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あるエルフの都市作り  作者: 沙河泉
港街の立て直し
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領主の館 ⑥

館工事・・・結構長くなってしまいました。もう少しだけお付き合いください。ここまで来ればもうひと頑張り。井戸よりかは近代化すると言うことを表現する難しさ・・・身にしみて感じます。

「ふぅ」


「どうしたのじゃアル」


「いやぁ・・・貯水塔なんだけどさ。どんな形にしたら効率がいいか悩んでいたんだ」


「ふぅむ。我らの住まうこの国では見かけないモノじゃからのぅ」


「うん。昔、デセルト連邦に行った時に見かけたけど・・・幼い時に見たからあんまり覚えていないんだよね」


「デセルトか。昼間は暑く夜は冷えたという記憶しかないのぅ・・・わしも最近は行ってはおらんし」


「そういえばさ、なんでストルネ殿の艦を助けるに至ったの?」


「んぁ!?そっそれは・・・」


「それは?」


「───そんなことより!貯水塔のことを考えんといかんのじゃろう!ストルネ殿が待っておるぞ!」


「むぅ・・・話をそらされた気がするけれど・・・待ってもらっているのは確かだからなぁ」


そう。またも館の工事は中断中。今現在水路が引かれている製材所とこの館がある場所には、ライラック山麓の祭祀場に通じる道がある。その道というのが、丘を崩して作った切通しであるため、水路を通すための障害となっているのである。もちろん、水道橋を築くことができれば話は早いのだが、製材所がある丘よりもこの館がある丘の標高が高い。水は高いところから低いところへと流れていく。そのため、ピセロ殿からもらった考えをもとに、貯水塔も考えてはいるが、良い案が思い浮かばないんだよね・・・。


「アルフレッド殿。まだなにかお悩みのご様子」


「あぁ。ストルネ殿。お待たせしてしまって申し訳ありません・・・」


「なかなか思いつきませぬか?」


「ええ。製材所の丘がこちらと同じ高さか、もう少し標高があれば水道橋の一択採用なのですが・・・。貯水塔の形状案が思い浮かばなくて」


「ふむ・・・。以前、水路に設けられていた風魔力式の加圧装置を製材所側に作り、水道橋でもってこの丘の麓まで水を送り、更にもう一つの加圧装置で揚水するというのはいかがか」


「うぅん・・・それだと・・・大規模に・・・あぁ!」


「何か・・・思いつきましたかな?」


「ええ!これならいけるかもしれません!」


そう言って、私は地面に大まかな絵を描いて説明を始めようとしたが、ストルネ殿が、「しょっ少々お待ちくだされ!今カンネを呼んでまいりますので」と言っていったん中断となった。頭の中にある内に早く具現化して知らせたい・・・。地面に書き始めようかと思ったと同時に、ストルネ殿がカンネさんを連れて戻ってきた。それとともに急いで走っていたストルネ殿に着いてきたカレンとプルーナさんもやってきたため、改めて説明を開始した。


「えっとですね・・・まず、製材所がある丘の上に円柱型の貯水塔を作ります。高さは・・・この館がある丘よりも少し高いくらいです。水をためる部分は、塔の3分の1とします。そして水路終端に加圧装置を置き、貯水槽と加圧装置を管で接続して内部に水を送ります。貯水槽から館の受水槽に谷をなぞるようにして管を接続させます。こちらの管には、開閉式の調節門を付けて流量の制限を行います。勿論、操作は館側からのみ行えるようにします。そうすることで、貯水槽内部の水が一気に流れることを防ぐとともに、水圧の調整を可能にします」


「1つ質問なんだけど・・・いいかなぁ?」


「はい。プルーナさん」


「その話でいけば、貯水塔じゃなくて加圧装置だけでなんとかなるんじゃないの?」


「本当はそう考えたんだけど、あの装置を動かすための魔脈がこの丘周辺にないんだ。唯一製材所の付近を大きく蛇行して近づいていて、そこから少し魔力を貰うから一個しか設置できないんだ」


「魔脈って?」


「魔力の通り道のことです。この島の火山に向けて数本の魔脈の存在を感知していますが、浅いところを流れるのは、その一本だけなのです」


「そう。カレンの言う通り。だから、一個しか設置できないんだ。あまり多くの力を分けてもらうと、自然の天秤が傾いて、修復不可能になってしまうかもしれないからね」


「そっか・・・いろいろとあるんだね。まだまだ知らないことばっかりだ」


「アルフレッド殿。一つ宜しいか?」


「はい。カンネさん」


「そもそもなのですが、管を地下に這わすにはどのようにするのですか?」


「今回は地下を通すことはしません」


「えっ・・・それでは」


「なので、谷間の崖に沿って管を這わしていくのです。どうしても街道と管が交わってしまいますが、管を通した後に街道をかさ上げをする形でこの館工事で発生した土砂を使えば、街道上の管を疑似的にではありますが、地中に埋設することが可能です」


「崖側の管は?」


「検査しやすいよう露出させます。が、色に関しては限りなく崖に近づけて配色し、隠すようにします。そうすることで、自噴式での受水槽までの送水が可能になると考えています」


「なるほど・・・ですが、管の水門を閉めても加圧装置が動いていると・・・」


「そこは、同期させるのでご心配なく。万が一水勢が足りない場合は、加圧装置の圧を高出力にします。ただ、一度流れて真空状態となれば、大きな力を必要とはしないので・・・」


「魔脈に負担をかけない」


「そういうことです」


「わかりました。では、崖側に受水槽を設置し、そこから館内に管を通します」


「よろしくお願いします」


「して、管の名前は?」


「上質な水を通す管と言うことで・・・“上水管”とします」


「かしこまりました。同時に、使用済みの水が流れる配管も設置しておく形でよろしいでしょうか」


「はい!」


「では。提督、プルーナ中佐。指揮を」


「うむ」「了解!」


「では、私たちも作業に取り掛かろう」


「うむ!」「畏まりました」

土地を掘って杭を打ち、上下水道の本線への接続及び埋設工事をして、宅内配管を整える。そこから基礎を打って建て始める。このお話にはまだ“電気”の概念がないので、配線という考えはありませんが・・・家を一戸建てるだけでもやることが多い・・・ゲームでは時間経過とともに建物が建っていくのですが・・・。

言葉では表現できないことを行う職人さん達は凄い仕事をしているのだなぁとひしひしと感じております。

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