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入学前編エピローグ 「プロローグ」

 龍斗達がイザナギ学院に入学して一か月。校庭でEクラスとSクラス合同魔法訓練をしていると、突如として暗雲が立ち込めた。


「あれ? 暗くなったな」


「うーん、雨でも降るんじゃないか?」


 そんな生徒達の会話は、何か落下してきた衝撃と轟音によって遮られる。


「ハハハ! 恐れるがいい哀れな虫けらども! 偉大なる我らが神は復活なされる! さあその頭を垂れよ! さすれば我が下僕として貴様らを生かすこともやぶさかではない!」


 降ってきたのは、青白い顔をした男だった。


「なんだコイツ?」


「いきなり下僕にしてやるとか何とか生意気言いやがって」


「ちょっと痛い目に合わせてやる」


「待つんだ! 康太! 和人! 健介!」


 そして一緒に合同訓練をしていた佐々木康太、遠山和人、山田健介が男に向かって魔法を撃った。


 龍斗は咄嗟に止めるが、間に合わない。


「フン、惰弱な人間が。我に歯向かおうなどと、片腹痛いわ」


 男が腕を一振りした、その時。


「はい、ストップ」


 龍斗は自分の目を疑った。


 一瞬突風が吹いたかと思うと、龍斗にとっての中学からの友人で冬香と龍斗とは違い、一人だけEクラスに配属された鈴木悠馬が、練習用の木刀を構えその男の前へ三人を庇うかのように立ちふさがっていたからだ。


「ったく、あぶねえなぁ! この三人と一緒に、暇潰しに俺と冬香とソフィアで作ってた実寸大テュポ君の絵が吹き飛ぶところだったじゃねえか!」


 全くもって言っている意味が分からないが、彼が危険な状態に置かれている事だけは龍斗にも理解できた。


「Eクラスの君に下級眷属相手は無理だ悠馬! Eクラスのみんなは下がって! ここはSクラスの僕たち全員で……!」


「やめときなさい、龍斗」


「そうだよ。私たちが行ったら、逆に邪魔になっちゃう」


 龍斗が悠馬を止めようとしたその時、幼馴染の冬香とクラスメイトのソフィアが龍斗の事を止めた。


「どうして止めるんだ冬香! ソフィア! 悠馬の実力では勝てない! このままじゃ……!」


「良いから黙って見てなさい。それに……悠馬があんな奴に負けるわけないじゃない!」


「そうそう、悠馬に任せておけば安心だよ!」


 冬香とソフィアはそう言うと龍斗から視線を外し、恋する乙女のように真っ直ぐなまなざしで悠馬を見つめた。

 どうやら二人とも、悠馬が勝つと信じて疑っていないようだ。


 それでも動き出そうとした龍斗だったがその前に戦闘が始まり、その結果を見た龍斗は信じられない光景を目にして固まった。


「貴様ッ!!? 何者だァ!?」


 戦闘を開始し、一瞬で片腕を切り飛ばされた下級眷属は、死の恐怖を感じながら吠える。

 次の瞬間、下級眷属の首が飛んだ。


 悠馬は木刀を振って血を落とすと、徐々に魔力へ還っていく下級眷属の死体を後目で見て、木刀を肩で担ぎながら言った。


「俺か? 俺の名前は鈴木悠馬。テメエらみたいなクソッたれな理不尽を打ち砕く男だ」

 またしばらく時系列を無視した、思いついたけど何処で入れたらいいかわからなかった没ネタ編。通称寄り道編始まるよ! 気分と体力にもよるけど5,6話やる予定。新規さんがストーリーに追いつくことができるし、一石二鳥だね!

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