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01-7 アレフ (人間 35歳 冒険者)



 大型ダンプほどもありそうな巨大なドラゴンが、真上から私を覗きこんでいた。

 

 鋭そうなかぎ爪でジャングルの細い木を数本まとめてがっちりと掴み、

 漆黒の翼を空き地の上全体に広げて、

 太い首を私たちの方にねじっている。


 首の先には、大人一人分はありそうな大きな頭があって、

 ギラギラと光る金色の目が、立ちすくむ私を凝視している。




…逃げる? 無理 リオン? これ? 襲う? 安全? 死ぬ? 食べる? ……



…………



……






「えー、サツキ、いいか? これが『リオン』だ。こう見えて仲間には大人しいし、サツキは俺が連れて来てるから襲われないぞ」


 横からアレフの間延びした声が聞こえてくるまで、

 私は最初にリオンを見た体勢のまま固まり続けていた。





「さて、これで全部積めたかな」


 アレフは、奇跡の水が詰まった革袋や、寝袋に着がえなどの荷物を全部リオンの背に載せて、ぽん、ぽんと軽く叩いた。


 それが合図だったのか、リオンはむっくりと身を起こして身震いをした。


 ゆっくりと羽ばたきながら、右に、左にと体を傾けるリオン。


 後ろ足で直立したり、反対に上体を沈めて逆立ちするようにお尻を上げたり、まるで曲芸のようだ。


 アレフはリオンの背中で荷物の固定が緩まないことを確認している。




いくら大人しいっていっても、こう大きいと怖いよね……


そんなことを考えながらリオンをじっと見あげていると、アレフがぴょんと飛び降りて来て言った。



「おい」


「なに?」


「リオンは、メスだからな」


耳を疑った。この男はバカなのか。

いくらなんでもこの巨体相手に欲情するほど飢えてない。


それをそのまま伝えると、アレフは、怪訝そうに首を傾げた。



「お前さ」


「なに」


「サイズが合えばヤる気?」


「そりゃ、合うならヤるけど」


「…………………マジか」



あ、引かれた。


アレフは、信じられないものでも見るような目で私を見ている。



「……リオンに手出すなよ」


「女の子には触らないわよ!」



 そう言いながら、そう言う自分に違和感を覚えた。


 そういえば、私、前世で女の子と何度か絡んでいたような……。



 ま、いっか。





「じゃ、行くぞ」


 アレフがそう言ってからわずか5分後。




「リオォォォォォォォーンッ!!!!」



私は、ひたすら落ちていた。






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