アルフレッドの義兄
「あっ!アルくん・・・?」
食堂に向かう道中、柱の陰にアルフレッドの姿を見かけたプルーナは彼に声をかけようとしたが、どうやら誰かと話していた。
「────。───そうか。ん?誰だいそこにいるのは」
プルーナは柱の陰に隠れたのだが、どうやら見つかったようだ。 おずおずと顔を出すと、アルフレッドと話していたのであろう男性がいた。
「ああ!プルーナさん。義兄上。紹介します。今、この王宮に勉強に来ている・・・」
「プルーナです」
「ああ!アルが言っていたのはこの人か!宜しくね。あっ!そう言えば名乗りがまだだったね。ここに居るアルの義理の兄。まぁ彼の姉と結婚したのだけれど、アゾットだ。よろしく頼むね」
「はっ・・・はい!よろしくお願いします!」
「うん。それじゃぁアル。また後で」
「はい。義兄上」
アゾットは手を振りながら、プルーナが歩いてきた廊下へと消えていった。
「それにしても驚いたよ!エレンとミュールは?」
「お腹が空いたって言って先に食堂に行ったんだ。アタシはアルくんを探しに」
「そっか。呼びに来てくれてありがとう。それじゃぁ行こうか」
「───うん!」
アルフレッドとプルーナが歩き始めようとしたとき、アルフレッドを呼び止める声が廊下の先から聞こえてきた。振り向くと、深紅の鎧を身にまとった如何にも軍人という人物がやってきた。
「おぉ!いたいた!アル!久しぶりだな!」
「オリオ義兄上!戻られたのですね!」
「如何にも!大切な儀式だからな!演習も手短に戻ってきたのだ!おっ?この普人族の方は?」
「今、王宮に勉強にきている」
「プルーナと申します」
「おぉ!プルーナ殿か。貴殿も軍人だな。よろしく頼む」
「はっはい!」
プルーナを一目見ただけで軍人と認識したオリオ。彼は豪快に笑いながら、また後でと言い残し廊下を進んでいった。
「オリオさんって?」
「もう1人の義兄上さ。彼は陸軍務卿。さっきまで話していたアゾット義兄上は、外務と貿易を管轄している。まぁ外務卿って呼ばれてはいるかな。2人とも同世代なんだけど、アゾット義兄上には一番上の姉上が。オリオ義兄上には二番目の姉上がそれぞれ嫁いでいるんだ」
「ほぉえぇ・・・っていうことは?継承権は・・・」
「あぁ。姉たちは臣籍降下だから継承権はないんだ。それに、あの2人は伯爵位だからね」
「えっ!?王族が嫁ぐには・・・」
「そう。身分がね。でも恋愛結婚だったから・・・あの時は父上たちももめに揉めて・・・。仕方なく侯爵家に養子に出して、そこから嫁ぐって形をとったんだ・・・」
「えっ!?そんなのあり?」
「無しだよ・・・でもねぇ・・・」
話ながら遠い目をするアルフレッド。あまり話したくない黒歴史のようだ。それを感じ取ったプルーナは、食堂に行こう!と薦め、2人は夕食を摂るべく歩みを進めていったのであった。




