01-4 アレフ (人間 35歳 冒険者)
■01-3は気になる『お食事』シーンですが、過激すぎるためノクターンノベルのみでの公開とさせていただきます■
あー。美味しい…♡
熱い液体がお腹に溜まっていく。
そうだ。
私は、これが大好きだったんだ……
深い満足感と共に、私はここに生まれる前の自分のことを思い出していた。
「ねえ」
「おーい。ちょっとお兄さん、生きてます?」
どこかで聞いたようなセリフ。…ああ、さっき私が言われてたやつだ。
「ねえ、ちょっと。大丈夫?」
私が『食事』を済ませたあとすぐ、男は死んだように眠り込んだ。本当に殺してしまったのかと焦ったほどだ。
とりあえず奇跡の泉から水を汲んで飲ませ、裸は恥ずかしいので男の荷物の中から着替えらしきシャツを探し出したりしながらしばらく様子を見ていると、男はゆっくりと目を開けた。
「大丈夫?」
「いや、だめだ」
そうは言うが、口調もしっかりしていて、眼はちゃんと開いている。ひとまず大丈夫そうだ。
「俺、生きてんだな」
真面目な顔でそんなことを言うものだから、笑ってしまった。
「生きてるよ。殺したりしません」
「でもお前、さっき生きてるかどうか聞いたじゃねえか」
「それは、あまりに動かなかったから。っていうか、意識、あったんですね」
「意識は、あったりなかったりだな。半分寝ながら、余韻に浸ってたってとこだ」
男はそう言いながら起き上がろうとして、うめき声をあげながらごろりと転がった。
「すまん、泉の水を持ってきてくれ」
「はい」
水を汲んで戻ってみると、男は、辛そうに項垂れながらもなんとか起き上がっていた。
「助かるよ」
そう言いながら水を飲む男の横に正座して、私は深く頭を下げた。
「すみませんでした」
「何、急に?」
「いきなり襲いかかってしまって。びっくりしましたよね?」
男は深く頷いた。
「そりゃびっくりしたよ! 襲われたのはともかくよ、あんなやり方されたの初めてだったからよ」
あんな、とは随分な言われようだ。でも、そう言われても仕方ないやり方だったと思う。
「すみません…お腹がペコペコだったので」
「それだ」
男はポンと手を打って私を見た。
「お前、アレだろ」
「アレ?」
「サキュバス族」
「……なるほど」
言われてみるまで気付かなかったが、先程までの空腹感、男と交わって空腹感が消えること。
これは立派なサキュバスだ。
「風俗のお仕事が好きすぎると、サキュバスになっちゃうのね」
ある意味納得の結果だった。




