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セレンディップな  作者: 島の住人
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召しつかいジナダーサ 【2】



無教養な奉公人ジナダーサだけれど、本物の仏教徒だ。


お葬式専門の在俗僧侶ぐらいでは太刀打ちできまいよ。経典に何が書いてあるか正確に知っている。日曜学校で熱心に勉強した甲斐があって、パーリ語原典が読めるのだ。これひとつでも頭の良さは明らか。


水曜日には、午後から奈々ちゃんに許しをもらって仏歯寺へお参り。ゴータマ・ブッダが糸きり歯をおさむる金の容器の前に額づく。(仏歯寺こと「ダラダー・ マーリガーワ ⇒ http://www.sridaladamaligawa.lk/ 」は、キャンディー市のまんなかにある。)それとは別に、一家ともども満月の日になると村のお寺で礼拝する。


セイロンでは十五夜を「ポーヤ」といい、休日とする。誕生、悟り、初説法、入滅と、ブッダの生涯で要の出来事が満月の日に起こったと信ぜられているによる。


人口の七割を占める仏教徒は、どんなぶしんじんな輩でもポーヤにはお寺へ行くのだけれども、ダーサにいたっては言わずもがな。はじめ知らない頃、庭掃きをしながら鼻歌を歌うので、角川君も奈々ちゃんも少し不真面目のように考えた。バンダーラという、家の管理人に話したところ、


「いいえ、お嬢様。鼻歌ではありません。ダーサのは仏陀に讃歌をささげるのです。御主人様とお嬢様の祝福を請うてするのですよ」


そう言われれば、土曜の夕刻、谷向こうの山寺から響いてくる歌なのだ。ダーサはいい男だと角川君は言うようになった。


(管理人バンダーラについては後述する。)




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