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蜃気楼  作者: 杉孝子
3/13

あなたへ渡した一冊の本


あなたへの告白で

長かった片想いが

静かに終わりを迎えた


明日からは、いや今からは

新しい思いであなたに接することが出来るだろうか

わたしの想いを知っているから


別れ際にあなたに渡した一冊の本

今夜ページをめくるあなたが

わたしが受けたあの感動を

あなたも受けるのだろうか


同じ感動に心を揺らすのなら

それだけで、私の二年は無駄ではなかった


わたしの恋は叶わなかったが

あなたを想う気持ちは今も変わらない


嬉しそうに本を手に取るあなたを見て気づいた

わたしの知らないことばかりだった


この想いが実らなくても

与えられた思い出の輝きは消えない


これで私の二年間の想いが

後悔だけで終わらない事を知った


想いは叶わずとも

終わりは新たな始まりへと続いていく

それが二人にとって最善な道なのだろう


たとえ私が傷つこうとも

私の心に巣食っていた

不安と怖れと後悔の想いは

あなたへの告白で霧のように消えていった


これから私が歩む未来には

新しい物語が待っているだろう


たった一時間に二年間の想いを込められるはずがない

あなたとの関係が一方的なものではなくなったいま


たとえその形が変わったとしても

この一冊に込めた気持ちが

私自身を次へと導いてくれる だろう

お読み下さりありがとうございました。

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