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ほうほう、それでそれで?

「どうすれば良いんじゃ…どうすれば…」


 俺がプリンセスウォーリアのデイリークエストを終らせると、爺さん…神様はもう本を見てはいなかった。

 今は、頭を抱えて悩んでいる。


「あの…大丈夫ですか?」


「あ…あぁ、大丈夫じゃ…」


 本当に大丈夫か?

 今にも泣き出しそうじゃないか。


「あの…そっちのパソコンでは調べられないんですか?」


 神様は暫くパソコンを見つめると、意を決したように両手で顔を「パンッ!」と叩いた。


「もちろん出来るとも、ワシは神様だぞ!」


 頑張れ神様、人間でも出来ますけどね。

 そして神様は本を閉じ、震える指先で恐る恐るパソコンの電源ボタンを押した。


 テンテロリ~ン♪


 パソコンが起動する音が鳴る。

 神様の顔がパァーっと明るくなった。


「どうじゃ、第一関門突破じゃ!やはりワシは出来る神様じゃ!」


 しかし、そこからが全く駄目だった。


「これでもない、これでもない…」


 あちこちクリックしたり検索したりしてるようだが全然俺の名前は見付からないらしい。


 結局、また頭を抱えてしまった。


「もうダメじゃ…もうお仕舞いじゃ…」


 何だか俺のためにちょっと可哀想だな。

 少し手伝えるか聞いてみるか。


「あの、もしよろしければ何かお手伝い致しましょうか?」


「おぉ、本当に?パソコン分かるの?じゃ…じゃあちょっと…」


 神様はそう言いかけたが直ぐに思い直した。


「やはりダメじゃ、個人情報漏洩のリスクがあるし。そうなるとワシ、魂の牢獄に100年はぶち込まれるかもしれん」


 何か面白いことを言ってるな。


「これ以上時間を取るのは良くないのぅ。仕方ない、助けを呼ぼう」


 爺さんが助けを求めるような存在。

 仙人みたいな神様が出てくるのか? 


「エリちゃーん!エリちゃーん!ヘルプミー!」


 エリちゃんご指名入りました!

 するとその声に応えるように、神様の隣の空間に1人の女性が現れた。

 金髪の縦ロールできれいな顔をしている。

 グラマーな体型で年齢は20代半ばか?

 服は神様と違い白のワンピースだ。

 頭上には金色の輪っかが浮かんでいて、背中には白い羽が生えている。

 落ち着いた雰囲気で、出来る女って感じのオーラがバンバン出ている。


「何事ですか、ゴーラ様」


「助けてエリちゃん、名前が見付からないの」


「次から次へと、ゴーラ様はよく問題が起きますね。それと、もうエリちゃんはやめて下さい。私ももう天使長になったのですから。ちゃんとエリエルとお呼び下さい」


 そう言うと、その女性は俺の目の前にやって来た。


「初めまして、私は天使長のエリエルと言います。以後、宜しくお願いします」


 軽い会釈がとても優雅だ。


「ど、ど、どうも宜しくお願いします」


 こんなきれいな人とこんな近くで話したこと無いから緊張する!

 ゴメン、エリザベス!


「それでは、ゴーラ様にも聞かれたと思いますが…もう一度これに名前と年齢をご記入下さい」


 エリエルから紙とペンを受けとる。


「は、はい」


 『石田 一哉 34歳』っと。


「ありがとう御座います。それではそこにお掛けになってお待ちください」


 いつの間にか俺の後ろに座り心地の良さそうな椅子が出現していた。

 おぉ、何かこの人色々神様っぽいぞ!

 確か天使長だっけか?

 

 腰を下ろして2人(2神?2柱?)の方を見ると、エリエルが紙を見せて神様に調べている名前が間違ってないか確認していた。

 神様が間違ってないとちょっと怒っている。

 さすがにそこは間違ってなかったか。

 次にエリエルはパソコンの画面を確認していた。

 

「全く、ゴーラ様ったらまたこんなにメールを溜めて…」


「ゴメンよエリちゃん、時間が無くてさ」


「パソコンを使わないから仕事がどんどん溜まるんですよ」


 おっしゃる通り。


「キャァアアアア!」


 突然、エリエルが絶叫した。

 あんなに出来るオーラが出ているエリエルが動揺している。


「あ、あ、有りました!石田 一哉 34歳。その名前がメールの中に…『【至急】死亡予定者の変更のお知らせ』のタイトルのメールの中に!」


 


 …ほう?


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