たこやき
ウフフ……
アハハ……
たこやき飲みたく、ないですかぁ?
そんな声がどこからともなく聞こえてくる。
私はこたつにあたりながら、バヌアツを観光するあたたかそうなTV番組を観ているというのにだ。
どこから聞こえてくるんだ、この声──
めっちゃ楽しそうに、私を誘う。
ウフフ……
アハハ……
たこやき飲みたく、ないですかぁ?(*´∀`*)
違うだろ!
たこやきは飲むものじゃなく、食べるものだ!
寒い冬には特別に有り難いものだ!
あっつぅ〜い、トロトロのたこやきを、つまようじでなんとか持ち上げて、舟に落ちそうになる寸前に! 口で吸い込む!
はふ、はふ、はふふ!
外はきちんとパリパリ!
中はとろ〜りトロトロ!
そんなたまらない世界の中に、たこが鎮座している!
それを、歯で、捕まえて──
くっちゃくちゃ!
クチャラーじゃないよ! たこが勝手にそんな音を、脳内で鳴らすんだ!
もっこもこ!
何がもっこもこなんだかよくわからないけど、間違いなくたこがもっこもこするんだ!
そしてかつおだしと、山芋粉と、紅しょうがと、天かす! 何よりもオタフクソースの甘みと混じりあって──
はふ、はふ!
はふ、はっふぅ〜ん!
たまらんな!
たこやき、食べたい!
それなのに、謎の声は、私を別方向へと誘うのだ。
ウフフ……(*´艸`*)
アハハ……(*´∀`*)
たこやき飲みたく、ないですかぁ?\(*´∀`*)/
あんな熱いものを、飲んだら、死ぬ!
あんな熱いものを飲んだりしたら死ぬだろう!
お正月にお餅を喉に詰まらせるお年寄りのように!
私は心でそう反抗を試みるのだが、声は止まらなかった。
ウフフ……(*´∀`*)
アハハ……(ΦωΦ)
たこやき飲みたく、ないですかぁ?(ಠ益ಠ)
誰だ!
何者だ!
私を地獄へ誘うのは!?
そう心で叫び声をあげていると──
背後のキッチンで、人間大のたこが、何かを調理しているのを、発見した。




