表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セレンディップな  作者: 島の住人
14/16

角川奈々を知る



ジナダーサが現世のものならず奈々ちゃんを見たのを、ひとえに恋ゆえの色盲と片付けるなら、早計のそしりを招こう。


オセロとデズデモーナといったら陳腐に聞こえるかしらんが、事実、皮膚の色には同様の違いがある。偽善的かつ独善的にしてハヤトチリな向きは前文をもってZIN-SYU-SA-BETUのなんのと騒ぎかねないのを承知で書いた。


キング牧師とケネディー大統領との間に肌色の差別を認めない者は色盲と断じてかまわない。ダーサと奈々ちゃんとにおいてもしかり。ケネディー大統領はアイルランド系アメリカ人であり、奈々ちゃんの母貴子さんもまたアイルランド系アメリカ人だった。伸一がマサチューセッツ州の某工科大学院に学んだとき、言語学部で日本語史を研究していたマリア・ハミルトンといい仲になった。


結婚して帰化後、マリアは本名を捨て戸籍上貴子とした。


奈々ちゃんはくるくる巻いた赤い毛のみどりめではなく、つやつやしく黒い髪のくろめだけれども、ほかは母親の形質を受け継いだのだろう。縄文ないし弥生人おんながどんなに美白につとめたといって、奈々ちゃんのようにはなれまいと考える。長い手足だって強ちセイロンの島女にひけをとるものではない。


白人のそれを仔細に観察すれば判ってくることがあるというのは、われわれ黄色人種と違って、皮膚層の下に薄く金箔めく何かが透いて見える、光を吸いとるにあらずして光をはねかえす白さ、太陽光をはねかえす肌なのだ。ダーサが見たのはそういう眩しいまでの何かだった。


我々はうらやましがろうか。一考を要するところだ。本人にとっては、小中高と絶えずコンプレックスの因をなした。いささか彫りが深い顔だちも自慢のたねでなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ