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陰と陽  作者: 花ゆき
2/12

熱い日には

 夏の暑い日、橋香は教室で涼んでいた。


「この部屋が一番涼しいわ」

「そりゃあ、陰のクラスだもんねぇ。来る睦月先輩の喜びようったら」


 友人がからかうように言う。




 夏。四季の中で最も熱い時期。陰属性の者は自動冷却機のごとく重宝されていた。このクラスにくる先生の顔も心なしか明るい。


「でも、抱きついてくるのはどうかしらね」

「夏だからじゃない」


 深く、また深くため息をつく橋香。興味が無いのか、橋香を見ようともしない友人。


「えっと…、抱きついたらいけないのか?」

「出たぁー!!」


 後ろから声がして、跳ね上がる橋香。そんな橋香の驚きっぷりに胸を痛める睦月。


「い、いつからいたのよ!?」

「『でも、抱きついて~』からだ。抱きつかなくて良かった」

「それは懸命ね。甘えん坊のお坊ちゃま。貴方の権力に私は屈しません」


 私より身長の低い彼をよーしよーしと撫でる。彼がむっとしたように下から睨みつける。それも私にとっては可愛いくて仕方がない。だって彼は……。


「くっそーー! 年下だからってなめんなよ!!俺はお前より上のクラスで先輩なんだ!!」

「はいはい。身長150cmの先輩」

「俺は将来有望なんだぞ!」

「何年後よ、まったく……」


 睦月先輩は年下の先輩。弟と同い年の先輩は、私から見たら可愛い男の子でしかないのだ。

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