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092 分岐点

― 092 分岐点 ―


教会につくと、すでにいつものメンバーが揃っている。


魔王たち

東の森、蜘貴王サビアンさん。

北の山脈、紅竜王ビレーヌ。

南の森、食楽王マリーさん。

そして西の亀裂、淑女王デルリカ。


さらに勇者

康子、里美、ヒーリアさん、タケシ君。


一国くらいなら軽々落とせるメンツだ。


そこに僕が席につく。


すると、マリアお母様が皆にお茶とお菓子を配ってくれた。

マリアお母様は魔王でも勇者でもないけど、全ての事情を知っているからいてもらえる方が助かる。


「早速ですが、事態は緊急での判断が必要な状況になっています。」


説明しようとしたら、蜘貴王サビアンさんがうなずく。

「デルリカさんからお聞きした状況から判断いたしますと、西のダンジョンは間違いなく敵魔王が作ったものですわね。迎え撃ちますの?」


なるほど。すでに説明済か。なら話が速い。

「迎え撃つかどうかはまだ微妙です。ですが手をこまねくわけではありません。判断するには微妙だからこそ、少しでも素早く動いて有利なポジションを手に入れたいですね。倒すにしろ説得するにしろ。」


デルリカはイライラしながら僕の腕を掴んでゆすってくる。

「お兄ちゃん、ワタクシの縄張りが危機なのですよ、急いで殺してしまいましょう。」


まったく、デルリカはすっころ(すぐ殺す)さんだな。

でも、そのお願いは聞けないんだよな。


「まずは、西のダンジョンは勇者1人くらいで制覇してもらうつもりだよ。魔王組はできたら一切動かないでほしい。」


デルリカは不服気味に僕の腕に抱き着いた。

「ワタクシの縄張りが荒らされているのですよ。ワタクシも倒しにまいります!」


我侭デルリカ可愛いなあ。

でも、その我侭は聞いてあげられない。


「デルリカ、いま他国の魔王たちも四人ずつ連合を組んでいる。だからもしも魔王が攻めて来たなら敵は一人じゃない。おそらくダンジョンは僕らを分断するための誘いだと思うんだよ。」


そしてユックリ説明した。

もしも慌ててダンジョンに戦力を投入すれば、閉じ込められてしまい戦力が分断しかねない。

とはいえ、敵の罠にはまったふりをしなければ次の動きが読めないから勇者をダンジョン討伐に動いてもらうのだ。

別にダンジョン討伐に時間がかかっても問題ない。ダンジョン系の魔王はダンジョンから出てこないモノらしいから。

問題は敵の本隊である他の魔王3人分の戦力への対応だ。


だから、こちらの魔王達の戦力は全て温存しておきたいという事を説明する。


そこまで話すと、康子が立ち上がる。

「では私がダンジョンに潜りましょう。」


その言葉に僕はうなずいた。

「助かる、よろしく頼むよ。」


「はい、お姉さまの縄張りを荒らす不届き物は必ず私が成敗いたします。」


デルリカは康子の首に飛びついた。

「わたくしの可愛い康子。無理をしてはいけませんよ。お兄ちゃんも急いで倒す必要はないと言っておりましたから、絶対無理はいけませんからね。」


「はいお姉さま。かならずや無事に戻ってまいります。」


康子もデルリカを軽く抱きしめると、そっとデルリカを椅子に座らせた。

デルリカ、僕の見てる場所で妹の面倒を見ることが少ないけど、僕がいないときはメチャクチャ妹達を可愛がっていると聞いたことがある。

今の姿を見ると、確かに相当可愛がってるようだ。


さらに、勇者と魔王にコンビを組ませる事にした。

戦力の厚みが増すように。


サビアンさんには里美を預ける。

ビレーヌにはヒーリアさん。

デルリカにはタケシ君だ。


マリーさんは、勇者とかつけなくてもいいだろう。究極魔法使えるし。


そして僕は6分身して他の魔王全員についた。

これで万全。


「では、当面の動きの予定を伝えます。細かい作戦修正については僕の分身の指示で動いてもらう事でよいでしょうか?」


全員がうなずいてくれた。


よし、これで万全だ。

時間が無いので簡単に説明をして、それぞれの縄張りに帰ってもらう。

準備が沢山あるから。



魔王達をそれぞれの縄張りに送り出すと、僕は忙しく動くことになった。

なぜならここからはいろいろなことが同時に起こる。


分身でイロイロ動いているから、頭がこんがらがらないように気を付けないとな。


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