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景色
死体が転がっている。
一つや二つではない。
それは数えきれぬほどの、無数の死体が大地を覆っていた。
色褪せてしまった老人や、まだ脈を打っているかの若者や、それすらも判別出来ないほど、バラバラに裂かれた無残なものたちが、おり重なり合い、地獄のような世界を支配していた。
美しいなと、私は呟いた。
腐敗臭のようなものが辺りに立ち込め、鼻腔を深く突く。
季節の良い香りに誘われて、私は僅かに腹が減っていることに気が付いた。
隣にいる彼女が私の手を取り、綺麗だねと言った。
何か食べに行こうか。
秋の紅葉に魅せられた私たちは、山間の宿屋へと足を運んだ。




