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019 パワーレベリング開始

登場人物

長道:主人公。11歳。元日本人だが記憶を奪われている。

デルリカ:9歳。ブロンドの美少女。好戦的。

康子:8歳。170cmはある体に隆々の筋肉妹。

里美:7歳。日本に居た頃の記憶を持って居る。

ヒーリア:ダークエルフの美人さん。道中で知り合って村に来た。

スマ子:里美の人工精霊。馴れ馴れしいけど甲斐甲斐しい。

高麗こま:長道の人工精霊。目つきは怖いが気性は大人しい。

ビレーヌ:7歳。長い赤毛を左肩にまとめている。学校の委員長。

― 019 パワーレベリング開始 ―


現場に着くと同時に、一気に魔物を斬り裂きながら委員長の所に向かう。

時間結界の欠点として、結界に入れば敵であろうと動き出しまうので、結果てきに戦いながら進むことになった。


でも康子とデルリカが居たので前進するのに問題なかったけど。

僕が前進することで時間結界の中に入ってしまった魔物は、二人がガツガツ倒す。

さすがです。


委員長の傍まで着いたら里美に叫ぶ。

「里美、結界を!」

「おっけーお兄ちゃん。スマ子よろしくー。」


スっと周りに結界が張られる。

魔物の密集が凄いので結界の中にも魔物が入ってしまったけど、それもやぱり康子が瞬殺。


康子さん、ほんと頼りになる。

8歳にして170cmで95kgの筋肉。

プロレスラーのような顔も、こんな場所では頼りがいがあって安心できる。

康子最高。


すると、パニックを起こしていた委員長が抱き着いてきた。

「長道様ああぁぁ!助けに来て下さったのですねえ!」


デルリカの罠でこんなところに転移したら、そりゃびびるよね。

ごめんね、うちの妹がほんとゴメン。


「うっかり転移しちゃったんでしょ、無事でよかった。」

「はい、転移の魔法を操作しながら<探査>を使って魔物を見ようとしたら、ここに転移してしまいました。もう死を覚悟したしました。なのに数秒で長道様が助けに来てくれて嬉しかったです。」


首がへし折れそうなほど抱き着かれた。

よしよし、ほんとゴメンね。何度も言うけどうちの妹がほんとゴメン。


でもこれは教訓でもある。使い慣れない能力はうっかり誤動作させる可能性がある。

能力は使い慣れるまで危険だね。


「とにかく、無事で何より。あとは生きて帰るために戦いまくるよ。」

「はい。」


まずは結界内の魔物の死体を<空間収納>に放り込む。

足場が悪いと危ないしね。


しかし、前回のキラービー騒動と同じ、結界に立てこもって戦うことがまた起きるとはな。

まあ今回は僕の準備も万全です。

ちゃんと刀を持て来てるから。


結界に魔物が群がってきている。

それを康子やデルリカが次々に倒し始めていた。

この二人は本当に勇猛果敢だ。


だけど前回と1つ状況が違った。

倒した魔物が大きいので、魔物の死体が邪魔で、すぐにほかの魔物が結界に近づけなくなった。

べつにこれはこれで良いのだろうけど、デルリカはご不満のようだ。


「これではお兄ちゃんのレベリングができませんわ。里美、この結界は解除したらどのくらいで張りなおせますの?」

「うーん、一瞬で出来ると思うよ。」


嫌な予感がした。釘を刺さなくちゃ。

「里美とデルリカ、この結界を解除したら僕はガチでキレるからね。ほんと一生に一度に有るか無いかのレベルで怒りをぶちまけるから覚悟して解除しな。タブン僕はすぐ死ぬけど。」


「や、嫌だなー。解除しないよー。お兄ちゃんは心配性だなあー。」

里美の目がめっちゃ泳いでる。

デルリカの目も泳ぎまくり。


この人たち、無茶するから怖いわー。


とはいえ、解決策を提案するか。

「でも確かにこのままじゃ埒が明かない。僕と康子の<一意多重存在>で結界から飛び出して戦うよ。結界の外の自分が死んだらまた次の分身を作って飛び出せば良いから。無敵のはず。」


僕は天才か。

でも結界の外の自分は死の恐怖を味わのは確実なんだよな。

いやだな。


でも、今はそれ以上に安全に戦える作戦は思いつかない。


「委員長やヒーリアさんは結界内から魔法で戦っくれればいいから。里美とデルリカも魔法でどうにかしてね。」


僕と康子は分身をした。

まあ、じつは僕たちの分身はお屋敷にもいるのでココで死んでも問題ないんだけど。

でもヒーリアさんと委員長はそうはいかない。


はあ、だから僕達が頑張るしかないんだよね。


「じゃあ行くよ!」


僕と康子は分身を1人結界に残して飛び出す。

デルリカと里美も飛び出した。

この2人も、ここで死んでもお屋敷に分身がいるから安心だからいいか。


この状況になると、お屋敷に分身を置いていかせたマリアお母様の先見の明に恐れ入るな。

死なないから安心して無茶できる。


飛び出しつつ、まずは結界の周りの魔物の死体を空間収納に入れる。


そして乱戦が始まった。

僕は<空間収納>から刀を抜く。


うおおお、スキルに<N武道:4>とかいうのが付いているんだ。

僕だって戦えるはず。


隙間なく襲って来る魔物を、刀でさばきながら避けて逃げまくる。

そして隙を見て衝撃波を撃ったり、適当に斬りつけたりして逃げる。

とにかく逃げる。


だめだ、倒せる気がしない。

気が付いたら囲まれて足を噛まれた。


「うぎゃああ」


スキルで持っている武道は、技を身に着けているというだけで、使いこなせるかどうかは別のようだ。

柔らかく動いて敵をさばいていたけど、囲まれたときに判断を誤ってしまった。

判断力や経験はスキルでは手に入らない。

道場で技が上手くても、実践では負ける人みたいなイメージかな。


だから転ばされてしまった。


転んだら一斉に魔物たちが襲い掛かってきた。

あっという間に体が引き裂かれる。


恐怖は数秒だ。

『お任せください』

人工精霊の高麗こまが、僕自身の殺戮シーンにモザイクをかけてくれた。痛みも消える。


『自動殺戮シーン脳内修正』か。スキルとして確立したい技だな。

ナイスアシストだ高麗、あとで褒めちぎっておこう。


結界の外の僕はモザイクの下でぐしゃぐやになったので、光にして消し去る。


「ふう、もう死んじゃったよ。」


結界の中の僕は、同じ感覚を共有しているのでかなり疲れた。

それに殺される時の無力感や痛みは、口では言えない恐怖がある。

モザイクで臨場感が半減していても怖いものは怖いのだ。

アカン、もう心折れたかも。


でも、ヒーリアさんと委員長はゼエゼエ言いながら魔法を放っている。


諦めるっわけにはいかないか。

また分身して、意を決した。


「くそおおお、頑張るしかないだよねええ」


分身で結界から飛び出す。

今度はN魔法で手に風の刃を纏わせた。

乱戦では刀よりも扱いやすいと思ったから。


とにかく魔物と自分の間に隙間が無い。

だから刀は不利だったと思う。


近づく魔物をさばくように避けて逃げる。

その時、手に纏わせた風の刃が魔物を斬り裂く。


上手くやると首も斬り裂けて倒せることもあった。


これは良い作戦だったみたい。

よしやれる。


でも、調子に乗っていたら突進してきたイノシシみたいな大きな魔物に吹っ飛ばされてしまう。


「ぐはぁ!」


魔物が密集しすぎていて横に避けられなかったので、もろに食らった。


すこし切り刻んでやったけど、あの質量が突っ込んできては止めきれないなあ。

そのまま、視界がモザイクに覆われて感覚が消える。

他の魔物に体を引き裂かれてしまったので、また体を消す。


「ぜえぜえ、殺さるの辛い。」


結界内の僕は、気持ち的にもう無理ってかんじ。

結界の外の分身とすべてを共有しているから、全ての痛みと恐怖も感じているのですよ。

引き裂かれるのとか怖いんだよ。致命傷になってからは痛みは消えるけど…


ほんと怖いんだよ。


でも…


妹達の分身も結界の外で戦っている。

僕だけ逃げるわけにはいかない。


また両手に風の刃を纏わせて飛び出す。


段々コツがわかってきたかも。

僕はタイミングを見て風の刃を撃ちだすこともした。

遠い奴も狙う事で、間合い的に余裕を持てる。


近くまで来た魔物は手刀で首を斬り飛ばす。


シュパッ!


ビックリするほど軽く斬れた。

魔法すごい。


ついでに足に衝撃波も纏わせた。

その足でけると、相手は軽々と転ぶ。

転んだら風の魔法で斬り裂く。


これは良いコンボかも。

でもしばらくすると疲れて…

息切れを起こしている隙に引き裂かれた。。。

視界がモザイクになる。また体を光にして消す。


「うおおおお」

結界内でまた分身して飛び出す。

よく考えたら、僕は32人まで分身できるんだった。

だったら、全力で分身すべきだよな。


30人に増える。

魔力が切れてきたけど、人工精霊の高麗が魔力を補充してくれるのでまだまだやれそうだ。

そっからは地獄だった。


僕は次々死んだ。

でも死ぬ傍から分身して復活して戦う。

なんか、しょっちゅう視界の一部がモザイクになったけど頑張る!

あははは、僕ったら殺されすぎでしょ。


ゼエ、ハア、ゼエ、ハア



でも殺される瞬間の恐怖は、モザイクで半減しても消えるわけではない。

殺されるたびに気持ちが折れる。

でも頑張らないと。


で、ちょっとやばいことに気づいてしまった。

分身は無敵だと思ってたけど、だんだん分身できる数が減ってきたのだ。

どうやら精神力が減ってくると分身できる数が減るようだ。

殺される負担で、僕の精神はガリガリ削られてきているのが原因だ。


ヤバイな。このままではジリ貧だ。

お読みくださりありがとうございます。

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