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あるエルフの都市作り  作者: 沙河泉
王都擾乱
153/213

待ち人来たりて

「アル!」


「おっ!早かったね。エレン」


「うむ。偶々、エルを連れて自室にいたからのぅ。それよりもじゃ。一体全体何が起こっているのじゃ?住宅地区のこの有様・・・。それにこの蒼炎。まるで・・・「そんなことよりおろしてくださいっ!」おぉ!忘れておった。ほれ」


「全く!エレンは乱暴なのですから!」


「すまなんだ。しかし、一番手っ取り早い方法であったからのぅ」


「しかしですね!って・・・ここは――――ヒィ!たっ高い!」


「おっと。大丈夫かい?エル」


エレンに抱き抱えられて、転移した先は高く聳える尖塔の屋根の上。突然そのような場所に連れてこられたら、誰だって目眩は起こすもの。倒れそうになったエルリエッタを優しく抱きかかえるアルフレッド。エレンは、転移先が尖塔であることを察知していたため、自身とエルに『浮遊』の魔法をかけていた。そのため、万が一倒れたとしても落ちることはないのだが。アルフレッドに支えられた彼女を見て、若干不機嫌になるのであった。


「それで?アルよ。何故このような場所におったのじゃ?」


「うん。それを話す前に、少しだけ時間をちょうだい」


「うむ」


エレンに許可を取り、眼下に広がる住宅地区に再び目を向け黙るアルフレッド。少しすると、俄に騒ぎ声が聞こえてきた。どうやら下にいる人々に指示を出していたようだ。その間もエルリエッタは、アルフレッドに支えられたまま気絶している。


「いつまで寝ておるのじゃ!さっさと起きるのじゃ!」


そう言って、エレンは彼女に気付けの魔法をかける。


「んっ・・・んんぅん・・・!あっアルフレッド様!」


「おはよう。エル。いや・・・エルリエッタ孃。気分はどう?」


「まだ少し・・・「ムッ」いっいえ・・・お見苦しいところをお見せいたしました。もう大丈夫です」


「そう?なら良いのだけれど。体調に変化があったらすぐに言ってね?」


「はい・・・」


「っと・・・その前に、『解除』っと」


アルフレッドが、エルリエッタに向けて『解除』の魔法をかける。すると、俄にエルリエッタの姿が変わり始めた――――――――。

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