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夏
喉が渇いた。
夏の太陽から残酷なまでに注がれる熱射が彼の神経をジリジリと焼いていた。
彼はふらふらと体を左右に揺らし、ほとんど夢遊病患者のようになりながら水を探してさまよっている。
喉が渇いた。
彼はまたうなされるように囁いたが、既に声は出ない。口の中には粘っこいものもなく、唇がひび割れ始めていた。
頭がクラクラとし、視界が揺れて見えるのだが、意識が朦朧としているせいなのか、暑さのせいなのかまるで判断がつかない。
すると彼の目の前に、水の入ったグラスが現れた。
霜が付いており、とてもよく冷えている。
神の恵みだと思い、彼は一目散にグラス目掛けて飛びついた。
触っただけで内容物の冷たさがわかる。
彼は持っていたストローでその水を一気に吸い上げた。
うっうまい!うまいぞ!
うひゃあー!冷えー!生き返るぅ!!
彼は巨大な手によって叩き潰された。




