042 魔王と魔王と魔王と魔王
あらすじ。
長道と友達になったヘルリユ皇女が単身で魔王に向かっていってしまう。
それを追う長道たち。
皇女と長道の、明日はどっちだ!
― 042 魔王と魔王と魔王と魔王―
ヘルリユ皇女を挟んで、二つの魔王軍がにらみ合っている。
真ん中で半泣きで座り込んでいるヘルリユ皇女は、今のところ無傷のようだ。
しかし何だこの奇妙な光景は?
…と考えていら。でかい猿の魔王「突猿王」が、メチャクチャ大声で叫んだ。
数十メートル離れた僕らですら音圧で尻もちを着くほどの衝撃音で。
「食楽王!その小娘は俺様のオヤツだ。よこしてもらおう。」
食べる気か。
これは速めに助け出さないとな。
すると禍々しい鎧を着た魔王「食楽王」は、まるで女性声優のような声で答える。
「嫌ですよー。お前の手下が見つけたのが先かもしれませんが、突猿王は私より後に来たじゃないですかー。この小娘は私の手先にして人間の食べものを貢がせるんです。ですから私のですよー。」
なんとなく事態は把握した。
僕は放心する腹心騎士さんを揺する。
「あの、突猿王と食楽王という魔王がにらみ合ってますが、どっちが新参者の魔王ですか?」
「え?あ、失礼。すこし思考が止まってしまっていた。元々このあたりにいた魔王は、街や商人を襲って食べ物を奪う鎧の魔王だそうです。人を食べたりはしなかったそうですので、新参は突猿王と呼ばれている方でしょうな。」
って事は、優先的に倒すのは、お猿さんの突猿王か。
腹心騎士さんが走り出そうとする。
素早くヒーリアさんが止めた。
「どこに行くんだい。あんたが行っても何も変わらないよ。」
「それでも行かせてもらいます。可能でしたら隙を見てヘルリユ皇女殿下をお連れして逃げてください。」
しばし二人はにらみ合うとヒーリアさんが手を離す。
「99%二人とも死ぬよ。」
腹心騎士さんは穏やかに笑った。
「それもまた忠義です。」
再び出す走り出した腹心騎士さんを誰も止めなかった。
止められなかった。
デルリカが僕の手を握る。
「お兄ちゃん、どうしますの?」
「助けるよ。そのために来たんだから。」
ヘルリユ皇女も、目の前を走る腹心騎士さんも、両方死なせてはいけない人だと思うから。
二人の魔王に睨まれているヘルリユ皇女の元に腹心騎士さんは無事たどり着いた。
「殿下、ご無事ですか!」
「エリオット。お前、なぜここに。」
「殿下のお傍でお守りすることが、このエリオットの仕事にございます。」
あの腹心騎士さん、エリオットて名前なのか。
魔王たちは、人間が一人増えたことを何とも思っていないようすだ。
逃げなければ問題ないのだろう。
エリオットさんが小声でつぶやく。
「錬成士が来ております。私めが魔王の注意を引き始めたらすぐに私の来た方向に逃げてくださいませ。」
「長道が!そうか来てくれているのか。だが長道には悪いが帰ってくれるように説得してほしい。私は魔王をどうにかできずに帰ることはできない。せめて私一人の命で終わらせるために来たのだ。」
エリオットは悲しそうな顔になった。
「なれば、このエリオットも冥府の旅にご一緒いたしましょう。お守りできないのであれば、せめてお供をお許しください。」
ヘルリユ皇女は目を瞑り、苦しそうに声をひねりだす。
「エリオット…、私の我侭に突き合わせてしまい申し訳ない。」
「1000名の部下を助けるのです。我侭ではございません。」
ーーーーー
盛り上がってまいりました。
しかしここで一旦CM…ではなくて時間停止!
<時間魔法>で時間を止めた。
時間結界で僕らだけが動いている。
「なんかヘルリユ皇女とエリオットさんが盛り上がってるけど、ケリをつけようと思う。『時間結界』を張ったからタケシ君の『石ころモブ結界』は切っていいよ。」
「はい、では結界を切ります」
タケシ君は初めて時間停止を体験したはずなのに…落ち着きすぎじゃない?
さすがデルリカの相方という事か。
『時間結界』で移動して突猿王の前まで移動する。
「では、突猿王の軍勢に向かって攻撃よろしく。でもあとで素材として回収できるように攻撃してね。」
みんなが空に向かって光の矢を撃ち始めた。
30分ほど皆が撃ちこんだところで時間結界を解く。
結界の維持は40分が限界だから、ここで結界は一旦終了。
でも僕の周りは時間が止まったまんま。
結界の維持は大変だけど、僕だけの時間停止ならさらに一時間以上可能だから。
仲間も時間が止まったので、ここからは僕一人。
さて、次は魔王の処理だな。
近づいてよく見ると、ほんと怖い姿だな。顔も怖い。
まるでパンクのようなトゲトゲ状態で、ある意味カッコいいが接近はしたくない。
トゲトゲも固くて鋭いなあ。
棒でコンコンと叩いた感触では、鉄よりも堅そうだ。
どのくらい鋭いか触ってみようかな。
指を出して触ろうとしたら
「それ毒がありますよー。人間は即死ですよー。」
ビクッ!
滑稽なほど、ビクッっと驚いてしまった。
時間が止まってるのに誰の声?!
振り返るとすぐそこに、禍々しい鎧の食楽王がいた。
マジか。
「あの、時間停止中なんですがなんで動けるんですか?」
するとキョトンとしたかんじで小首をかしげられてしまった。
魔王のくせにしぐさが可愛いな。
「私も<時間魔法>が使えるからですよ。ちなみに私は究極魔法のうち、三つ使えるんです。ですから最強なんですよー。凄いでしょ。」
さすが魔王、究極魔法を三つも使えるのか。
「うわぁ、僕以外で<時間魔法>を使える人に初めて会いました。ちなみに<時間魔法>以外のどの究極魔法が使えるんですか?」
食楽王は指を三本立てて、一本ずつ折り曲げて説明しだす。
「一つは<時間魔法>でしょ。もう一つは<純化魔法>。それでもう一個が<一意多重存在>って魔法です。だから私は無敵で最強なのです。あなたは、<時間魔法>以外に何ができますか?ねえねえ、何ができる?」
すごく興味津々に僕の手を掴んで聞いてくる。
まるで大好きなマイナー漫画の愛読者を見つけて、感想を語り合いたいオタクみたいな感じだ。
どうしよう、時間ないんだよな。
「僕は究極魔法を全部使えますよ。ちょっとこのお猿さんを倒すんで、お話はその後でいいですか?」
「えええ!じゃあ<原始魔法>もつかえるのですか?ねえねえ見せて見せてー。見せてくださいよー。可愛い私に見せて見せてー。見せて見せて―。みーせーろー。」
うぜー。
この魔王、マジうぜえ。
「はいはい、今見せますから。でも面白くないですよ。いまから<原始魔法>で、魔王の力を奪います。」
「おお、概念を扱うってやつですねー。一度見たかったんですよー。」
へー、ちゃんと<原始魔法>がどういう物か知ってるんだあ。
「では<鑑定>で突猿王を見ていてください。彼はガンガンいろいろなもんを失っていきますから。」
「わお、面白そー。わくわくです。」
食楽王、なんかバカっぽいな。
究極魔法を三つも持っているのに商人を襲う程度しかしないんだから、バカなんだろな。
うん、バカもたまにはありがたいね。
僕はバカ王に見せるために、まずは突猿王スキルを引っこ抜く。
やっぱり魔王って<耐性系>は充実しているな。
まとめて引っこ抜く。
ふん!
「うわー、<鑑定>から<耐性>関連のスキルが一気になくなりましたよー。<原始魔法>凄いですねー。面白ーい。」
このお猿の魔王は魔眼を持っていないけど、声関連のスキルが怖い。
<即死の咆哮>とか<支配の咆哮>とか<状態異常の咆哮>ってなんだよ。
<魔眼>が<咆哮>になっただけじゃん。
当然引っこ抜く。
もちろん体力や魔力や寿命も引っこ抜く。
そうだ、魔王の知識とか引っこ抜けないかな。
フン!
手元を見ると<突猿王の知識>ができた。
すげー、こんなものも引っこ抜けるのか。
高校のころにこの魔法を持っていたら、絶対他の大学生から受験勉強の成果を引っこ抜いたな。
まあいいか。
黒竜王よりもかなり弱いから、かなり全部引っこ抜けたぞ。
よし、あとは速攻で帰ればいいや。
「ねえねえ、人間。ところで一つ聞いてもいいですかー?」
「なんですかバカ王…じゃなくて食楽王さん。」
食楽王は禍々しい兜で顔が見えないが、あきらかに不思議そうにこっちを見ているのは分かる。
「あなたはなんで魔王の私を恐れないのですか?私が魔王だって気づいていますよね。スキルに<鑑定探査>を持ってるんですから。」
いわれてみれば全然恐れていないな。
そして気づいた。そういえば僕は自分のステータスを隠していたんだ。
僕はステータスの隠蔽魔法を解く。
「タブン僕も魔王だからですよ。黒竜王って魔王を倒すときに魔王になっちゃんたんです。そのときに黒竜王っていう称号ももらったんですよ。<鑑定>で見てください。」
まるで、アイドルが驚いた時みたいなわかりやすいリアクションをされた。
「うわあああ、魔王だ!しかもあの黒竜王を倒したのですか!すごーい。さすが究極魔法の使い手ですねー。私の次に強いかもですねー。」
この魔王、呑気だな。
「そろそろ時間を動かすんで、元の位置に戻ってください。食楽王さんが元の位置に戻ったら時間を動かします。」
帰ろうとしたら、腕を掴まれた。
「その後あなたはどうするんですか?」
「そこのヘルリユ皇女を連れて帰ります。」
すると、食楽王からブワっと強大な闘気のようなものが膨れ上がる。
「あの小娘は私のモノですー。連れて行かせませんよー。」
心の無しか、声に迫力が増した。
ヤバイな。バカすぎて忘れていたけど、これでも魔王なんだよね。
一旦適当なことを言って逃げるか?
そんな事を考えていたら、横からデルリカの声がした。
「お兄ちゃん、こいつも殺しますの?」
いやいや、デルリカの声がするわけないでしょ。
だって時間が止まってる世界だよ。
ないない。
でも一応声の方向を見てみた。
デルリカだった。
「うわ!デルリカ!なんでここに居るの?」
まるで重い体を引きずるようにさらに近づいてくる。
「お兄ちゃんと何度も時間の止まった世界に行きましたのでコツをつかみましたの。やっと時間が止まった世界でお兄ちゃんを追いかけられるようになりましたわ。体は動かなくても意識を保つだけでしたら康子や里美もできましてよ。」
「…うちの妹達凄すぎる。」
この子たちに常識は通用しないようだ。
いや、もしかすると魔王や勇者の称号が関係しているかもしれない。
根拠はないけど、他に理由が思いつかないし。
デルリカをみて食楽王は嬉しそうに飛び上がた。
「うわあ、この子も魔王なのですね!時間の外に出られる魔王がこんなにいるなんて驚きです。<時間魔法>について語りあかしたいです。称号は淑女王ですか、素敵ですねー。」
「そうそう、向こうに居る赤毛の女の子も魔王ですよ。」
「おお、称号は小紅王ですか。あれあれー、のこりの人たちは勇者じゃないですか。とんでもないパーティーですねー。」
「じゃあそれも含めて後で語り合いましょう。そうそうヘルリユ皇女は返してもらいますよ。」
「それはだめです。」
チッ、押し切れなかったか。
「だいたい、なんでそんなヘルリユ皇女が欲しいですか?理由を教えてくれれば、もしかしたらもっといい提案ができるかもしれませんよ。」
すると腕を組んで考え出した。
「あれー?なんで欲しかったんでしたっけ?」
バカだこの魔王。
でもデルリカはすかさずツッコミを入れる。
「あなた、最初に美味しいものを貢がせるって言っておりましたわ。人間の美味しいものが食べられれば、ヘルリユ皇女を無理に手に入れなくても良いのではなくて?」
「うーん、でも美味しいモノっていっても街じゃないと食べられないようなお菓子的なモノが食べたいのですよ。だったら買い物係りは、女の子の方が良いかなーって思ったのです。」
思い出したように、僕は<空間収納>からエプロン子が作ってくれたプリンパフェを出す。
「王都に行かないと食べられないくらいの美味しい甘味です。これでヘルリユ皇女を僕に売ってください。コレあと三つあるんで。」
食楽王は目を輝かせて、僕の手からプリンパフェを奪い取った。
「うわ!なんですかこの美味しそうなモノは!ペロペロ…冷たい!甘い!」
「プリンパフェです。このスプーンで食べてくださいね。」
「うひゃあ、これはおいしいです!なんですかコレ。プリンもアイスも冷たくて濃厚な甘み。フルーツも添えてあって豪華ですよー。うわあ、美味しい!これは人間の食べ物の中でも凄い方の食べ物ですね。」
器用にヘルメットの隙間から食べていたが、食べづらいことに気づいたようで食楽王はフルフェイスのヘルメットを脱いだ。
ふぁさりと黒色の長い髪の毛が落ちた。
無邪気な表情だが、人間でいえば20代くらいの美人さんな顔立ちだった。
いや、見たことある顔だ。
あれ、誰だっけな。不思議と思いだせない。
でも絶対知ってる顔だ…
うんうん、唸って考えていると、食楽王は口の周りをクリームだらけにして僕に微笑んだ。
なんだ、この魔王さん可愛いじゃないか。
思い出せないなら気にするのはやめよう。いまはそん事考えている時じゃなさそうだし。
食楽王はパフェをペロリと食べ終わるとニコニコしながらこちらに手を差し出した。
「あと三つ!よこすのです!」
「じゃあヘルリユ皇女は連れ帰りますよ。」
「よし、売った!」
皇女を買い取るにしては安過ぎるよ…。
この値段は、ヘルリユ皇女には秘密にしておこう。
とにかく人身売買成立だ。
<空間収納>から残りのプリンパフェを出す。
「では、これで契約完了ですね。」
「はーい、おっけーでーす。」
ふう、止まった時間で動ける様な化け物と戦わなくて済んだか。ラッキー。
食楽王をもとの位置に連れて行くと時間を動かそうとした。
すると食楽王が僕の肩を叩く。
「そういえば、あなたの名前はなんですか?私は食楽王。名前はマリーです。」
「僕の名前は長道。魔王の称号は黒龍王です。では時間を動かしますね。」
では時間よ動け。
ーーー
ヘルリユ皇女は立ち上がり食楽王を睨む。
「私は奴隷になどならぬ。生き恥よりも死による名誉を選ぼう。よってお前の要求は飲めない。」
堂々とした立ち姿だった。
だが、軍隊のような魔物を背に控えさせた食楽王は、兜を外してプリンパフェを食べていた。
可愛らしい顔立ちでニコニコしながら食べていたが、ヘルリユ皇女に急に声を掛けられてキョトンとする。
「え?お前の事は長道に売ったから帰っていいですよー。このプリンパフェとか言う食べ物はおいしいですねー。やっぱり人間の食べ物は最高です。」
「え?」
予想だにしなかった急展開に、皇女は脳が急停止。
だがすぐに顔をパンと叩き気を引き締める。
混乱しつつも次の事を考えたのだろう。
食楽王が退くとなれば、突猿王が主張を通すことになる。
振り返り、巨大な猿である突猿王を見る。
そして絶句した。
丁度、大量の魔法の光が突猿王の軍勢に降り注ぐところだったのだから。
そう、それは本当に降り注ぐとしか表現できない光景だった。
空に隙間もないほど魔法が飛んでおり、それが魔王軍に襲い掛かる。
ドゴゴゴゴゴゴゴ!
地面が揺れるほどの轟音が鳴り響き、5000体は居そうだった突猿王の魔物が全滅した。
「な…何が起きたのだ?」
突猿王も驚いたのか絶叫した。
「食楽王!おまえ何しやがった!」
プリンパフェを上機嫌に食べる食楽王は、一旦スプーンを止めてニヤリとする。
「私は何もしていないですよー。やったのは魔王の『二代目黒竜王』『淑女王』『小紅王』ですー。あと勇者が4人来てましたねー。あなたはウスノロだから見えなかったみたいですけどー。」
ヘルリユ皇女と腹心騎士エリオットは混乱して今度こそ思考停止した顔になった。
なんか、驚きすぎていて可哀想だから、僕は姿を現して近づく。
「ヘルリユ皇女、解決したから帰りましょう。」
「え?長道?何がどうなって解決したの?」
アワアワしているので、まずはその手を握って落ち着ける。
「大丈夫、食楽王は買収したし、突猿王はもうすぐ死ぬから。だから安心してよマイフレンド。」
その言葉に突猿王が怒りだす。
「人間!舐めた事言いやがって、食いちぎってやる!」
歩を進めようとしたとき、僕らの前に里美が割って入ってきた。
「猿の分際でお兄ちゃんを食べるとか図々しいよ。その巨体じゃ性的に食べるのも無理でしょ!」
性的に食べられる選択肢はいらないよ、マイシスター。
里美の扇子から衝撃波が放たれる。
ビシュウウ!
「ぐああああ!」
バランスを崩して突猿王が膝をつく。
そこに康子が駆け込んでいって、突猿王の手をとらえた。
同時に、康子は背負い投げのように突猿王を投げ飛ばす。
突猿王が地面にたたきつけられた衝撃で地面が揺れる。
おおおい、どうやったら10メートル以上ある猿の投げ飛ばせるんだ。
康子の体術は魔法だな。
倒れた突猿王に、一番凶暴な人がすごく残忍な笑みを浮かべて飛びかかった。
「これで終わりですわ、お猿さん。」
デルリカだ。
柄が異常に長いスコップを手に、華麗に飛び上がると、まるでロケットのように勢いよく落下して突猿王の眉間に深々と突き刺さした。
「グハアアア」
突猿王の巨体はしばらくビクビクと痙攣したが、徐々に動きを止める。
<鑑定>でみると『死体』と出た。
終わったようだ。うちの妹達に掛かればあっけないものよ。
唖然とするヘルリユ皇女とエリオットさんの肩を揺すってみた。
「終わりましたよ。僕たちは魔物の死体を回収しますので、お二人は先に帰ってください。」
でも二人とも正気に戻らない。
困ったな。
すると後ろから、食楽王が楽しそうに駆け寄ってくる。
「おーい長道。じゃあ私たちは帰りますねー。食べ物が欲しくなったら連絡しますから、用意してくださいねー。」
「いーよー。食楽王も、あんまり人襲わないでね。」
「いーですよー。じゃあねー。」
ぞろぞろと帰っていく食楽王を眺めてから、僕らは魔物の死体を回収するために動き出す。
結局、夜になるまで二人は正気に返らなかった。
お読みくださりありがとうございます。
魔王・食楽王は…Eカップや。




