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あるエルフの都市作り  作者: 沙河泉
旅立ちの前に
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自室でのひととき

カレンと国王が話している間に自室に戻ったアルフレッドのお話です。


新キャラ登場!

「ぁぁぁ・・・言ってしまった。切ってしまった・・・」

「何を切られたの?」

「父上に面と向かって働くと啖呵(たんか)を切ってしまった・・・」

「あら。それは大変!働かないことを主義とされていたのに」

「そうなんだよ・・・ッてぇ!アンナ!いつの間に!?」


自室に戻り、壁に向かって独白をしていたかに思えたが、どうやら先客がいたようだ。振り返ると目の前には、妹であるアンナ・ディ=アルベロが立っていた。年齢は1700を少し越えたところ。身長は155(センチメートル)。体重は4じゅっ「お・に・い・さ・ま!」

「っと失礼。レディを目の前にして物思いに耽ってしまったようだ。」

「もぅ・・・それでお兄様、お父様にどのようなことを言われたのですか」

「いやぁ・・・領地をと言うか、無人島を一つ頂いたんだよ。開発するようにって・・・。」

「まぁ!ようやくお兄様もお働きになるご覚悟ができたのね!」


事の次第を搔い摘まんで妹に説明すると、殊の外喜ばれる。[お荷物王子]と呼ばれている不甲斐ない兄に対し、少々心配していた矢先の出来事。アンナは年相応に、アルフレッドの目の前にも関わらず跳んで跳ねて喜びを顕わにした。

「そこまで喜ばれると、複雑な気持ちだよ。そう言えば!アン。どうして僕の部屋に居たんだい」


アルフレッドからの言葉を聞いたアンナ、一瞬硬直してしまう。

(お兄様が鉄壁カレンさんを連れて出て行かれたその隙に、ベッドに潜り込んだなんて言えないッ)

「いえっ・・・たまたまお部屋に戻られるのを見かけましたので、お部屋の扉も開いていたので、勝手に入らせていただいたのですわ」

「なんか・・・普段と言葉遣いが違くはないかい?」

「そんなことはありませんわ!」

「うぅん・・・まぁいっか。扉を開けていたのは僕の不注意だしね」

(あっぶなぁい・・・バレなかった・・・)


兄に気づかれることなく窮地を脱したアンナ。

心の中では汗だくであっても、涼しげな表情でアルフレッドとの会話を楽しむ。


コンコンコン

「殿下。扉を開けたままにするのは些か不用心かと。・・・あらアンナ王女殿下、いらしていたのですね」

部屋の扉が開いていたことを注意すると伴に、室内にアンナを見つけ、スッと目を細めるカレン。

「ゴメンゴメン。いまアンからも注意されたところ。閉めてもらえると助かるよ」

「仕方ありませんね」

「ありがとう」


扉を閉め、カレンがお茶の用意を行うためにベッドを横切り、茶器を取りに控え室に向かう。

(な・ん・で、わざわざ遠回りをして茶器を取りに行くのよぉ!!!)

「スン・・・あら。ベッドから微かにあ・・・」

「すとぉぷ!」

身長が足りないため、胸元に抱きつく形となったアンナ。


「アンナ様、抱きつかれてしまうとお茶の用意ができないのですが」

先ほどついた嘘がバレる。そう危機感を覚えたアンナは小声でカレンに話す。

「かれんーッ言わないで!お兄様には言わないで。お願いだからッ」

カレンも小声で応対し

「わかりました。貸し一ですよ」

しれっと条件を付けて、うっかりしてました。茶器の置き場所を間違えるとはー。とアルフレッドが気づく位の大袈裟な演技をしてお茶の用意を始める。

(クッ・・・鉄壁カレンめ・・・)


「二人とも仲が良いなぁ」

などと、渦中の本人はアンナとカレンのやりとりを微笑ましく眺め、用意されたお茶と伴に妹と侍女三人での小さなお茶会を満喫するのであった─────────



次話でも新キャラ登場予定。

旅立ちの準備を行います。

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