第三十二話:世界の理
# 第三十二話:世界の理
朝の授業中、俺は昨日の体験を思い返していた。
魔力の流れが見えるようになったあの感覚。そして、それを可能にした「真理の瞳」の進化。
しかし、その変化は単なる視覚的な強化だけではなかった。
「今日は、世界の魔力構造について学びます」
黒澤先生の声が、教室に響く。
「魔力がこの世界に現れてから約二十年。私たちは、魔力の基本的な性質について理解を深めてきました」
先生が、黒板に図を描きながら続ける。
「魔力は、世界の根本的なエネルギーです。物質の変化や、現象の発生に深く関わっています」
(根本的なエネルギー……)
俺の頭の中で、何かが引っかかった。
昨日見た魔力の流れ。あれは、単なる「エネルギー」というより、もっと基本的な何かだったような気がする。
「例えば、火の魔法を発動する際、魔力は既存の酸素分子と結合し、燃焼現象を引き起こします」
黒澤先生の説明が続く。
「しかし、これは厳密には、魔力が酸素分子に『燃えよ』という指令を与えているのではなく、魔力が酸素分子の運動エネルギーを急激に上昇させることで燃焼を誘発しているのです」
(分子の運動エネルギー……)
俺の頭の中で、昨日の体験が蘇る。
魔力の流れを見た時、あの光の線は、何かもっと基本的なものを表していたような気がする。
「相模君、何か疑問がありますか?」
黒澤先生が、俺の表情を見て尋ねる。
「はい。魔力が分子の運動エネルギーを操作するということは、魔力は分子レベルで働いているということでしょうか?」
俺の質問に、教室がざわめく。
「良い質問ですね」
黒澤先生が、感心する。
「はい、魔力は確かに分子レベルで作用しています。しかし、通常の魔法使いは、分子を直接操作することはできません」
(分子を直接操作……)
俺の頭の中で、何かが閃いた。
「それは、なぜでしょうか?」
さらに尋ねる。
「それは、人間の思考に制限があるからです」
黒澤先生が、説明する。
「分子を直接操作するには、その分子の構造や性質を完全に理解し、かつその変化を正確に予測する必要があります。これは、人間の脳では処理しきれない複雑な計算を要求されるのです」
(人間の脳では処理しきれない……)
俺の頭の中で、違和感が生まれる。
昨日、俺は魔力の流れを見ることができた。それは、通常の人間には不可能なことだったはずだ。
「そのため、私たちは『魔法陣』や『詠唱』を使って、魔力に特定の方向性を与えることで、間接的に分子を操作しているのです」
黒澤先生が、続ける。
「魔法陣は、魔力の流れを制御するための『プログラム』のようなものです。詠唱は、そのプログラムを起動するための『コマンド』と考えることができます」
(プログラム……コマンド……)
俺の頭の中で、奇妙な感覚が生まれる。
まるで、世界全体が巨大なコンピューターのようだという印象を受ける。
でも、その考えについて深く思考しようとすると、頭が曖昧になる。
「つまり、魔力は世界の根本的なシステムということでしょうか?」
直感的に質問する。
「面白い表現ですね」
黒澤先生が、興味深そうに答える。
「確かに、魔力は世界の『システム』と言えるかもしれません。物理法則を補完し、時には上書きする、根本的なルールセットのようなものです」
(ルールセット……)
俺の頭の中で、また何かが引っかかる。
まるで、世界全体が何かの規則に従って動いているような感覚。
そして、その規則を理解できれば、世界の真実に近づけるような気がする。
***
授業が終わった後、俺は一人で図書館に向かった。
世界の構造について、もっと深く理解したかった。
図書館の魔法理論のコーナーで、俺は古い文献を探した。
『魔力発生以前の世界』という本が目に留まる。
俺は、その本を手に取り、読み始めた。
「魔力発生以前、世界は純粋な物理法則のみによって支配されていた」
本の最初の一文が、俺の目に飛び込んでくる。
「物質の変化は、化学反応と物理現象によってのみ引き起こされていた。エネルギーの変換は、熱力学の法則に従い、現象の発生は、因果関係によって説明されていた」
(物理法則のみによって支配されていた世界……)
俺は、その文章を読みながら、不思議な感覚を覚える。
まるで、現在の世界が、その「純粋な物理法則の世界」に何かを追加したもののように感じられる。
「しかし、二十年前の魔力発生により、世界の法則は根本的に変化した」
本の内容が続く。
「魔力の出現により、従来の物理法則では説明できない現象が多発するようになった。質量保存の法則が破られ、エネルギーの変換効率が劇的に向上し、時空間の概念すら曖昧になった」
(質量保存の法則が破られる……)
俺の頭の中で、疑問が生まれる。
魔力によって、世界の基本的な法則が変化したということか。
でも、それは本当に可能なのだろうか?
「特に興味深いのは、魔力が既存の物理法則を『上書き』するという現象である」
本の記述が、俺の疑問に答えるかのように続く。
「例えば、火の魔法を発動した際、燃焼に必要な酸素が不足していても、魔力が酸素分子を『生成』することで燃焼を維持する。これは、従来の化学反応では説明できない現象である」
(酸素分子を『生成』する……)
俺の頭の中で、昨日の体験が蘇る。
魔力の流れを見た時、あの光の線は、何かを『作り出している』ような印象を受けた。
「この現象は、魔力が分子レベルで世界の構造を『編集』していることを示唆している」
本の記述が、俺の直感を裏付ける。
「つまり、魔力は世界の基本的なプログラムコードを書き換える能力を持っているのである」
(プログラムコードを書き換える……)
俺の頭の中で、奇妙な感覚が生まれる。
まるで、世界全体が巨大なプログラムであり、魔力はそのプログラムを編集するツールのようだという印象を受ける。
でも、その考えについて深く思考しようとすると、また頭が曖昧になる。
俺は、本を読み続けた。
「しかし、この『編集』には、厳格な制限がある」
本の内容が続く。
「人間は、分子を直接操作することができない。これは、人間の認知能力の限界ではなく、世界のシステムによる『プロテクト』である可能性が高い」
(世界のシステムによる『プロテクト』……)
俺の頭の中で、衝撃が走る。
つまり、世界には何らかの『管理者』がいて、人間の行動を制限しているということか。
「このプロテクトにより、人間は魔法陣や詠唱を介してのみ、魔力を行使できるようになっている」
本の記述が続く。
「しかし、稀に、このプロテクトを部分的に突破する個体が現れることがある。彼らは、通常の人間では不可能な方法で魔力を操作できる」
(プロテクトを部分的に突破する個体……)
俺の頭の中で、昨日の体験が蘇る。
魔力の流れを見ることができた俺は、もしかしたら、そのような個体なのかもしれない。
でも、その考えについて深く思考しようとすると、また頭が曖昧になる。
俺は、本を閉じ、深く考え込んだ。
世界の構造について、今まで考えたこともない可能性が見えてきた。
そして、俺自身の能力についても、新しい理解が生まれ始めている。
***
昼休み、俺は仲間たちと一緒に昼食を取りながら、今朝の授業について話していた。
「今日の魔力理論の授業、面白かったね」
遥が、興味深そうに言う。
「分子レベルで魔力が作用してるなんて、考えたこともなかった」
田中が、感心する。
「でも、人間が分子を直接操作できないっていうのは、ちょっと残念だよね」
神宮寺が、残念そうに言う。
「そうですね。もしできたら、もっと効率的な魔法が使えるかもしれません」
雪菜が、学術的に考える。
「でも、制限があるからこそ、魔法陣や詠唱が発達したんじゃないかな」
本で読んだ内容を思い出しながら言う。
「制限?」
遥が、興味深そうに尋ねる。
「人間の認知能力の限界っていうより、世界のシステムによる制限かもしれない」
慎重に言う。
「世界のシステム?」
神宮寺が、哲学的に考える。
「つまり、世界には何らかの『管理者』がいて、人間の行動を制限してるってこと?」
自分の推測を口にする。
「それは、興味深い仮説ですね」
雪菜が、深く考える。
「でも、その管理者って、神のことでしょうか?」
雪菜が、信仰の観点から質問する。
「神……」
雪菜の言葉を反芻する。
「確かに、神が世界を管理しているという考え方もありますね」
田中が、同意する。
「でも、神が本当にいるなら、なぜ直接的な証拠がないんだろう?」
根本的な疑問を提示する。
「それは……」
雪菜が、困惑する。
「信仰は、証拠を求めるものではないと思います」
雪菜が、穏やかに言う。
「でも、世界の構造を理解するためには、論理的な検証が必要じゃないかな」
学術的な立場から言う。
「そうね。科学的な探求も大切だと思う」
遥が、バランスを取るように言う。
「でも、神の存在を否定するわけではないよね?」
神宮寺が、確認する。
「もちろん」
すぐに答える。
「ただ、神が存在するとしても、その働き方について、もっと深く理解したいんだ」
続ける。
「つまり、神がどのような仕組みで世界を管理しているのか、ということですね」
雪菜が、理解を示す。
「そうですね。それが分かれば、治癒魔法の原理も理解できるかもしれません」
雪菜が、前向きに考える。
「治癒魔法の原理……」
興味深そうに言う。
「雪菜の治癒魔法を見てると、普通の魔法とは全く違う感じがするんだ」
正直な感想を述べる。
「違う感じ?」
雪菜が、興味深そうに尋ねる。
「普通の魔法は、魔力を消費して現象を起こすけど、治癒魔法は、まるで外部から力を借りているような感じがする」
自分の印象を説明する。
「外部から力を借りる……」
雪菜が、深く考える。
「確かに、治癒魔法を使う時は、神に祈りを捧げますから」
雪菜が、実体験を話す。
「その祈りが、神からの力を引き出すということでしょうか」
田中が、推測する。
「かもしれないね」
遥が、可能性を認める。
「でも、その『神からの力』って、具体的にはどういうものなんだろう?」
さらに深く考える。
「それは、神のみぞ知ることかもしれません」
雪菜が、信仰の立場から答える。
「でも、いつか理解できるかもしれないよ」
神宮寺が、希望を込めて言う。
「そうですね。一緒に探求していきましょう」
仲間たちを励ます。
「うん。みんなで協力すれば、きっと答えが見つかるよ」
遥が、明るく言う。
俺は、仲間たちとの会話を通じて、自分の考えを整理することができた。
世界の構造について、まだ分からないことが多い。
でも、仲間たちと一緒に探求していけば、きっと真実に近づけるだろう。
***
午後の実技訓練で、俺の変化はより明確になった。
「今日は、魔力感知の練習を行います」
黒澤先生が、説明する。
「魔力の流れを感じ取り、その変化を察知することが目標です」
俺は、先生の指示に従って、魔力感知を始めた。
しかし、俺に見えたのは、単なる魔力の流れではなかった。
世界全体が、複雑な光の網目で覆われているのが見えた。
その網目は、規則正しいパターンを描いており、まるで巨大なプログラムのコードのようだった。
(これは……)
俺の頭の中で、衝撃が走る。
世界の構造が、コンピューターのプログラムのように見えるのだ。
魔力の流れは、そのプログラムを実行するためのデータフローのようだった。
「相模君、どうですか?」
黒澤先生が、俺の様子を見て尋ねる。
「先生、魔力の流れが……網目のように見えるんです」
困惑しながら答える。
「網目?」
黒澤先生が、興味深そうに尋ねる。
「はい。世界全体が、規則正しいパターンで覆われているように見えます」
自分の体験を説明する。
「それは、非常に興味深いですね」
黒澤先生が、感心する。
「通常の魔力感知では、そのような詳細な構造は見えないはずです」
先生が、続ける。
「もしかしたら、相模君の『真理の瞳』が、新しい段階に進化しているのかもしれません」
先生の言葉に、俺は驚く。
「新しい段階?」
尋ねる。
「はい。『真理の瞳』は、世界の真実を見抜く特殊スキルです」
黒澤先生が、説明する。
「レベルが上がることで、より深い真実を認識できるようになるとされています」
(より深い真実……)
俺の頭の中で、今朝読んだ本の内容が蘇る。
世界がプログラムのような構造を持っているという仮説。
もしかしたら、俺は今、その構造を直接見ているのかもしれない。
でも、その考えについて深く思考しようとすると、また頭が曖昧になる。
「相模君、もう少し詳しく観察してみてください」
黒澤先生が、指示する。
俺は、再び魔力感知を集中させた。
すると、網目のパターンの中に、より詳細な構造が見えてきた。
それは、まるでコンピューターのプログラムコードのように、規則正しい配列を持っていた。
そして、その配列の中に、時々異常な部分があることに気づいた。
(異常な部分……)
俺の頭の中で、違和感が生まれる。
まるで、プログラムにバグがあるかのような印象を受ける。
「先生、網目の中に、不規則な部分があります」
発見を報告する。
「不規則な部分?」
黒澤先生が、驚く。
「はい。全体的には規則正しいパターンなんですが、所々に、そのパターンから外れた部分があるんです」
詳しく説明する。
「それは……」
黒澤先生が、困惑する。
「非常に興味深い発見ですね。そのような報告は、今まで聞いたことがありません」
先生が、続ける。
「もしかしたら、相模君は、世界の根本的な構造について、新しい発見をしたのかもしれません」
先生の言葉に、俺は戸惑う。
新しい発見……それは、一体何を意味するのだろうか。
でも、その考えについて深く思考しようとすると、また頭が曖昧になる。
「とりあえず、今日の観察結果を記録しておきましょう」
黒澤先生が、提案する。
「そして、この発見について、さらに詳しく調べてみましょう」
俺は、先生の提案に同意した。
しかし、心の中では、不安も感じていた。
俺の見ている世界は、本当に現実なのだろうか。
そして、その真実を知ることに、どのような意味があるのだろうか。
***
放課後、俺は一人で寮の自室に戻った。
今日の体験について、静かに考えてみたかった。
窓の外を見ると、夕日が校舎を照らしている。
平和で、美しい光景だった。
でも、俺の『真理の瞳』で見ると、その光景もまた、複雑な光の網目で覆われているのが見える。
(世界の構造……)
俺の頭の中で、今日の発見を整理してみる。
世界は、プログラムのような規則正しい構造を持っている。
魔力は、そのプログラムを実行するためのデータフローのようなものだ。
そして、その構造の中に、時々異常な部分がある。
これらの発見は、俺にとって全く新しい世界観を提示していた。
でも、同時に、多くの疑問も生み出していた。
(なぜ、世界はプログラムのような構造を持っているのか?)
(異常な部分は、一体何を意味しているのか?)
(そして、俺がそれを見ることができるのは、なぜなのか?)
これらの疑問について、深く考えようとする。
でも、ある一定の深さまで考えると、頭が曖昧になってしまう。
まるで、何かが俺の思考を制限しているかのようだった。
(思考の制限……)
俺の頭の中で、今朝読んだ本の内容が蘇る。
世界のシステムによる『プロテクト』。
もしかしたら、俺の思考にも、何らかの制限がかけられているのかもしれない。
でも、その考えについて深く思考しようとすると、また頭が曖昧になる。
俺は、とりあえず今日の発見を記録することにした。
日記を取り出し、体験したことを詳しく書き始める。
「真理の瞳の進化により、世界の構造が見えるようになった」
「世界は、プログラムのような規則正しい構造を持っている」
「その構造の中に、時々異常な部分がある」
「これらの発見について、さらに詳しく調べる必要がある」
記録を書き終えた後、俺は再び窓の外を見た。
夕日は、すっかり沈んでいて、空には星が輝き始めている。
美しい夜空だった。
でも、俺の『真理の瞳』で見ると、その夜空もまた、複雑な光の網目で覆われているのが見える。
(この世界の真実を知ることに、どのような意味があるのだろうか)
俺の頭の中で、哲学的な疑問が生まれる。
真実を知ることは、良いことなのだろうか。
それとも、知らない方が幸せなのだろうか。
でも、俺は既に、この道を歩き始めている。
もう後戻りはできないだろう。
俺は、この疑問を胸に秘めながら、今日という日を終えた。
そして、明日もまた、新しい発見があることを期待していた。
真実への道は、険しいかもしれない。
でも、俺は歩き続けるだろう。
仲間たちと一緒に、この世界の謎を解き明かしていくのだ。
そして、その先に何があるのかを、必ず見つけ出すのだ。
***
夜、俺は寮の共用スペースで、仲間たちと一緒に宿題をしていた。
「今日の実技訓練、すごかったね」
遥が、俺の体験について言う。
「世界の構造が見えるなんて、信じられない」
田中が、感心する。
「でも、それって、どんな感じなの?」
神宮寺が、興味深そうに尋ねる。
「うまく説明するのは難しいけど…」
慎重に答える。
「世界全体が、光の網目で覆われているように見えるんだ」
自分の体験を説明する。
「光の網目……」
雪菜が、深く考える。
「それは、神が作られた世界の設計図のようなものでしょうか」
雪菜が、信仰の観点から推測する。
「設計図……」
雪菜の言葉を反芻する。
「確かに、そのような印象もある」
同意する。
「でも、その設計図に、時々異常な部分があるんだ」
今日の発見を話す。
「異常な部分?」
遥が、心配そうに尋ねる。
「規則正しいパターンから外れた部分があるんだ」
詳しく説明する。
「それは、何を意味してるんだろう?」
神宮寺が、哲学的に考える。
「分からない」
正直に答える。
「でも、何か重要な意味があるような気がする」
続ける。
「もしかしたら、世界に何らかの問題があるのかもしれません」
雪菜が、心配そうに言う。
「問題?」
田中が、不安そうに尋ねる。
「例えば、世界の構造に欠陥があるとか」
雪菜が、推測する。
「でも、それは推測でしかないよ」
冷静に言う。
「まず、もっと詳しく調べてみないと」
続ける。
「そうですね。焦って結論を出すのは良くないです」
雪菜が、同意する。
「でも、もしユキの見てる世界が本当だとしたら、すごい発見だよ」
遥が、前向きに言う。
「世界の真実を知ることができるかもしれない」
神宮寺が、期待を込めて言う。
「真実を知ること……」
深く考える。
「それは、良いことなのかな?」
疑問を口にする。
「良いことじゃない?」
田中が、意外そうに尋ねる。
「真実を知ることで、世界をより良く理解できるし」
田中が、続ける。
「でも、真実が必ずしも良いものとは限らないよ」
慎重に言う。
「例えば、世界に深刻な問題があることが分かったとしても、俺たちにはどうすることもできないかもしれない」
現実的な問題を提示する。
「それは…」
遥が、困惑する。
「でも、知らないまま生きるよりは、真実を知った方が良いと思うよ」
神宮寺が、哲学的に言う。
「真実を知ることで、より意味のある人生を送れるかもしれない」
神宮寺が、続ける。
「意味のある人生……」
神宮寺の言葉を反芻する。
「確かに、そうかもしれないね」
同意する。
「でも、同時に、大きな責任も伴うよ」
続ける。
「責任?」
雪菜が、尋ねる。
「真実を知った者は、その真実に基づいて行動する責任がある」
説明する。
「つまり、世界の問題を知ったら、それを解決しようとする責任がある」
続ける。
「それは、重い責任ですね」
雪菜が、深く考える。
「でも、その責任から逃げるべきじゃないと思うよ」
遥が、強く言う。
「私たちには、世界をより良くする義務があるんじゃないかな」
遥が、続ける。
「世界をより良くする義務……」
遥の言葉を反芻する。
「確かに、それは大切な考え方だね」
同意する。
「でも、俺たちにそれができるのかな?」
現実的な疑問を口にする。
「できるかどうかは、やってみないと分からないよ」
田中が、前向きに言う。
「でも、やらないよりは、やってみた方が良いと思う」
田中が、続ける。
「そうですね。みんなで力を合わせれば、きっと何かできるはずです」
雪菜が、希望を込めて言う。
「そうだね。一人では無理でも、みんなでなら」
仲間たちを見回す。
「きっと、世界の謎を解き明かせるよ」
確信を込めて言う。
「うん。私たちの友情があれば、どんな困難も乗り越えられるよ」
遥が、明るく言う。
「そうですね。一緒に頑張りましょう」
雪菜が、微笑む。
「みんなで、新しい発見を楽しもう」
神宮寺が、期待を込めて言う。
「そうだね。明日もまた、何か新しいことが分かるかもしれない」
田中が、楽観的に言う。
俺は、仲間たちとの会話を通じて、自分の決意を固めることができた。
真実を知ることは、確かに責任を伴う。
でも、その責任から逃げるべきではない。
俺は、仲間たちと一緒に、この世界の謎を解き明かしていくのだ。
そして、その先に何があるのかを、必ず見つけ出すのだ。
世界の真実を知ることで、より意味のある人生を送れるはずだ。
そして、その真実を知った者としての責任を、しっかりと果たしていくのだ。
俺は、そう決意を新たにしながら、今日という日を終えた。
そして、明日もまた、新しい発見があることを期待していた。
真実への道は、険しいかもしれない。
でも、仲間たちと一緒なら、きっと歩き続けることができるだろう。
そして、その先に、きっと素晴らしい発見が待っているに違いない。
答えは、きっと見つかるだろう。
でも、それまでは、この仲間たちとの友情を大切にしながら、一歩一歩前進していこう。
世界の謎を解き明かすその日まで、俺は歩き続けるのだ。