魔核製湯沸かし器
「ここが・・・アル様のお屋敷・・・」
「うん。この島に建ててもらった私の家さ」
ヴェルに乗って帰ってきた我が家。早速中に入って、魔核を備え付けるための魔道具作りといきたいところだけれど・・・
「あのっ・・・アル様!」
「ん?」
「わたくしとシュナ共々住まわせていただけないでしょうか・・・」
「うぅん・・・」
チラリとカレンとエレンを見やると、やはりと言ってはなんだけれども、渋い顔をしていた。
「む!むむ!?」
「うぅん・・・」
ヴェルは見た目何でもできそうなのだけれど、その実・・・不器用なんだよね。野営していた時に火を焚くと誤って大きくして火事一歩手前のような状況になったり・・・。
「何でもしますからぁ」
「あたしはママと一緒に居られればそれでいいわ。でも・・・」
「うぅん・・・」
「わかりました」
「「カレン!?」」
「私が確りと稽古を付けます。身につけるまで泣き言を言わずに着いてこられるなら」
「カレン・・・貴女の上から目線が釈然としませんが、アル様のお近くにいられるのなら・・・やるしかないですわね!私は手強いですわよ?」
「よく存じていますよ・・・しかし・・・教わるものの台詞とは思えませんね」
「わたくしを一流の従者に成長させたならば、貴女のことを認めますわよ!」
「・・・はぁ・・・」
「───あたしは色々なことを勉強したいから!よろしくお願いします!カレンさん!」
「どうしてこんなに素直な娘が育ったのでしょうか・・・お任せください!貴女を一流の従者に育ててみせますよ!」
「はいっ!」
「ちょっ・・・カレン!エレンも何か言ってくださいまし!」
「自業自得・・・じゃな」
「あはは・・・おっとそうだ!プルーナさん。ストルネ殿の様子は・・・」
カレンとヴェルが言い合いをしている間、エレンがシュナの面倒を見るようだ。私の手が空いたため、漸くストルネ殿に話しかけられると思ったら・・・。
「あぁ。アルくん。見ての通り、提督は寝込んでいるよ・・・」
「あちゃぁ・・・“調律”、“治癒”・・・どうですかストルネ殿」
調律で三半規管の不調を癒やし、体調を治癒で整えると、蒼い顔だったストルネ殿にみるみる生気が戻ってきた。
「ん・・・おぉ・・・お恥ずかしい限りですアルフレッド殿。もう大丈夫です。ご心配をおかけ致しました・・・」
「いえいえ!お気になさらず。高いところが苦手なところを無理矢理に乗せて連れてきてしまったので・・・」
「いやはや・・・でも、もう大丈夫なので、お気になさらず」
「アルくんの魔法・・・凄いね!」
「いやいや。それでは私は、魔道具の製作に取りかかりますので」
「お世話をお掛けしました。儂は街に戻り、第二工区の浚渫に関しての打ち合わせをしてきます」
「アタシは畑の様子を見てこようかな」
「はい。2人とも、今日はありがとうございました!」
そう言って、2人は街と畑の方へと向かっていった。4人はまだ話し合っていたようなので、1人館の工房へと向かい、作業に取りかかることとした。
「さぁてと・・・先ずは万能!白狼石の粘土。これを縦60糎。横40糎程の大きさの箱形にしてっと・・・。魔核の位置は、頂点に近い位置で。水の入り口と出口は箱の下側。間は大体20糎の空間をあけてっと・・・。魔核の力を一点に集中させてしまうと沸騰してしまうから・・・徐々に暖かくなるように水管に魔銅線を巻いてっと・・・いやぁ・・・見た目は普通の銅と変わらないのだけれど、魔脈近くで採れるから他の金属よりかは魔力親和性が高いんだよね・・・これを魔核から魔力が流れ出るところに繋げて・・・水管の魔銅線と接合。魔力が循環するように魔核の反対側にも魔銅線を接合して・・・これで中身は完成!あっと!開閉器と魔銅線を繋いでなかった・・・魔核と魔銅線を一度外して・・・開閉器からの魔銅線を・・・っと。これじゃぁ開閉器にも魔力が通ってしまうから・・・白狼石で抵抗器を作って・・・っよし!できた!外側に出っ張った開閉器を一度押すとお湯が出て、もう一度押すとお湯が止まる・・・よしっ!大分古い型だけれど・・・中央制御できるまでは、各戸型で乗り切ろう・・・。幸い魔核も豊富にあるし・・・」
「アルフレッド様!」
「ん?あぁ!カレン。どうしたの?」
「どうしたのではありません!外を見てください!」
「ん?昼間だけれど・・・?」
「一日経っています!飲まず食わずで没頭するのは止めて欲しいとあれ程・・・」
「ありゃ・・・」
作業に夢中になる余り、徹夜をしてしまったらしい・・・よろしくないなぁ・・・。でもこれで初回型ができたから、館で試運転して量産に取りかかろう!




