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六話 ゲスの極み

ポイント評価!本当にありがとうございます!

嬉しくて少々文字数増えちゃいました、ご容赦を!

引き続きのご愛読と応援のほどよろしくお願いしますー!

 


 しかし、既にメモと財布は我が手中にある為今更焦る事も無いわけで、現にステータウインドウの表示が先程とは変わっている。


 因みにステータスウインドウはさっきからずっと俺の目の前に表示されてるままだったりするわけだが。



 Quest


 内容:夕飯の材料を買い揃えろ。


 ・豚肉 500g 0/1

 ・人参 一袋 0/1

 ・玉葱 一袋 0/1

 ・ジャガイモ 一袋 0/1

 ・カレールー 一箱 0/1

 ・牛乳 一本 0/1

 ・バター 一箱 0/1

 ・卵 一パック 0/1

 ・米 10kg 0/1



 本日の夕飯は完全にカレーです、ありがとうございます。

 って、ここぞとばかりなんか買い物リスト大分増えてない!?

クエスト内容変わっちゃってるし!しかも米なんて重量物リストに入れやがって!こんな病弱な美少年を過労死させる気か!?まじで一人で持って帰れる量なんこれ!?


 くっそ、クエストじゃなかったら秒で持病の仮病が発病してた所を…。


 取り敢えずメモ紙を確認した振りをして露骨に舌打ちを一つ、そして目線を恨みがましく桜子に向ける。

 この行き場のない憤りを少しでも相手で解消したいという俺の小さく可愛い反骨心だ。


 だがしかし、それに気付いた桜子は怒るどころか、ふっそれで?と言わんばかりに鼻で笑って軽く受け流しやがったのだ。


 あ、そうくる、ほー、へー、ふーん。

 俺の中の反骨心がなんかムクムクといきり立つ。

 その余裕、へし折ってあげたくなってきたぜ。

 タダではやられない、それが思春期男子の反抗期ってヤツだぜママン!


 俺はすぐ様Gパンを拾い上げると玄関へと向かい、スリッパを履くとそのまま外へと飛び出した。


 玄関から出るとすぐに家の敷地の小さな門があり、その先は小さな道路が通っている。

 車の通りも少ないその道は結構な頻度で近所の人が散歩してたり井戸端会議をしてたりと、意外と人目が多いのが特徴だ。


 案の定家の前には近所のおばさ──お姉様方が立ち話をしており、俺は丁度いいとばかりに何食わぬ顔で先手必勝で挨拶をした。



「こんにちは、お姉様方。今日もいい天気ですね!」



 満面の笑顔もプラスされた文句の付けようもない挨拶だ。ただその挨拶してきた本人がカエルのガマ口を左手に、右手にはGパンを担ぎ、白いTシャツと青いトランクスって格好なのが問題なだけである。

 まぁ近所のおっちゃんとかがたまに似たような格好で外にいたりするし、そこまで問題は無いはずだ、たぶん。


 現におばさ──お姉様方は悲鳴をあげるなんてこともなく、面白愉快そうな顔をして返事をしてくれる。



「こんにちはぁ、元気に挨拶できて偉いわねぇ」

「やだわぁ、こんなおばちゃん達捕まえてお姉様なんてぇ」

「えっと、確か、青乃さんとこの息子さん?」

「どうしたの、そんな格好で?」

「お母さんにでも叱られて、しめ出されちゃった?」



 おぉう、意外にグイグイ来ますねお姉様方。

 結構な注目を集めてしまったようだ。

 だがこれも作戦のうち。

 恥も醜聞もかなぐり捨てて、今相手が一番嫌がる事をする、ゲスの極み。

 因みに現在桜子ママンが一番気を使って大事にしている事が世間体とご近所付き合いだ。

 だから俺はそこを狙ったわけなのさ(ゲスの笑み)

 後は──



「ハルト!!!待ちなさい!!!!」



 ──戦略的撤退あるのみ!


 丁度いいタイミングで玄関から顔を出し怒声を上げた桜子に注目が集まる。俺はその隙を逃さず素早くGパンを履くと、脱兎の如く駆け出した。


 あ~ばよ、とっつぁ~ん。


 後ろに少し視線を向ければ、先程のお姉様方に囲まれる母親桜子の姿。

 困ってる困ってる幼女が困ってる。

 俺の反骨心も大満足、いい仕事したぜ!


 しかし問題は夜。桜子が寄り合いから帰ってきてからだ。俺もこれで全てが終わるとか、そんなお花畑な頭はしていない。

 かぁちゃん、本気で怒ったら面倒なんだよなぁ…。

 何か対策を立てておかなければ。


 取り敢えずまぁ問題事は後回しにしてだ、今はそれよりクエストに集中。

 俺は今一度クエストが継続してる事を確認し、メモとガマ口もしっかり握り直した。

 目標は最寄りのスーパーモリアツ。



 いざ、クエストに出発(デッパツ)


 プゥァ~プァ~!


 脳内に鳴り響く角笛の音と共に(脳内補完)


 俺はクエストに出発した。

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