表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/89

第48話 超えられぬ壁

「なんだ……。コイツ……」


 俺はソレと目が合った瞬間、無意識に一歩後退る。


 ――何ビビってんだ! しっかりしろ、俺!


 自分自身に喝を入れ気を取り直すと、俺は真司に声を掛けた。


「おい真司! 無事か!」


「う、うん……」


「コイツはヤバそうだな」


「……そうだね」


 ――さっきからずっと悪寒が止まらない。それほどの敵だってのか?


「行くぞ真司……どっちみちココで倒すしかないんだ。花音を連れて生きて帰るのもそうだけど、こんな奴を外に出す訳にはいかない」


「ああ……行こう」


 俺達は頷きあうと、アイホートと融合したスペルビアに攻撃を仕掛けた。





「このッ!」


 俺はディメンジョンスラッシュを発動させ切りかかる。


 ――何ッ!?


 俺の刃はスペルビアに届いたハズだったのだが、見えない壁のような何かに阻まれる。


「ッ……なんだッ!?」


 スペルビアが咆哮を上げた瞬間、凄まじい悪寒がして俺が慌てて後ろに跳ぶと地面が抉れ空気……いや、空間が圧縮したように見えた。


 ――まさかッ! 魔神アスタロトと同じ!?


 ラスティアでの最終決戦時、魔神アスタロトは強攻撃の一つとして空間毎プレイヤーを圧縮する技を放ってくる。今、目の前で起こった現象はそれに比べて小さいものの、とてもその攻撃に酷似していた。


 ――今のレベルで喰らったらほぼ即死だぞッ! 


「真司! 今の攻撃はヤバいッ! 絶対に当たんなよ!」


 スペルビアの咆哮と同時に出現した強化版アイホートの雛達に襲われながら、俺は真司に声を掛けた。


「わかってる!」


 同じ様に攻撃を躱しながらも、真司は的確に魔銃でアイホートの雛達の弱点と思われる目玉打ち抜き、その殻の隙間に刀を差し込むように淡々と殲滅していた。


 ――俺も負けてらんねぇな!!


「ハァァァ!」


 俺はケーリュケイオンで薙ぎ払いながら、紫電一閃・シンを発動させて切り刻む。


「チィ!」


 スペルビアがまたあの攻撃を使う素振りを見せたので、俺は咄嗟に横に跳ぶ。


 次の瞬間。先程まで俺が居た場所に、勢い良くアイホートの雛が突っ込んで来て圧縮され消滅した。


 ――やっべ……リアルで見るとエグいな……。


 背中に薄ら寒いものを感じながらも、俺はスペルビアに攻撃を仕掛ける。


 しかし何度切りつけても、何度魔法を放っても全て弾かれてしまう


「まさか空間を歪ませて盾にしてんのか!?」


 ――クソ! どんなチートだッ!


「真司! 合わせろッ!」


「了解!」


 一度後ろに飛んで俺は真司と合流すると、俺達の前に立ちふさがるアイホートの雛達をけちらしながら一気に駆け抜ける。


「俺が隙を見てディメンジョンスラッシュ・シンで、無理矢理空間を切り裂くッ! だからお前が決めろ真司!」


「うん!」


 ――ディメンジョンスラッシュは防御力無視かつ、敵の魔法を切り裂いて無効化出来る! 確かにクールタイムは物凄く長いし、ダメージ自体は高いというほどでもない。だが少なくとも、スペルビアの空間防御は破れるッ!


 走りながらそう真司に叫び、覚悟を決めたその時。ひときわ大きく凶暴そうなアイホートの雛達が、まるで番人の様に立ちふさがった。


「このまま突き進んでッ!」


 隣で共に走っていた真司はそう言うと、立ち止まり刀を鞘に納めて構える。俺はその声を聞き、脇目もふらずにそのままスペルビア目掛けて走った。


「フッ!」


 真司が刀を抜いたその直後、アイホートの雛達はあっという間に粉々になる。そして俺は真司のスキル攻撃で粉々になった、アイホートの雛達の残骸の間を縫うようにして駆ける。そのままスペルビアの攻撃を身を捻って避け二本の剣を束ね、俺はスペルビアにディメンジョンスラッシュ・シンを叩きつけた。


「ハァァァ!」


 パリン、と薄いガラスが割れたような音を立てて、スペルビアの空間防御が破れたのを確認すると、俺は真司に叫ぶ。


「今だ真司ッ!!」


 真司はその声を聞き、アイホートから生えているスペルビアの上半身まで瞬時に距離を詰めると、渾身の一撃をスペルビアの首に叩きつけた。


「いっけぇぇぇぇ!」


 しかし。


「えっ?」


 スペルビアの首を叩き落とすハズだったのだ真司の刀は、刀身半ばから真っ二つに折れ、その光景を見た真司と俺は真司と俺は茫然自失とする。


 スペルビアは耳障りな笑い声を響かせると、ニヤリと笑う。その直後、真司は横なぎに振るわれたスペルビアの腕によって吹き飛ばされた。


「真司!?」


 ――まさか、スペルビアの防御は一枚じゃない!?


「クソったれェェ!」


 俺は激昂し、クールタイムを無視してディメンジョンスラッシュ・シンを発動させる。


「グッ……」


 こみ上げる血反吐を飲み込み、襲い掛かる激痛に耐えながらももう一度スペルビアの防御を破り、天叢雲剣あめのむらくものつるぎを叩きつけたが……。


「……違う、これは防御が何枚も重なってる訳じゃない。まさか、破れた瞬間に再生している!?」


 確かにディメンジョンスラッシュ・シンで切り裂き、全く同じ箇所を寸分たがわずに攻撃したはずだった。しかし一瞬空気が揺らめいたかと思うと、先ほどと全く同じ見えない壁が出現していた。


 そうして攻撃を弾かれ、体勢を崩されたその瞬間。スペルビアから白い翼が生えてくる。そして、その翼に無数の目が出現した直後。俺は眩い光に包まれ、体中に激痛を感じながら気を失った。


 もう二か月ぶりになるのか……お久しぶりです。えー、その……マジで投稿できずにスイマセンでした!! これの執筆中にまさかの締め切り寸前のレポートを見つけちゃって取り組んでたら、そのまま試験&課題ラッシュに突入しちゃいまして……。それで一週間くらい燃え尽きてたら、モンハンライズのアプデに見舞われ。怪異錬成しまくって、遊びに行ってたらすっかり夏休み終了間際に……。


 毎日更新とはいきませんが、少なくともこれからは一週間以上開けることはないので……。マジでスイマセンでしたッ!!

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ