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あるエルフの都市作り  作者: 沙河泉
立太子の儀
122/213

山積みの問題

「終わったよぉ」


アルフレッドが温室へと赴き、3人に尋問と衛兵への引き渡しの終了を告げる。後ろについてきたエレンは若干疲れ顔だ。


「どうだったの?」

「うぅん・・・。宜しくはないかなぁ。取り敢えず、温室から出て店に戻ろう」


5人で店に戻ると、頑張った植物たちを労っているスコットがいた。彼は、植物たちの世話をする傍らで、休憩するための茶を人数分準備してくれていた。


「おう。お疲れさん。まっ、茶でも飲んで一息つこうか」

「ありがとうスコットさん」

「「「ありがとうございます」」」

「・・・ありがとう」


スコットが用意したのは、加密列の香草茶。心を落ち着かせるために彼が用意してくれた物だ。暖かい飲み物に一息つくと、アルフレッドが話し始めた。


「一度王宮に戻ろうと思う」

「畏まりました」

「具体的になにが起きたかは・・・」


一瞬ミュールを見て、プルーナに目線を戻す。


「うん。わかった」

「助かるよ。スコットさん」

「おうよ。世界樹の方だろう?任せといてくれ」

「お願いします。本当は僕が行った方が良いのだけれど・・・」

「まっそっちの方が大事だからな」

「うん。あっそうだ!」


アルフレッドは自身の簡易倉庫から何やらスコットに小さな機器を複数個手渡した。


「それを世界樹の周りに、スコットさんの思う感覚で良いので」

「わかった」

「それと・・・」

「ん?」


アルフレッドはまた簡易倉庫からある物を取り出し、手渡した。


「おいおい此奴は・・・」

「僕の紋章。何度か王宮の庭の剪定にも来てくれてるしね。世界樹に近づくときに必要だから。いくら土精霊と言っても誰にも気づかれずに作業するのは難しいでしょう?」

「なんだ・・・露見してたのか」

「うん。と言っても、気が付いたのはエレンの態度からなんだけど」

「えっ?わたし?」

「だって初対面じゃないような雰囲気だったからね。これはもしやって思って考えていたら・・・自ずと正解が見えたんだ」

「なるほどな。おいっエレン!お前のせいで驚かせる事ができなかったじゃねぇか」

「ごっ・・・ごめん!あたしの演技力を上げないと」


冗談を言い、笑い合い。雰囲気が少し和んできたところで、スコットに香草茶のお礼を言い、アルフレッドたちは王宮へと転移した。



「っかぁ・・・厄介なことになっちまったな。あいつは動けねぇからな。一丁一肌脱ぎますか!」


誰も居なくなった店内で、やる気を出すために声を出し土の中へと潜行していったスコット。


人は居なくなったが、植物たちは確かに話の内容を聞いていた─────。

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