行くべきか行かざるべきか
セイロン島は美人の島だ。コロンボ、ダンブラ、ポルンナルワ、アヌラーダプラ、と、北進するにつれて増える。
目鼻の整った島女。格好が良い。頭が小さく、体つきは、出るところは出、へこむ所はへこみ、手足が細く、長い。
歩き方が面白い。胸を張り、体重を尻で受ける。風変わりなモンローウォークをする。下半身にシマリがあり、垂れがない。
ジーパンが似合う。島ギャルの中に、東洋種のような、異質な者が混ざると、吹き出したくなる。
毛深いから驚く。腕、すね、ふくらはぎと、柔らかい毛でボーボーなのが珍しくない。口髭を生やした別嬪さんがいる。それをマイナス要素とせず、恥ずかしがるでもない。したがって、見るほうも恥ずかしくない。
と、男にとってセイロン島ぐらい興味を誘う島はない。(女にしてもそうだ。長い足のイケメンが揃っている。)さて、物見遊山の客は、不愉快をする予定で出かけることだ。
「光り輝くスリランカ」と呼ぶそうな。街にゴミが散乱し、悪臭がよどむ。最貧国ではない。日ごとのカリーに困る、飢えた島民は少ない。
汚い臭いを厭わないのだ。片付けるのが面倒な、怠け者が多いせいだろう。
「シンハラ人はぐうたらさ」と、タミル人は言う。人口の八割がシンハラ人で、タミルは少数民族だ。
粗野で礼儀を知らない。お巡りや役人など、ちょいと公務みたいな仕事をやっている中に甚だしいのを見る。仏教国のわりに、譲る精神が希薄。「我先に」と争う。列に並んで待てない点はインドなみだ。
リゾート目的だったら、やめてはいかが。一般に思うリゾート、バリだハワイだ沖縄だと比べ . . . てんで比べられない。史跡があるばかりで、遊園地は絶無に等しい。
気の利いたティールーム、評判の食べ物屋、なんてのもない。薄汚い屋台、路傍のコーラ売り、アイスクリームスタンド程度。
レストランのくせに、テーブルと椅子が食べこぼしでベトベトだ。潔癖症に罹ったわれわれは安心できない。(海に面したゴールあたりは別。有名なアマン・リゾートがある。)
同じ歴史探訪でもカンボジアとは似ても似つかない。今やシエムレアプは歓楽街だし、アンコールの遺跡々々には休憩処がたち、観光地然としている。
セイロンじゃそうは行かぬ。
つまらないスポットだらけ。これは「贅沢旅行がしたい」場合の話だ。汗をかいて廃墟巡りを好む向きは、魅力を感じよう。
結論:レジャーするならモルジブ、古代ロマンならスリランカ。あとを選べば、毛ぶか美人ウォッチングという楽しみがつく。