創作落語「落語というものは」
落語というものは素晴らしいもので、私もよく見に行ったりもするんですが、なにが良いって例えば、こうやって。
(机を叩く)
上方落語には見台いう机がありまして、それを小拍子でぽんと叩きますと場面や時間が変わったりする。
こうすることで話がよりスムーズになって人物の演じ分けが出来るという具合です。
なぁなぁ。お前さん誰と話しとんねや。
おっなんや藤吉かい。今こうやって落語の素晴らしさを説いていたところや。
おおなるほど。で、なんやその落語の素晴らしさっていうんわ。
おお、それはな、こうやって小拍子で見台を叩くと。
(机を叩く)
ほらな。
おっなんやここ!急に見たことないとこに移動したがな。
で、ここはどこやねん。
おおここはな、ラスベガスや。
ラスベガス!
お前博打好きやろ。花札やちんちろなんかはないけども、スロットにルーレット、ポーカー、なんでもこいのカジノや。
おお、これはおおきに。ちょっと行ってくるわ。
おお行ってこい行ってこい。
と、まあこんな具合に場面が変わったりしまして、もう一度。
(机を叩く)
こうやりますと、またここに戻ってくる。
他にはこの扇子。これは仰ぐだけのもんじゃなくて、開けばトックリ、口に咥えて(ぷはぁと息を吐く)こうやればキセル、割れば箸になってうどんまで食えるんですな。
手拭いなんかを開いて、扇子をこうやれば(書く仕草)紙に何かを書いてるように。
おい!おい!
(割って入るように)
なんやうるさい、藤吉やないか。どうしたんやそんな顔して。
お前が急におらんなってまうから飛行機で帰ってきてんぞ!
ああごめん。これ叩いてもうたからな。
お前飛行機で12万かかったやないかい!
せっかく10万も勝ったのに10万とおまけに2万もぱあや。
悪い悪い。まあうどんでも食いいな。
うどん?そんなもんどこにあんねん。
この扇子を割ってもろて。
無いがな。
このうどんを啜るんや。
いや、無いがな。
お前さん頭でもおかしなってしもたんちゃうか。
おい、藤吉。お前何を言うとるんや。
箸もうどんも、どこにもあらへんがな。
アホか藤吉、これは落語や。
お客さんに想像してもらわなあかんねんで。
それに、あらへんのはお前もやがな。
お辞儀




