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密かな話し声
「始まったようだな」
「はい」
ひっそりとした建物の奥。
大聖堂長室のさらに奥にある小部屋で、話しているふたりがいた。
ひとりは壮年の男。
もうひとりは、若い男。
「それで、——騎士団員候補の者は? 」
「はい。先日お知らせした13名と、予備候補9名。
その名簿を、大聖堂長さまから騎士団員にお渡しします」
「よし。それと、聖香祭当日のことは計画通りか」
「承知しております」
「ダールの様子は? 」
「変わりありません。
ナリドやナリダたちとの交流もあり、ナギやナダの相談を受けたりしています。
本を読み漁り、隠居生活を送っているようにも見えます」
「外部との連絡は?」
「今のところ確認できておりません」
「……そうか。動きがあれば、すぐに知らせろ」
「は……」
「あの小僧は、どんな様子だ? 」
「はい。頭の回転は速く、ほかの子どもとは思考の傾向が異なるようです」
「……わかった。引き続き報告しろ」




