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十一話 オークの砦

2000PV到達しました。ありがとうございます。

また、気軽に感想など頂けると嬉しいです。


 ネバラ村に到着した俺達は早速村長の家に向かった。その道中、村の様子を眺めていたのだが、大きさはトルカナ村より少し小さいくらいだろうか?

 だが、畑も荒れ果て、あまり人も気配もなく閑散としている。オークの巣が近くにあるということなので、その被害を受けているのだろうか。


「冒険者の皆様。よくぞ来てくださいました。村長のネロです」


 村長のネロさんは見た目60歳くらい。

 農作業をしているからだろうか、肌は日に焼けており頭は薄くなっている。


「俺は冒険者のオーランドだ。詳しい事情を聞かせて欲しい」


「それが……ギルドからオークの巣がある事は既に聞いておると思うのじゃが、その巣にはどうもオークの上位種や亜種が住み着いているかもしれぬ」


 オークの上位種には魔法を使うオークメイジ、普通のオークよりも戦闘力の高いオークロードなどが居る。

 レイモンドの嫌な予感は当たりだったということか。


「それは、誰か見たものがいるのか?」


「はい……村の者が何人か見たと言っております。それに、これは確証はないのじゃが、オークロードよりも大きい個体を見たと言っている者がおる」


「オークロードより大きい……となるとオークジェネラルか」


 オークジェネラルはBランクの魔物だ。皆に緊張が走る。

 このメンバーでは倒せないことは無いと思うが、油断すれば怪我だけでは済まないだろう。


「ところで少し前に冒険者のパーティがここに訪れていたと思うんだが? 何か知っているか?」


 俺は一歩前に出て、口を挟む。


「ふむ、確かに4人の男女のパーティが来たの……じゃが、彼らは今朝オークの巣の調査に行ったきりまだ帰ってきておらぬのじゃ……」


 周囲に重い空気が漂う。今の時刻は夕方。ただの調査任務であればもう帰っていなければおかしい。


「……助けに行こう。フェイト!」


 ディアナが俺の手を掴みそう叫ぶ。その顔には悲壮感が満ちている。


「ディアナ。話聞いてたか? 相手はオークジェネラルだし、巣の規模もオークの数も全然分からない。あまりに情報が不足しているんだ。この状況で、日の落ちた今突っ込むのは無謀と言うしかない」


 俺は正論を述べる。でもディアナは引かない。


「それでも、こうして今話している間にもその冒険者達は……そうよ、日が落ちたのなら夜襲をかければ。オークも今なら油断していると思うわ」

「ディアナ、気持ちは分かるんだが、夜襲も敵の配置や規模が分からないと、どこを奇襲して良いのか分からない。それに冒険者の居場所も分からないんだ。……それでどうやって助ける?」


「うう……そんな……でも」


 場を重苦しい空気が支配する。皆俯き悔しそうに歯ぎしりをする。

 そんな中俺はディアナにそっと耳打ちする。


(俺は無謀だとは言ったがまだ行かないとは言ってないぞ?)

(!? フェイト? まさか……)

(後でな)


 こう言って釘をさしておかないと、ディアナは一人で暴走しかねない。


「悔しいが、今の状況を考えると情報を集めるのが先決だ。今夜はここで一泊し翌朝オークの巣の調査をする」


 と、オーランドが切り出したので、俺達は一旦休み、翌日の調査に備えることになった。

 が、他の冒険者たちが割り当てられた部屋や空き家に入っていくのを見計らって、俺とディアナは村の外に駆け出す。


「ふう。うまく抜け出せたかな?」

「ありがとうフェイト。私に付き合ってくれて」


「まあ、これくらいはな。何年ディアナの幼馴染やってると思ってるんだよ」

「ふふ……これからも付き合ってもらうわよ?」


 にこりと微笑むディアナ。そんな笑顔を向けられるとオジサンドキッとしちゃうんでやめてください。


「へいへい……で、そこに隠れているお前も一緒に行くって事でいいんだよな?」


 数秒の間を置いて、林の中からガサゴソと音を立てトリスタンが出てくる。それを見てディアナが驚く。

 トリスタンはバツの悪そうな顔をし、頭をポリポリ掻きながら。


「なあ? なんで分かったんだ?」


 もちろん【サーチ】なんだが教えてあげない。


「企業秘密だ」

「キギョウヒミツ? 何だよそれ?」

「いいからいいから、それよりも行くのか?」


 トリスタンはにやりと笑いながら。


「ああ、抜け駆けは許さねーよ」


「まあ、別にいいけど、何があっても自己責任だぞ? 俺は責任持てねーぞ?」

「分かった、分かったよ」


「ディアナも準備はいいか」

「私はいつでもOK」


 さて、行くか。三人はオークの巣に向けて走り出した。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 しばらく走ったところで、【サーチ】に反応があったので止まる。


「ん? どうした?」


 と、トリスタンが聞いてくるが、


「この先にオーク共がいる」

「なんで分かるんだ……って聞いても教えてくれないんだろうなぁ……」


 トリスタンが一人愚痴るが無視する。


「フェイトだからね仕方ないよ」

「まあ、仕方ないか」


 なんか『俺だから』で片付けられてしまった……納得いかんがまあいいか。

 それにしてもオークの巣って言うもんだから洞窟みたいなモノをイメージしていたけど、全く違った。これはほとんど村、というか砦と言った方が良いかもしれない。周囲がぐるっと柵で覆われており、藁や板材などで組まれた建物、小屋が並んでいる。所々に篝火が燃えていて、オークが二人一組で巡回警護している様だ。……なんか結構統率がとれているな。オークって意外に頭いいのか?


 んー。数は300頭くらいだと思う。結構多い。比較的大きい反応が30、更に大きいのが3、そして一際でかいのが1頭居る。これはひょっとして……。


「なあ、もしかしたらオークキングがいるかもしれん」

「げ? マジか? オークキングって言ったらAランクの魔物だぞ? 大丈夫なのか?」


 トリスタンに顔に恐れの色が映る。まあ、それも仕方ない。Aランクの魔物といえば、一都市を壊滅させてしまうほどの力を持った魔物だからな。普通なら冒険者数人の手に負える相手ではない。


「問題ないよ。フェイトはSランクのミノタウロスをあっさり倒したことあるし」

「はぁ? Sランク? なんでそんなやつがDランク冒険者なんかやってるんだよ!」


 トリスタンでかい声出すな。オークにバレる。


「まあ、冒険者始めてまだ一週間も経ってないからな」

「はぁ、ギルドマスターを一撃でKOしたって聞いてたから、どれだけ強いやつかと思ってたけど……俺の予想の斜め上を行ってたぜ……」


「うん。フェイトだからね」

「こいつを普通のモノサシで測ったらダメなのかもな」


 ……また『俺だから』で片付けられた……もう知らん。俺は二人を無視して【サーチ】の範囲を広げる……。


「ディアナ、囚われている冒険者の場所が分かった。ここから見て左奥の小屋の中だ」


 そう言いながら俺はその小屋を指差す。


「あそこに囚われているのね……分かった」

「なんで分かるんだ……とはもう聞かないけど。お前が敵だったらと思うとゾッとするな」


 まあな、この【サーチ】があればどんな要塞でも意味をなさなくなるよな。

 侵入し放題、工作し放題だ。


「フェイト……その、冒険者の……人数は分かる?」


 ディアナが恐る恐る俺に尋ねる。


「……人間の反応は2つだけだ。オークの特性からいって恐らく女性二人が生かされて、男性二人の方はもう……ダメだろうな」


 事前にレイモンドから先発したパーティは女性二人、男性二人の構成だと聞いている。


「そう。でもまだ助けられる人がいる。私たちにできることはまだあるよ」


 三人は頷きあう。


「よし、俺が正面で暴れてオーク共の注意を引きつける。その間に二人は冒険者を救出してくれ」

「「分かった(わ)!」」


「よし、行くぞ」


 俺は二人が左の方、小屋の方向に駆けていくのを見届けてから、オークの巣の正面に突っ込んでいく。


「ほんじゃ手始めに【フレイムランス】16連!」


 俺の回りに16本の炎の槍が出現しオークの巣に向かって飛翔する。爆音を轟かせ火柱があちこちで上がる。


「うひゃー、何だありゃ。規格外にも程が有るぞ」

「今のうちに急ぐよ。トリスタン」

「了解」



「ほらよもういっちょ!【エクスプロージョン】2連!」


 上級魔法のエクスプロージョンを2発連続で放ち、オークの砦の中で大爆発が起こる。


「お、出てきた出てきた」


 砦の入り口からわらわらとオーク共が出てきた。更に矢、そして【ファイヤアロー】が飛んできた。


「オークメイジがいるのか?」


 俺は矢を風で反らしながら、【サーチ】でそれらしい反応を探し、【ソニックブレード】を放つ。放たれた風の太刀は柵を切り裂き、その奥に隠れていたオークメイジを両断した。


 正面にも3程でかい反応。俺は駆け出し【ソニックブレード】を横薙ぎに放つ。すると正面にいたオークロード3頭は為す術もなくその体を上下に分断された。他の雑魚オークは【ファイヤアロー】を連発し仕留める。


 出てきたオークはすべて片付けた。よし、乗り込むか。


 俺はオークの砦に入りオーク共を魔法で殲滅する。左右からオークロードが大剣で切りかかってきたが、俺はそれを素手で受け止める。俺の強力な魔力で身体強化すればオークロードごときの攻撃ではかすり傷すらつかない。ふむ、俺もそろそろ人間卒業かなぁ……。


 オークロードどもを【フレイムランス】で焼き、そのまましばらく奥に進むと、巨大な反応を3つ発見する。これがオークジェネラルかな。

 オークジェネラルはそれぞれが大剣、大斧、大鎚を持ち。俺に襲い掛かってきた。体長は三メートルくらいあるかな? オーガクラスだ。だが、俺の敵ではない。


 俺は雷系オリジナル魔法、【サンダージャベリン】を放つ。【ブリューナク】の廉価版みたいな位置づけの魔法だが、それでもオークジェネラルを屠るには十分過ぎる威力だ。オークジェネラル達はあっさりと黒焦げになり倒れて動かなくなった。


「ふう、雑魚ばっかりだな」


《響介さんカッコつけている場合じゃないですよ。ディアナちゃんがピンチです!》

《なに!? マジで? まさかオークキングが?》


 俺はとっさに【サーチ】をかける。げげ! オークキングのヤロウ、ディアナの方に移動しているじゃないか。やべー間に合うか?



次回はオークキング戦です。

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