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あるエルフの都市作り  作者: 沙河泉
立太子の儀
138/213

アルフレッドの義兄

「あっ!アルくん・・・?」


食堂に向かう道中、柱の陰にアルフレッドの姿を見かけたプルーナは彼に声をかけようとしたが、どうやら誰かと話していた。


「────。───そうか。ん?誰だいそこにいるのは」


プルーナは柱の陰に隠れたのだが、どうやら見つかったようだ。 おずおずと顔を出すと、アルフレッドと話していたのであろう男性がいた。


「ああ!プルーナさん。義兄上。紹介します。今、この王宮に勉強に来ている・・・」

「プルーナです」

「ああ!アルが言っていたのはこの人か!宜しくね。あっ!そう言えば名乗りがまだだったね。ここに居るアルの義理の兄。まぁ彼の姉と結婚したのだけれど、アゾットだ。よろしく頼むね」

「はっ・・・はい!よろしくお願いします!」

「うん。それじゃぁアル。また後で」

「はい。義兄上」


アゾットは手を振りながら、プルーナが歩いてきた廊下へと消えていった。


「それにしても驚いたよ!エレンとミュールは?」

「お腹が空いたって言って先に食堂に行ったんだ。アタシはアルくんを探しに」

「そっか。呼びに来てくれてありがとう。それじゃぁ行こうか」

「───うん!」


アルフレッドとプルーナが歩き始めようとしたとき、アルフレッドを呼び止める声が廊下の先から聞こえてきた。振り向くと、深紅の鎧を身にまとった如何にも軍人という人物がやってきた。


「おぉ!いたいた!アル!久しぶりだな!」

「オリオ義兄上!戻られたのですね!」

「如何にも!大切な儀式だからな!演習も手短に戻ってきたのだ!おっ?この普人族の方は?」

「今、王宮に勉強にきている」

「プルーナと申します」

「おぉ!プルーナ殿か。貴殿も軍人だな。よろしく頼む」

「はっはい!」


プルーナを一目見ただけで軍人と認識したオリオ。彼は豪快に笑いながら、また後でと言い残し廊下を進んでいった。


「オリオさんって?」

「もう1人の義兄上さ。彼は陸軍務卿。さっきまで話していたアゾット義兄上は、外務と貿易を管轄している。まぁ外務卿って呼ばれてはいるかな。2人とも同世代なんだけど、アゾット義兄上には一番上の姉上が。オリオ義兄上には二番目の姉上がそれぞれ嫁いでいるんだ」

「ほぉえぇ・・・っていうことは?継承権は・・・」

「あぁ。姉たちは臣籍降下だから継承権はないんだ。それに、あの2人は伯爵位だからね」

「えっ!?王族が嫁ぐには・・・」

「そう。身分がね。でも恋愛結婚だったから・・・あの時は父上たちももめに揉めて・・・。仕方なく侯爵家に養子に出して、そこから嫁ぐって形をとったんだ・・・」

「えっ!?そんなのあり?」

「無しだよ・・・でもねぇ・・・」


話ながら遠い目をするアルフレッド。あまり話したくない黒歴史のようだ。それを感じ取ったプルーナは、食堂に行こう!と薦め、2人は夕食を摂るべく歩みを進めていったのであった。

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