報告と…
「―――ということです。陛下」
「なるほどのぅ…」
私は、エルリエッタとミューリエルを伴って、陛下がいる緊急会議室に転移し、事の顛末を伝えた。苦虫を噛み潰した表情で思案しているが、多分今回の件でというわけでもないのだろう。その証拠に、若干、私の後ろにいる2人が震えているのだから…。
「して、アルフレッドよ。其方はどのような決着を望む」
「はっ。世界樹に関しては、現在、カメリアとスコットが治癒作業を行っておりますので問題はないかと。真の下手人を探し出し、その罪を詳らかにせねばと愚考いたします」
「うむ。わかった。その件は、余の方で諜報部に命じる。定期的に其方にも連絡が行くように手配しよう」
「はっ!それともう一つ」
「うむ」
「住宅街の復旧を私にお命じください」
「あいわかった。明日より復旧作業への着手を命じる」
「はっ!」
よしっ!これで王都の集合住宅を改装して、より多くの人が住めるように出来るぞ!幼い頃から少しずつ、父上たちが広げていた街割図に細工して、道路を拡張して、交通機関も整備する暗躍が…ゲフンゲフン
「それで…だな…。アル…わかっているとは思うのだが…」
「あぁ。はい。この後のことですね。父上」
「うむ…」
そう言って、私の後ろの2人に目を見遣る王である父上。件の2人は、手を繋ぎ、顔を青くして、先程よりも強く震えていた。
「…?のう。アル。なにゆえ2人は震えておるのじゃ?」
「それは…ね」
「失礼いたします陛下!」
「アル。開けてくれ」
「はい」
扉を開けると、近衛兵が1人入ってきた。私を見て若干表情が動いたものの、直ぐに平静を取り戻し、要件を伝え始めた。
「カーサ妃殿下が室内に入りたいと…」
「おぉ…」
「「ひいぃぃっ」」
「静かにお怒りなご様子で…笑顔ではあるのですが…その…」
歯切れの悪い言の葉を紡ぐ近衛兵。父上も思案顔であり、2人に至っては、床にへたり込み抱き合ってガタガタと震える始末。唯一、何もわかっていないエレンが視線を右往左往させている。
「のうアル。カーサ妃殿下とは誰じゃったかの?」
「あぁ…彼女はね…」
『疾く疾く!中に入れてくださいませんか?』
『妃殿下!お待ち下さい!今、中で許可を伺っている最中ですので!』
『あぁもう!早くしてっ!あと10秒で戻らなければ、この扉を破ってでも中に入りますわよ!』
『おっ!おやめくださいぃぃぃ!』
あちゃぁ…。これは、もう決定だ…。父上も人差し指で頭を抱えながら首を振り、中に招き入れるよう近衛兵に伝えた。
「はぁ…。まぁ仕方あるまい。アル…」
「…善処します」
「頼んだ…」
「のう!のう!じゃから、一体誰なのじゃ!?」
〘〘ガタガタブルブル〙〙
果たしてどうなることやら…。




