土人形
「地下の工事か・・・確かに建物があると難しいのぅ」
「うん・・・今建っている家を一度解体して、地下を掘っていかないと・・・あるいは道を壊してその下を掘るか」
「どれも現実的じゃないね・・・」
「私が地下深くまでとも思いましたけど・・・落盤や家の傾きなどを発生させてしまう可能性があるので・・・」
「何人かで掘っても同じですな・・・」
「「「ううぅん・・・」」」
『「アルフレッドサマ ゴーレムツクルコトハ カノウデスカ」』
「土人形?できるけど・・・」
『「デハ 30タイ ホド ツクッテハイタダケマセンカ」』
「うぅん・・・でも、核となるモノがないんだよね・・・」
「────核って魔力を帯びてなきゃいけないの?」
「うん・・・と言うか魔力を貯めておけるモノって言う方が正しいかも。どうしたのプルーナさん」
「いやぁ・・・」
プルーナさんの目線を追って、私もその方向を見つめてみると、その先には白狼石があった。温室の骨組みにするために大量に積み重ねていたモノだ。
「あれってさ・・・アルくんの魔力を帯びているんだよね?」
「そうだけど・・・」
「それでさ、アルくんの魔力で変形が可能なんだよね」
「うん」
「───あれ、土人形の核にならない?」
「───!あぁ!なるなる!でも・・・大きい土人形は造れない・・・」
「穴を掘るのであれば、そこまで大きくない方が・・・寧ろ小さい方が宜しいのではないか?アルフレッド殿。のうさんちゃん殿」
『「ハイ ストルネサマノ オッシャルトオリデス オオキサハ 30㎝ デカマイマセン」』
「それなら!白狼石を30個ほど丸く整形して・・・いざっ!───土人形創造───」
目の前の霧が晴れた気がした。白狼石を土人形の核にするなんて思いもつかなかった。エレンもカレンもその発想はなかったと驚いていたし、私自身も魔核を使うという頭でしかなかった。よくよく考えてみれば、この地の白狼石は私の魔力を帯びているのだから、最適な材料と言える・・・もしかしたら、この島の資源問題を解消するための糸口になるかもしれない。
『「デハ アルフレッドサマ ハイスイヲヒキタイブブンヲユウチシテクダサイ」』
「うん。取りあえず・・・畑からと館から。浄化の魔道具までとそこから海まで・・・うぉ!」
「何なのじゃこれは!?」
「隧道・・・でしょうか?」
誘致を終えたと同時に現れたのは、何やら隧道の入り口のようなモノ。
『「ゴーレムタチヲ ソノイリグチニセイレツサセテクダサイ」』
「うん・・・!?」
土人形たちがトンネルの入り口に並んだ途端、一糸乱れぬ敬礼をしたと思うと、次々に隧道へと入っていった・・・。
「微細な振動が・・・」
『「ゴーレムタチガ アナヲホリススメテイルオトデスヨ カレンサマ」』
「なるほど・・・ところで、発生する土砂はどうするのです?」
『「ワタシノ ストレージニタマッテイキマス アルフレッドサマガ ツカイタイトキニダセルヨウニナッテオリマス」』
「埋め立ての必要が出てきたときに、その土砂を使えるって事だね!」
『「ハイ」』
「いやはや・・・凄いですな」
「これなら、各家に上水を届けることができるね」
「なんと!それでは、毎日の水汲みから解放される日も近いと言うことですな!」
「・・・良い訓練になっていたんだけど・・・でも、自分が使える時間が増えるようになるって言うのは、良いことかな」
「うん!これで・・・また一歩島の整備が進むよ!造船場も造れるかもしれない」
「なんと!」
「水分補給もそうだけど、真水で落とさなきゃいけない汚れや、船を駄目にしてしまう生き物なんかもいるからね」
「本当に少しずつだけど、こうやって積み重ねていくことで、帰れる日が近づいてくるんだね」
「うむ!」
こうして、水利整備の目途がついてきた。次は・・・第二次浚渫と造船場の整備かな!




