四十四話 なんかようじょにおこられてる
お久しぶりの投稿です。
ちゃんと更新覚えています、大丈夫です、うん。
待ってくれてた人いるかわかりませんが、お待たせしました。
あれから小一時間……
俺は帰宅する同輩達(同じ新入生らしき人達)にクスクス笑われながら、なんか知らんけど幼女にやたら怒られてる金髪の奴というシチュエーションプレイを堪能していた。
いや、べ、別にこの状況が紳士的に気持ちいいわけでも、紳士的に興奮するわけでもないんだけどね?
かぁちゃんに怒られてるのはいつもの事だし、他人から笑われるのも諸事情により慣れてるってわけで。
それなら入学式当日の校門前で人に見られながら幼女に怒られてるとかいう、こんな誰も体験した事ないような訳分からんシチュエーションを他人事のように分析しながら満喫していたってわけだ。
そんなこんな怒られること小一時間、帰宅する新入生達もほぼいなくなった頃、今迄援護の一つもしてくれなかったとぉちゃんが動き出した。
「まったく!ほんと、まったく!──ぷんぷん」
「まぁまぁ──ハルトもこうして反省してるみたいだし、先生達が帰る前に一度顔合わせと挨拶にも行かないと、だろ?」
「もう!ハルヒコさんはいつもそうやってハルトに甘いんだからっ。でもそれも一理あるわね──今度からはもう遅刻しないようにしっかりと学校行くのよ?わかったハルト!?」
とぉちゃんの一言により、烈火の如く続いていたかぁちゃんの説教もようやっと終焉を迎えた。
ただ、とおちゃん、自分に飛び火しないようにと一時間もここから少し離れて会社と電話してるフリしてたのは許さんからな、絶対だ。
──あ、それより今は返事しないとだな、返事。
自動反省風モードを解除し、意識を現実に引き戻し神経接続。
先程まで虚ろだった瞳に魂が宿ると、多少のラグを感じさせつつもなんとか返事を紡ぎ出した。
「───あい」
「何よ、その変な間は……本当にちゃんと話聞いてたわけ?」
「あいっ」
危ない危ない、もう少し返事が遅れてたら説教おかわり入ってたわ。
流石にもう観衆も居ないのに更なる延長タイム突入は誰得もんだもんな。
「……まぁ、いいわ。それじゃいきましょ。ハルトはまだ自分のクラスも知らないわよね?確か玄関前にクラス分けの掲示が……」
こうしてようやく俺の入学式が始まった。
最初に訪れたのはクラス分けが貼られたガラス張りの掲示板。
両親は既に把握済みの様なので、俺もささっと自分の名前を探していくぅ。
「あおのあおの──お、あった、1年3組か」
この学校、聖駿高校は1学年400人、1クラス40人の10クラス編成。
1組と2組がスポーツ特待クラスで9組と10組が進学特待クラスだったはず。
なので3組は普通科クラスって事だ。
まぁ入試の時はチートも何も無かったし、普通科なのは織り込み済みだ。
「見知った名前も何人かいるし、暇はしなさそうやなぁ」
(ただ、面倒なやつの名前もあるが──まぁ問題ないだろう。それよりも…)
「新しい学校、新しいクラス、そして新しい出逢い──あぁ、クラスメイトとの顔合わせが楽しみだなぁ!」
「…何言ってんの、ヒロト以外は皆今日顔合わせ済みなのよ?あんたちゃんと皆の輪の中に入れるの??」
「へへっ」
「何よその自信満々の表情は…。どこからそんな自信が出てくるんだか」
「サクラさん、ヒロトならきっと大丈夫だ。なんたってヒロトは私達の自慢の息子なんだから──」
「ハルヒコさん──」
「サクラさん──」
「はいはい、真昼間のこんな場所で隙あらばイチャコラしようとしない!次行くよ次!」
仲がいいのはいい事だが絵面の犯罪臭が過ぎるんよ。
傍から見たら幼女とムキムキ渋メンだからなぁ、やるなとは言わないから時と場所は考えて欲しいもんだ。
名残惜しそうな背景お花畑の二人を引っ張って、俺は次なる目的地──取り敢えず自分のクラスへと向かうのだった。
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