01-1 アレフ (人間 35歳 冒険者)
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…………
……お腹が空いた。
私は、ゆっくりと目を開けた。
まず見えたのは、地面。
黒光りするなめらかな岩肌が、倒れている私の身体の下に広がっていた。その地面は柔らかな光で照らされていて、その範囲はわずか1mほど。光の届く範囲を超えると、真っ暗で何も見えなくなる。
光の発生源を見ようとして、そこで初めて身体が動かないことに気付いた。
右側に頭を向けて、うつ伏せに倒れている状態なのだが、頭を左に向けることはおろか、指先すらも動かせない。
全身が、ひどく怠い。この怠さのせいで、動けないのだろうか。私は、体を動かそうとすることをやめ、無理をせず体力回復に努めることにした。
ここは、どこだろう?
ぼんやりとした頭で考えたが、答えが出ない。記憶のどこにもない場所のようだ。
どうして、こんなところに?
私は、自分が地面に転がっている理由を探そうとして……
自分のことが何ひとつ分からないことに気がついた。
「私、だれ?」
動かない舌で呟いた。他人には聞き取れないであろうただの音になってしまったが、言葉にしてみると、なかなか深刻な状況に陥っていることが身に染みる。
ハードな状況を確認したあと、再度体を動かしてみた。すると、さっきはピクリともしなかった左手の指先が、わずかに上下するではないか。
これはいける! と思って右手も試してみたが、こちらはまだ動かない。左右で何が違うのか、と集中して感覚を探ってみたら、体の左側だけほんのり暖かい。
どうやら、左側から当たっている柔らかな光が、何かの作用をしているようだ。
弱い回復フィールドみたいなものかしら?
私はそう思ってほっとした。時間が経てば、どうにかなりそうだ。
安心すると急に眠気がやってきた。
起きたら動けるようになっていることを祈りながら、眠りに落ちた……




