would + 現在完了形
少し前になりますが、私は以前、久矢君に助動詞should, chould, might, must + 現在完了形の文法について解説をしました。
(mustはタイトルに表記がありませんが、どこかの回にシークレットトラックのような形で書いてあります。)
その時、私はwould + 現在完了形も作っていましたが、作品として発表するには物足りない状態だったため、これだけ彼に発表することができませんでした。
しかしその後、他の生徒さんにも助動詞 + 現在完了形を教えることになったため、私はwould + 現在完了形を加筆し、レッスンで発表できる形にしました。
今回はその原稿をここに掲載します。
1)would + 現在完了形
これは過去にやらなかったことについて、事実に反する状況だったならば「~しただろう。」と言う時に使います。
過去に解説したcouldやmightの場合は、事実が違っていたならば(又はとしても)「~できただろう」、「~したかもしれない」という意味になり、mustの場合は「~したに違いない」と言う意味になります。
一方、wouldの場合はかなりの(または100%に近い)確率でやっていたと言うことになり、mustに近い表現になります。
例文
・I would've gone outside if it weren't raining.
(もし雨が降っていなければ外出しただろう。)
・He would have made a big mistake without my advice.
(私のアドバイスがなかったら、彼は大きな間違いを犯していただろう。)
・I would have given up.
(私だったら諦めただろう。)
(※この文章はgiven upの後にif I were youが省略されています。If I were + 人の文章は、言わなくても明らかな場合は省略されることが多いです。)
2)would rather + 現在完了形
これは過去にやったことに対して、「むしろ~したかった。」と言う時に使います。
つまり、他にもっとやりたいことがあったと言っていることになります。
例文
・We had hamburgers last night, but I'd rather have had sukiyaki.
(昨夜はハンバーガーを食べましたが、私はむしろすき焼きを食べたかったです。)
・France is my favorite country. But I would rather have visited Italy at that time.
(フランスは私の好きな国です。でもあの時はむしろイタリアに行きたかったなあ。)
・I'd rather have traveled in this country alone.
(私はむしろ、ひとりでその国を旅行したかった。)
3)wouldn't + 現在完了形
これは過去にやったことについて、事実に反する状況だったならば「~しなかっただろう。」と言う時に使います。
他には過去に起きた出来事があまりにも意外で、驚きながら「~するような人ではない」、「~したはずがない」という形で否定する時に使います。
後者の意味としてはcouldn't + 現在完了形に近い形になります。
例文
・I wouldn't have gone outside if it were raining.
(もし雨が降っていれば外出しなかっただろう。)
・Zoe wouldn't have quit the job. She loved it.
(ゾーイはその仕事を辞めるような人ではない(やめたはずがない)。彼女はそれを気に入っていましたよ。)
・He wouldn't have eaten such a spicy food.
(彼はそのような辛い食べ物を食べるような人ではない(食べたはずがない)。)
4)would never + 現在完了形
これは過去にやったことについて、事実に反する状況だったならば「~決してしなかっただろう。」と言う時に使います。
上記の3)と使い方は似ていますが、こちらの方が強い言い方になります。
他には過去に起きた出来事があまりにも意外で、驚きながら「~なんて考えたこともなかった。」と言う時に使います。
なお、wouldとneverの順番を入れ替えて、never would + 現在完了形の形で使うこともできます。
例文
・She would never have studied English without me.
(彼女は私がいなかったら決して英語を勉強しなかっただろう。)
・I'd never have thought integral was so difficult.
(積分がこんなに難しいなんて考えたこともなかった。)
・I never would have expected the temperature reached 40 degrees celcius.
(気温が40℃に達するなんて考えたこともなかった。)
この原稿は生徒さんの前で発表した後、久矢君にも見せることにしました。
(※ただしレッスンではなく、プライベートな時間だったので、レッスン料は取りませんでした。)
「へえ、助動詞としてwouldも使えるのか。知らなかったよ。」
「本当ならこれは助動詞 + 現在完了形をやっている時に教えるべきだったんだけれど、その時は1)と3)しかできていなくて、これでは短すぎると思ったから未発表のままだったのよ。」
「それでその後、2)と4)を加えて完成したってこと?」
「そういうこと。作品としてはそんなに長くはないけれど、時間は相当かかってしまったから、私としてはしんどかったけれどね。」
「ご苦労様。わざわざ教えてくれてありがとうな。」
「どういたしまして。」
というわけで、今回はwould + 現在完了形について解説をしました。
これで助動詞 + 現在完了形の形で使う助動詞はすべて揃いました。
学校での授業ではなかなか習わないですが、現実に反する過去の表現は「~すべきだった。」、「~すれば良かった。」、「~しただろう。」というような形で日本語でもよく使いますので、きっと英語でも使う機会は多いと思いますよ。
それでは今日は以上です。読者の皆さん、See you.