?」


「コイントスで勝負だ。さっきの生成でコインを作り出してくれよ」


「ふぅん。それって確か裏か表か当てるやつだよね?それでそんな重要なことを決めちゃっていいの?」


「いいさ。それで」


 彼女の手の平が紫色に光り、手の平には一円玉が生成される。

 ついでに机と椅子も生成してくれた。もちろん俺の分も。

 椅子に座り、俺はルールを説明する。


「勝負は三回勝負。俺がコインを投げ、上に書いてある方をお前が答え、当てる。そして」


「お前って呼ばないでよ!Sって名前があるのに!」


「ぁ?あぁ」


 めんどくさいと思いながら従うことにした。

 ここまででかかっている時間は『2:17』

 そしてコインを作り出してからの時間は、『0:35』。まだ、何もわからない状態だが、こいつが戦場に行かないことで戦況は大きく変わる。と願いたい。


「まぁいいや。そして、数字が書いてある方が裏だ。この勝負に俺が勝つとお前に・・・Sについての情報提供。Sが勝つと、俺の死を回避させる。という条件にする。異論は?」


 少し迷い首を振る。

 彼女の顔を見るに最後の勝利後の条件しか聞いていないように思えた。


「じゃぁ、いくぞ」


 コインを上に投げる。俺はコインを手に取る。


「ね、ねぇ、見えてるんだけど?」


「そうだな」


「こ、これ当てちゃっていいの?」


「ああ、そうだな。あ、さっきのルールは絶対だからな?」


「分かってるよ!」


 手に乗っている一円玉は上側に数字が書いてある。ここで俺は挑発をかける。


「ヒントをやるよ。お前はこの一回目。確実に間違う」


「は?いやいや、そんなわけな・・・」


 こいつの頭ではイカサマがあるとでも考えているのだろう。手の平のコインをよく見る。しかし、普通のコインだ。イカサマも何も無い。


「こんなん裏に決まっ」


「このコインの下側の絵を当てろ。だったら?」


 彼女は硬直する。やはり、聞いていなかったようだ。

 コインをよく見た数分後に勢いよく立ち上がる。


「分かったぞ!正解は表だな!下側の絵を当てればいいんだ!」


「残念。裏でした。表側の絵を当てるに決まってるだろ?」


 ここで、イカサマだと怒って殺しにくるのかとも思った。しかし、アニメでいうところの作画崩壊のような顔になり、諦め、座る。


「じゃあ、次、いくぞー」


「うん」


 俺はコインを投げる。今回は手には取らず地面に当たるまで待ち、当たった瞬間に足で隠す。

 少し足が埋まってしまい少し焦る。

 しかし彼女はそんなところは見ていない。

 俺は答えを急がせる。


「じゃぁ、このコインの上側は表裏どっちだ?」


「流石にこれは運だな・・・表!表にかけるよ」


「了解。じゃぁ足をどけ」


 俺は足をコインのある方へと向ける。

 足が動かなくなる。


「コインのない方に避けてくれるかな?」


「・・・分かったから離せ!」


 俺は足にかかる力が一気に離れていくのを感じて、コインのない方に避ける。

 結果は、コインが、柔らかい砂地に横になり刺さった状態だった。


「はい。残念でした」


 これは俺にとっても運ゲーだったが助かった。

 Sという名の者は口を大きく開けている。驚きが隠せていない。


「じゃ、君の能力について教えてもらえるかな?」


 ムスッとした。しかし、口を開く。

 案外素直で単純だ。


「私の能力は、なりたいと思う能力に三分間なれる能力だよ!記憶を読み取ることも出来るし、色んな人の能力のコピー的なものを作れる。だけど、黒目という珍しい形の能力者が持っている能力。そして、絶対にできない能力。例えば、見つめるだけで殺すとか、記憶を奪うとか、人の能力を奪うとかは、出来ない。そこまでチートじゃないけど、どの能力よりも万能。こんな感じでいいかな?」


 せっかく、能力について細かいことも聞けるのだから、聞いておくべきであると思い、俺は聞く。


「二つ以上の能力は重ねられる?時間は止められる?」


 まずはこの二つが気になった。

 俺は二回目に知らないうちに砂浜に置かれていたことがあるから、時間が止まる関係かと思った。

 そして、二つ以上の能力が重ねられるならば、強奪能力で、奪ってもかなりきついと思ったので。

 彼女は答える。


「時間を止めるのは無理だけど、私自身の動く時間を二三倍にならできるね。そして、能力は三分間に一つしか使えない。あと、気になりそうなクールタイムは無いよ?あと、能力を決めたら三分間変えることは出来ないよ」


「ふぅん・・・」


「これで満足かな?」


「一応な・・・なんで俺にそんな細かく教えてくれるんだ?」


「だって、次が楽しそうだから。私は死んでもどうも思わないし楽しめたらそれでいいんだよ」


 ヘラヘラした顔でそういう。この人からしたら、戦うのも殺すのも殺されるのもゲームをするのも何もかもが楽しいのだろう。

 そういう人は羨ましい。


「そっか・・・ありがとな!」


 俺は椅子から立ち上がる。

 なんとなくホントになんとなく次の作戦が思いついた。

 俺の口元はニヤリと笑っていた。


「次はどうするの?ていうか、今回もこれから」


「そうだなぁ。次の作戦はあるけどいまからはどうしよう・・・」


 次の作戦といってもそこまで優れたものじゃない。始めは百パーゆるゆるだ。しかし何回でも繰り返し俺は全てを助ける。

 そう心に決めた。


「あっ!なんか味方結構死んでるや。うーわどうしよう」


「あ?」


 そんなに驚くほど死ぬということはあるのだろうか。今まで明らかにこちらが負けていたのに、いきなりそんな・・・

 この人がいないからか?

 この人がいないから、ゆきは生きていて、ゆきが殺しまくってる・・・

 そう考えるのが俺の中では簡単だ。

 俺は彼女を見る。彼女の目には、俺を最初に見つめた時とは違い、光が灯っている。


「ハハッ」


 俺は何故だか笑ってしまった。なんだか楽しくなった。


「なぁ、ここで能力を使わないで一度戦ってみないか?」


「ぇ?それってもちろん殺してもいいの?」


「あぁ、もちろんだ。それと一つ聞きたいことがある」


「何?」


「能力を渡す能力ってあるか?」


「あるね・・・こっちのチームの私以外の黒目の子だったかな。次はそれを使うの?」


「そーだよ。じゃぁ戦うか・・・このコインが落ちた瞬間スタートだ。質問は?」


「無し!」


 彼女の目が光る。ゾクゾクする。


「GO!」


 俺は一円玉を上に投げる。

 一円玉が宙を舞い上がる。彼女は戦闘態勢をとった。

 俺は一円玉が落ち始めるタイミングで走り出した。


「っ!」


 かなり驚いた顔をする。しかし、その後にニヤリと笑い型を変える。見た感じボクシングだ。

 俺は手を伸ばす。

 右手のアッパーを繰り出す。

 当たる寸前に一円玉が落ちる音がする。

 嫌な音がなりながら彼女は飛ぶ。

 俺の攻撃をしっかり受けてくれたが、すぐに下がる。二発目は入れさせてくれないようだ。


「なるほどねぇ。そういうことかぁ」


「こういうことしか出来ないんだよ!俺は!」


 俺はそう叫び走り出す。

 楽しい。そう思ってしまった。

 俺は砂を拾う。確実にバレているが、やるしかない。

 俺は砂を投げつける。そして腹を殴る。


「クッ!」


 呼吸を整え後ろへ下がる。

 口に入った砂を吐き出す。


「お前って能力ないとこんな弱いの?」


「なわけ」


 彼女は跳び上がる。俺の身長なんか軽々越すくらいまで。


「その状態で生成してみろよ。能力使っていない証拠。生成するものはそうだな。扇子で」


 彼女は手を横に伸ばす。しかし、何も出てこない。


「バレちったかぁ。それとなんで扇子?」


「軽いから!」


 彼女の手が紫色に光りだし、長い棒が作られる。

 それに俺は殴られる。

 いい音をしながら真っ赤な血を流す。


「やっぱ能力あった方がいいなぁ」


「そうか。でも、ほかのは使えないんだろ?」


「ん?うん」


 俺はニヤリと笑い彼女の後ろを指さす。

 ゆきが飛んできている。

 雪が手を伸ばすと俺らの上に紫色の雨が出来る。

 身体を貫く。

 痛くて熱い。しかし心地良いそんな感覚に襲われながら俺は倒れた。

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