第二工区始動
「───さま!───姫様!」
「んんぅん・・・はっ!生きて・・・いる?」
「はい。どうやら天は我々を見放さなかったようです」
「良かった・・・でも、ここは何処なのでしょう?」
「申し訳ありません。寡聞にして存じ上げず。私も先程気が付いたばかりなので」
「いえ。無防備ながら側で護り声をかけてくれていたのです。どうして咎めることができましょう。感謝いたします。ありがとう」
「勿体なきお言葉」
「ですが、付近を探索しないわけにもまいりませんし・・・。少し歩きますか」
「姫様はこちらに・・・いえ・・・」
「ここに1人でいても危険なので。ね。一緒に行きましょう。それに・・・見知らぬ土地です。ワクワクするではありませんか!」
「・・・姫様。お強くなられて・・・。何処までもお護りいたします」
「ええ。頼みましたよ」
「さて!そろそろ浚渫第二工区を着工しましょう!」
「「はっ!」」
「今回は浚渫と同時に乾船渠工事にも取りかかります。満ち引きが激しい場所なので、入渠はもちろん自然排水も簡単にできるでしょう」
「これで・・・艦の修理に・・・」
「あの時から少ししか経っていないのに・・・」
「やっと・・・やっとッ!」
「あの大きさの艦を入渠させるには、まだ浅いので、浚渫はあと一度行う必要がありますが、ここまで来ることができたのも皆様のお力あってこそですよ」
「アルフレッド殿!我らの食糧から生活。そして何より、帰還の目途を付けてくださった・・・一番の功労者は貴方様です!だろう?皆の者!」
「「はいッ!」」
「あはは・・・諦めずに皆さんがこの島で生きていた。それだけで、救う理由になるのです。まぁ私としては、好きなことを好きなだけやらせていただいているだけですけれど」
「それでもですよ。今一度感謝を」
ストルネ殿が発した言葉と同時に、皆さんが頭を下げる・・・。そんなことしなくて良いのに・・・。
「さっ!皆さん顔を上げて!潮は待ってはくれません。今日は予定を繰り上げて、中潮の日に作業をするのですから」
「今日は、水門の柱の移設と増設ですな」
「はい!この間立てた柱では足りないので・・・。中潮でも膝下までは充分引いてくれるので、工事をしてしまいましょう!」
「ただ・・・」
「どうかしました?ストルネ殿」
「海の魔物・・・とりわけ魚型の魔物への対処は如何したら宜しいでしょう・・・。文字通り、水を得た魚なので・・・」
「あぁ・・・。ご心配には及びません。この島周辺の海域は、確りと結界を張ってあるのと・・・」
「と?」
「あとは・・・秘密です。ただ、これだけは言えます。この島周辺の海域は絶対に安全です。と」
「はっ・・・はぁ・・・」
「さぁさぁ!作業をささっと始めましょう!」
「「はっ!」」
こうして、3日後に迫る大潮の日に間に合うよう水門用の柱の移設と増設を済ませることができた。一度行っているため経験があり、手順が効率化されていたため、とても素早く終えることができた。手持ち無沙汰が否めなくなったので、ストルネ殿とその部下たちは力自慢大会を急遽行うことに。私は、畑の方へと足を運ぶのであった。




