出立
「───さてと。それじゃぁ行こうか」
「うむ!」
「はい」
「っとその前に、挨拶しにいかないと」
立太子の儀に臨むため、再び王都に戻る予定なのだけど、流石にストルネ殿には挨拶をしなければならない。あっ!プレズモさんは、客室で寝ている。昨日もよく働きよく飲んでいたからね・・・。彼には昨日の夕食時に挨拶を済ませたし、世話役に関しては士官達に任せたから・・・まっ大人だから大丈夫だろう・・・。
「アルフレッド様。着きましたよ」
「おっと!ごめんごめん」
「まったく・・・物思いに耽るのは良いが、確り歩くのじゃ」
「申し訳ない・・・さぁ挨拶を・・・ん?」
「───失礼致しました。おや?」
「・・・ピセロさん」
「提督に何かご用ですか?」
「ええ。少し島を空けるので、そのご挨拶に」
「そうですか。お気をつけて行ってらっしゃいませ」
「───ありがとうございます」
「ではまた」
「───あの者は苦手なのじゃ」
「ええ。糸目で何を考えているのか分からない。そこが見えないお方ですね」
「だね。まぁ気を取り直して・・・おはようございます!」
ストルネ殿のお宅から出てきたのは、ピセロさんだった。何やら用があったみたいだけれど・・・今はストルネ殿への挨拶が先。
「おっ!おぉ!アルフレッド殿!用おいでくださった」
「おはようございますストルネ殿」
「おはようございます」「おはようなのじゃ」
「おはようございます。玄関先ではなんですので、中に・・・」
「およ?アルくん?おはよう!」
「おはようプルーナさん」
ストルネ殿の招きで室内に入ろうとすると、住宅地の方からプルーナさんが、白麺麭を持ってやってきた。
「おぉプルーナ。毎朝すまんな」
「いいのいいの!それで、アルくんどったの?」
「あぁ「取りあえず中で」そうですね」
「折角の麺麭も冷めちゃうしね」
4人でぞろぞろとストルネ殿のお宅にお邪魔する。プルーナさんが麺麭を戸棚に入れるのを待って席に着き、しばらく留守にする旨の挨拶をストルネ殿に済ませた。
「畏まりました。お戻りになる頃には、我が艦の雄姿をお目にかけられると思います」
「それは、楽しみですね!」
「・・・」
「どうしたプルーナ」
「んー・・・」
「言いたいことがあったら言った方が良いぞ」
「うん」
「ん?」
「・・・あのさ・・・アルくん」
「どうしたの?」
「王都に・・・連れて行ってもらう事って・・・」
「ほむ」
「それは・・・」
ちらっとカレンの方を見ると、首肯したために、改めてプルーナさんに向き合う。
「・・・うん。たぶん何とかなると思うから、行ってみる?」
「本当!?」
「ただし!」
「カレン?」
「必ず私か、手の者を付けますので、そこはご理解を」
「うん!大丈夫!変なことはしないって約束する」
「であれば、大丈夫です」
「アルフレッド殿。カレン殿。エレン殿。プルーナをよろしく頼みます」
「ええ。大丈夫ですよ」
「提督の代わりに、王都観光に行ってくるね!」
「はっはっは!土産を楽しみにしておるぞ!」
「まっかせといて!」
「では!しばらくの間留守となりますが、よろしくお願いします」
「畏まりました。お任せください」
挨拶を済ませストルネ殿のもとを立ち、館の転移陣から王都に向かった。立太子の儀までは少し時間があるから、プルーナさんが観光する時間も作れるかな。
「・・・奴らが居なくなるのか。少し動きやすくなる・・・か」




