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蜃気楼  作者: 杉孝子
9/13

私が書くこと、書き続ける理由


何のために書くのだろう

その答えをくれたのは

あの日出会った ひとりの人


手の届かない

遥か遠くの輝きに

心を奪われ

どうしようもなく

自分の無力さに押し潰される


ぶつける場所のない想いを

ただ、文字に変えて

書いて

書いて

書き続けた


叶わぬ恋を言葉に乗せ

夢や妄想に逃げながら

ひたすらに

彼女を描いた


けれど

別れは容赦なく訪れ

伝えずにはいられなかった

その一言で

すべてが終わると知りながら


予想通りの結末と

砕け散った想いは

長く沈黙の時を迎えた


そして時は過ぎ

新たな愛に出会い

書くことは必要なくなった

妻とともに生きる日々

守るべきものに囲まれた日々


けれど

運命はまた筆を握らせる

あの頃のような衝撃が

心の奥を揺さぶる


遥か昔に閉じ込めたはずの感情が

再び目を覚ます


年齢差も

現実の壁も

何の意味もなさないほどに

心は ただ暴れ出す


そして 気づいた

また書ける

あの頃のように

想いを言葉にできる


物語の中では

私はヒーローになれる

彼女の心も

自分の心も

思いのままに描ける


だから

私はまた 書き続ける

この生の証を

残すために

書き続ける


お読み下さりありがとうございました。

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