Takeを使った表現
私は前回、久矢君とのレッスンで発表する、runを使った表現について資料を作りました。
ただ、runは意味こそ多いですが、実際の会話で多く使いそうな表現に絞ってまとめたところ、思ったよりも短くなってしまったため、1レッスンでやるには物足りないと思うようになりました。
そこで私は色々な意味を持つ単語をもう1語加えることにし、いくつか単語を調べました。
結果、takeが作品として発表できるだけのアイデアが集まったため、この単語を使った表現についてまとめました。
今回は久矢君とのレッスンの前に、皆さんにその原稿をお見せします。
ぜひ参考にしてくださいね。
1)持っていく
動詞のtakeの後に物が来ると、「持っていく」という意味になります。
英語で「持ってくる」という意味の単語はbringですが、ちょうどそれとは逆の行為になります。
私も結構この意味で使うことが多い表現です。
例文
・Why don't you take this guide book?
(このガイドブックを持っていったらどう?)
・Someone must've taken my notebook.
(誰か私のノートを持っていったに違いない。)
・Could you take this product to my house?
(この商品を私の家まで運んでもらえますか?)
(※この場合、相手の人に商品を持って家まで移動してもらうのをお願いしていることになります。もし相手が移動せずに商品だけを家まで送付する場合はsendを使います。)
2)(人を)連れていく
動詞のtakeの後に人が来ると、「連れていく」という意味になります。
この場合は、主語の人(主語がIなら言いだした人)も一緒に移動することになります。
なお、この場合に動詞のsendを使うと、主語の人は移動せずに相手の人を送り込むことになりますので、「相手を否応なしに移動させる」または「権力者が相手の人を異なる場所に送り込む」といったような意味になってしまいます。
例文
・I'll take you to the hospital.
(病院まで連れていってあげるよ。)
(※ここでsendを使うと、「自分は移動せずに第三者に命令して連れていく。」といったような、上から目線の言い方になってしまいます。注意してくださいね。)
・This train will take you to Nagoya station.
(この列車に乗れば名古屋駅に行けます。)
3)受ける/受け入れる/受け取る
後ろに物が来ると「(何かを)受ける/受け入れる/受け取る」という意味にもなります。
例文
・Hisaya-kun is going to take three lessons on this Saturday.
(久矢君は今週土曜日に3レッスンを受けます。)
・Which would you take? Physics or biology?
(あなたはどちらを受けますか?物理それとも生物学?)
・Could you take the responsibility?
(あなたは責任が取れますか(責任を受け入れられますか)?)
・She didn't take the check? Why?
(彼女はその小切手を受け取らなかったのですか?何で?)
4)take + 人/物 + out
動詞のtakeの後に人や物を伴って、さらにその後にoutが来ると「人を外に連れ出す」、「物を取り出す」という意味になります。
例文
・I took him out for karaoke.
(私は彼をカラオケに連れ出しました。)
・He took the snack out.
・He took out the snack.
(彼はスナックを取り出した。)
(「彼は箱からスナックを取り出した。」と言う場合なら、He took the snack out of the box.となります。)
5)形容詞のtakeout
形容詞のtakeoutは「レストランなどですでに調理されたものを買って、他の場所で食べる」という意味になります。
この表現は文章などで使う場合は日本語の「テイクアウト」と同じ意味で使えますが、店員さんが「店内で食べますか?お持ち帰りですか?」と言う場合はFor here or to go?というような使い方をします。
例文
・Do you think that takeout dish is delicious?
(あの持ち帰り料理はおいしいと思いますか?)
・Are there any takeout stores near here?
(この辺りに持ち帰り料理店はありますか?)
A : For here or to go?
(店内で食べますか?持ち帰りますか?)
B: To go, please.
(持ち帰りでお願いします。)
6)(乗り物などに)乗る
動詞のtakeの後に乗り物が続くと、「~に乗る」という意味になります。
なお、ここでの乗り物は中に乗り込んでいくもの(バス、タクシー、電車など)になり、上にまたがって乗るものではありませんので、ご注意ください。(馬や自転車など、上にまたがる場合はrideを使います。)
例文
・I guess she won't take taxies. It costs too much for her.
(彼女はタクシーには乗らないと思います。彼女にとって料金が高すぎます。)
・He always take the bus to work at the company.
(彼はこの会社で働くために、いつもそのバスに乗ります。)
7)その他の意味のtake
辞書でtakeという単語をひくと、上記の他に色々な意味があります。
主なものを挙げると、次のような表現があります。
・買い物などでほしいものを選ぶ場合
I'll take it.
(私はこれを持っていきます。→ 私はこれを買います。)
(※買い物で、「これを買います。」と言う時は、この表現をよく使います。)
・(時間などを)必要とする
Takeの後ろに時間を表す単語が続くと、「(時間を)かかる、必要とする」という意味になります。
I took six months to get the license to work as an English teacher.
(英語の先生として働くための免許を取得するのに半年かかりました。)
・(薬を)飲む
薬を飲む場合は、drinkやswallowではなく、このtakeを使います。
Please take these tablets twice a day.
(1日2回、これらの錠剤を飲んでください。)
・take over
この場合は「引き継ぐ」という意味になります。
She is going to take over my position.
(彼女が私の立場を引き継ぎます。)
・take off
これはかなり知名度の高い表現ですが、「(飛行機などが)離陸する」という意味になります。
また、そこから比ゆ的に「物事がうまくいく」という意味にもなります。
この場合は主に物事の出だしで使われることが多いようです。
The project didn't take off well.
(そのプロジェクトは(出だしで)つまずいてしまった。)
久矢君とのレッスンでは、runとtakeを使った表現の資料を見せましたが、それでも少し時間が余ったため、私はwishを使った表現の復習もしました。
レッスン後、私はこれらの資料について彼に質問することにしました。
「久矢君、どう?内容には満足できた?」
「うん、Not badだったよ。本当にrunとtakeってたくさんの意味があるんだね。この2つの資料作るの、大変だったでしょう?」
「確かにそうね。このレッスンで久矢君が払う料金をかかった時間で割ると、法律で定められた最低賃金よりも少なくなってしまうわね。」
(※少なくとも合計で6時間はかかりました。)
「ええっ?僕のためにそこまで時間かけて頑張っていたの?」
「まあね。でもこれから他の人のレッスンでも使いたいと思っているから、何回かやれば元は取れるでしょうけれど。」
「じゃあ、そこまで頑張ってくれたお礼として、今日、どこかおいしいものでも食べに行く?」
「ええっ?いいの?」
「もちろんいいよ。ただし、サキの分は自分で払うっていうことで。」
「女の子に支払わせる気なのっ(怒)?」
「ええっと、それは…(汗)。」
というわけで、この日は仕事が終わった後、久矢君と一緒に食事に出かけました。
支払いがどうなったのかは読者の想像にお任せしますが、食べたものはおいしかったです。
さて、takeには今回挙げたもの以外にも、色々な表現がありますが、これだけに絞ることにしました。
結構意味が多いので大変かもしれませんが、あせらずに覚えていってくださいね。
それでは今回は以上です。読者の皆さん、See you.