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十四話 ガルティモアの戦い(3/3)


--クヴァン視点--


 な、なんだあの光は……魔法か? 武器か? くそ、ダイオメドめ、あんなものがあるなど聞いていないぞ。かすっただけで兵を焼くなど……あれが直撃したらひとたまりもない。……とにかく状況を確認し、部隊の立て直しを図らねば。


「ク、クヴァン様」

「今度はなんだ?」


「そ、それが、両翼の辺境伯軍が何者かの奇襲を受けたため、救援には行けないとの事です」

「なんだと……伏兵が潜んでいたのか。……ちっ、あの霧はこのためでもあったか。フェイトめやってくれる」


 くそ、忌々しい。このままヤツに突撃し、素っ首切り落としてやりたいところだが……あんな所に護衛の兵士もつけずにたった二人で立っているのだ。これは恐らく挑発。ヤツの罠の可能性が高い。ここは我慢して一旦兵を引き、体制を整えるのが先決だ。まだ兵力ではこちらが上、巻き返しは可能だ。


「仕方がない。全軍退却! 一旦引くぞ!」


 俺は大声を張り上げ、兵に退却を促すが、後方から俺に近づく騎兵の姿に気づく。あれは、デュークか。


「おい! クヴァン。退却だと? 冗談はよせ! こんなやられっぱなしで引けるわけがないだろうが!」


 お前の役目は後方からの魔法での支援のはず。持ち場を勝手に離れて何をやっているのだ。


「冗談などではない。お前も先程の光を見ただろう? あれのせいで兵達は恐怖に浮足立ち、もう戦闘どころではない。一旦引いて体勢を整えるべきだ。このまま戦ってもいたずらに兵を失うだけだろう」

「おいおい、本気で言っているのか? 見損なったぞ、それでも栄えある王国騎士団の団長か!」


「団長だからこそだ。ここは感情的にならず、冷静に戦況を見定めなければならない!」

「ちっ、話にならねぇ! ここは俺だけでも行くぞ! おいお前達、騎士団は役に立たん。俺達であのスカした野郎をぶっ殺す。一斉に魔法の雨を降らせてやれ!」


「は、はい。了解しました」


 デュークの魔術師団の部隊が一斉に魔法の詠唱に入る。ヤツにこんな付け焼き刃の魔法攻撃が通用するのだろうか……。まあいい、俺はひとまず引かせてもらう。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「うわ、熱っ!」


 レールガンを撃ち終わったイシュタルの砲身から発せられる熱に顔を歪めるカレナリエン。


「カレナリエン、大丈夫か?」

「うーん。やけどはしてないから大丈夫。でも魔力半分くらい持って行かれちゃったよ」


「そんなに消費するのか……もう少し魔力の効率を最適化する必要があるな。威力もありすぎだから、もう少し出力を抑えてもいいかもしれない」

「だね。ちょっとこれは私の手に余るわ」


 レール部分の材質を超電導の物に変えることができれば、電力ロスもなくなるし、ジュール熱も発生しなくなる。今度検討してみよう。うまくやれば更なる小型化が可能かもしれない。


 さてと、お次はクヴァンを叩くとしますかね。ここで騎士団長を潰せば、もう奴らの士気はガタ落ちだろう。ヤツもここまでやられて黙って見てるなんてできないだろうからな。ちょっと挑発してやれば前に出てくると思う。


 俺はそう考えながら【サーチ】でクヴァンの居所を確認すると……あるぇ? クヴァンのヤツ、後方に下がって行ってるんだけど? 意外だな。案外冷静な奴だったのだろうか。んー、でもクヴァンの代わりに何か別のやつが前に出てきてんだけど。これは誰だろうか?


 クヴァンの代わりに前に出てきたヤツの様子を探っていると、多数の魔法発動の気配を察知する。


「カレナリエン、敵の魔法攻撃がくる。後ろに下がるんだ」

「え? 魔法攻撃? うん。分かった」


 間もなくして敵陣から無数の魔法が、雨あられのように飛んでくる。【ファイヤーアロー】に【アイスニードル】、【ウインドカッター】も混じってるな。お? あれは中級【フレイムランス】か、撃ったのはあの指揮官っぽい男……あれがこの部隊の親玉か。


 火属性だけだったら酸素ゼロにして消せるんだけど、複数属性の魔法が混じっているからな。ここは単純に奴らよりも上位の魔法を連発して相殺する。俺は【エクスプロージョン】と【エアロスラスト】を連発し、大規模な爆発と暴風で向かってくる魔法のすべてを弾き飛ばす。


 耳を(つんざ)くような爆音が戦場に響き渡り、先ほど魔法を放った魔法師団の連中はその恐怖にすくみあがっている。


「上手く相殺できたみたいだな」

「うん。師匠の魔法初めてみるけど、とんでもない威力ね……」


「さて、今度は俺がお返しをする番だな。カレナリエン、お前は結構魔力消費しただろうからそこで休んでろ。後は俺がやっとく」

「師匠。悪いけどそうさせてもらうよ。結構疲れちゃった」


 とりあえず手始めに【サンダージャベリン】の雨を御見舞してやろう。


「【サンダージャベリン32連】」


 俺がそう唱えると、32本の電気の槍が俺の周りに出現し、拒馬槍を越えて、先程魔法を放った集団に向かって飛んでいく。【サンダージャベリン】は【ブリューナク】の廉価版とはいえ、中級に位置する魔法。その威力は凄まじく、爆撃機による絨毯爆撃の様に敵部隊を蹂躙した。ちなみに【サーチ】で味方の位置を常に確認してやってるから、フレンドリーファイアの様なミスは犯さない。


「うわぁ。師匠……容赦ないっすねぇ」

「先鋒のこいつらを挫けば後方の部隊の戦意もなくなるだろう。さて、お次は【ソニックブレード32連】」


 うーん。これで全滅かな? 【サンダージャベリン】と同じく【ソニックブレード】が敵を蹴散らす……ってあれ? なんか【ソニックブレード】が弾かれている様な気がするんですが。


「ちょっと、師匠。魔法が逸らされてるよ? どうなってるのあれ?」

「やっぱ。見間違いじゃないよなぁ」


《どういうことだあれ? 俺の中級魔法を弾けるヤツがいるのか?》

《これは……ちょっと待って下さい響介さん。……間違いありません。これ邪気です。あの指揮官っぽい男……恐らくあれは魔術師団長のデュークじゃないでしょうか。彼から邪気を感じます》

《何!? あいつが使徒だったということか?》

《いえ……正確にはあのデュークという男の持っている杖が邪気を発しています。デューク自身が使徒なのかどうかは良く分かりません》


 うーむ。やっと使徒のお出ましかと思ったが。でもあの杖が邪気を纏っていると言う事は、使徒との繋がりがきっとあるはずだ。ここは挑発してやつをおびき出しーー


「おのれぇぇぇ!! 良くも俺の可愛い部下共を皆殺しにしてくれたなぁ!」


 ーーその必要は無かったな。めっちゃ怒ってこっちに向かって来ている。


「な、なにあいつ? すごい迫力、なんかヤバそうなんだけど?」

「うーん。そうだな。あいつの持ってる杖。あれが俺らの作った武器と同程度のものかもしれない」


「え? マジで? これってもしかしてピンチ?」

「まあ、俺がなんとかするから、そこで見てろ」


 相手は使徒絡みだ。俺が対処するしかないだろう。


「おらああぁ! 邪魔だぁ!」


 怒りに我を忘れたデュークが魔法で拒馬槍を破壊する。ってあれは【エクスプロージョン】か? しかも魔法陣も詠唱も無かったぞ? やつは無詠唱魔法使えるのか? ……いや、魔法発動の時、あの杖から邪気が発せられるのが見えた。あの杖の効果なのかもしれない。


 なるほど、無詠唱魔法使いとの対決か、レーニアのケルソの時以来だな。なんだか燃えてきたぜ。


『とある』もそうなんですがレールガンで打ち出された弾丸コインが光るのは、弾丸の進行方向にある空気が圧縮されて発熱。弾丸の一部が溶けて気化、プラズマ化し発光するのだと脳内で妄想しています。


感想ありがとうございます! 感想は「読んだ」の一言で結構ですので、気軽に書き込んで頂ければ嬉しいです。よろしくお願い致します。


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