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あるエルフの都市作り  作者: 沙河泉
港街の立て直し
61/213

領主の館 ②

予約投稿を間違えました・・・。申し訳ありません。

「アルフレッド殿!いやぁアレは凄いですな!」


「道路建設ですか?」


「ええ!ええ!通常は何ヶ月もかかることが、ほんの2刻でできるとは・・・いやぁ素晴らしい!儂も皆と一緒に作業をしましたが・・・若返った気分で楽しめましたぞ」


「こちらこそ、館の建設以外に道路工事までお願いしてしまって申し訳ないです」


「いやはや。これもアルフレッド殿の仁徳が故ですよ。それよりも・・・館はどのような間取りで造りましょうか?」


「では─────」


そう言って、自分の思い描く通りの館をストルネ殿に伝える。すると、わらわらと人集りができて、やれ噴水は。やれ庭はなどと私の意図しない方向へと話が進んでいってしまった。周りを囲む濠から跳ね橋・・・おおよそ、丘の上に造れるような代物ではなくなり・・・一層のこと、城でも造るかと言った話にまで飛躍してしまった。流石に待ったをかけたため城の案はなりを潜めたが、増改築しやすい作りにしようと言うことで、話し合いの決着となった。こう言うのを白の勇者が【船頭多くして船山に登る】って言ってたな・・・。まぁ・・・船乗りが丘にいて話し合っているから強ち間違えではないのかもしれないけれど・・・。








「────では、これよりアルフレッド殿の館工事に着工する。お力添えをいただいての工事とはなるが、皆の心を一つにして、素晴らしい館を造ろうぞ!」


「「おぉー!!」」


カレンたちが作ってくれた昼食に舌鼓を打った後、ストルネ殿の音頭のもと、工事が始まった。製材所や遠く離れた採石場から資材が運び込まれる。なんでも、釘を使わずに木を削り噛み合わせることで建物を建てる技術を持った方々がいたらしい。製材所ができた理由にも納得した。


「そぉれぇい!もっと引けぇい!そぉれぇい!」


「柱の位置はこの辺りか?」


「あと右に1糎動かしてくれ」


「調理場予定地の基礎石材を埋め終わりました」


「よし!そちらも取りかかろう!柱の大きさに合わせて穴を開けてくれ!」


「直ちに!」


「梁にするにはもう少し強度が欲しい・・・」


「筋交いを増やすか?」


「いやっ・・・材の根本的な強度が足りない」


「私が硬質化魔法をかけますよ!」


「助かります!アルフレッド殿。よろしくお願いします」


建設誘致地の中はこんな風に時間が流れてるのか・・・。農地の時とは段違いに、しかし順序よくできていく建物。今はまだ骨組みだけだが、地上2階建てで広間と応接間を合わせて10部屋以上ある館が目の前に現れてきた。試しに建設現場の外に出ると、中で人々が目まぐるしく動いているのを見ることができた。外と中では時間の流れが異なるらしく、一種の異空間に感じられた。自身の貴重な体験に考察をしていると、不意にストルネ殿に話しかけられた。


「アルフレッド殿。屋根は板葺きにしますか?それとも何か別のものにしますか?」


「そうですね・・・白狼石を軽量化と軟質化しますので、それを葺いてください。大きさの指定はありますか?」


「大きさは特にないですが・・・白狼石ですと目立ちませぬか?」


「それもそうですね・・・あっ!では、軟軽質白狼石の上に板を葺いていただければ大丈夫かと!」


「承った!では!白狼石を持ってまいりますぞ」


「はい!」


「いやぁ・・・提督、はしゃいじゃってるね」


「そうなの?」


「うん!あんなに楽しそうな顔をしているのなんか、久々に見たよ。少し前までは、眉間にしわを寄せて難しい顔ばかりしていたから」


「そっか・・・」


「皆も同じ感じだったけど・・・これだけの笑顔で溢れてるのは、アルくんのお陰だよ。本当にありがとう!」


「いやいや。皆さんが頑張ってるからこそだよ。諦めていたら支援をすることも躊躇ったかもしれない。諦めずに藻掻いていたからこそ私が行ったことを受け入れてくださった。本当に助かったのは、私の方さ。この島の再開発に手を貸してくれて本当に感謝だよ」


「あはは!何それ!もぅ・・・本当に・・・人たらしだなぁ」


「ん?何か言った?」


「べっつにぃ!」


「もぅ・・・気になるじゃないか!」


「へっへぇん!」 


「・・・プルーナ様。アルフレッド様を揶揄うのは、大概にしてください。アルフレッド様ももう少し威厳ある立ち振る舞いを────」


「はぁい」


「・・・ごめんねカレン」


「いえ・・・これ以上好意を持つ異性が増えては・・・」


「ん?カレンも何か言った?」


「んんっ!ストルネ殿がお待ちですよ」


「ん?ありがとう。カレン、プルーナさん行ってくるね」


「はぁい!」「はい」



「プルーナ・・・貴女ねぇ・・・」


「へへん!機先を制するものが恋も何でも制するのさッ」


「まったく・・・油断も隙も無い。だいたい─────」







「ストルネ殿!」


「おぉ!アルフレッド殿。私室の広さについて伺いたく。カンネ、説明を頼む」


「・・・?全て同じ大きさの部屋なのでは?」


「失礼ながら、このカンネがご説明致します。現段階では造作可能なので、書斎と私室。それに執務室の大きさを自在に決められるのです。勿論3室とも扉で繋げる予定です」


「なるほど。では──────」



私自身が考えていたよりもずっと大がかりな建築になるようだ。基礎から柱。屋根ができて、今度は部屋の大きさを決める。自由な設計だからこそ可能なこと。ここが自分の新たな家になる。考えただけでも嬉しいし、何より自分が携わることができて楽しい。

そろそろ15刻。午後の小休止だ。これなら本当に今日1日で建てられるかもしれないな。

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