英語のことわざ(1)
私はレッスンをする時、時々英語のことわざを言うことがあります。
もちろん、弥富さんとレッスンをした時にも言ったことがあります。
私が彼女に最初に使ったものはTime is money.(時は金なり)でした。
これは日本人にもおなじみのことわざなので、彼女も理解できました。
後日、私は別の機会にStrike while the iron is hot.と言いました。
すると弥富さんは首をかしげながら
「アイロンが熱い時に、ストライク?」
と言ってきました。
(※彼女はアイロンを家電製品のアイロン、ストライクをボーリングか野球のストライクと解釈してしまいました。)
その時、私はこのことわざの意味をじっくりと説明したかったのですが、残り時間の都合もあったので、strikeは「打つ、打ち付ける」、ironは「鉄」という意味だと簡潔に説明しました。
その結果、“I see. It's something like「鉄は熱いうちに打て。」in Japanese, right?”と言ってきたため、理解してもらえたことが分かりました。
上記の2つは英語と日本語の両方で認識されていることわざなので、生徒さんには使いやすいです。
ただ、弥富さんにとってことわざは難しいようで、度々会話がストップしてしまうことがありました。
でも向上心が旺盛な彼女は次第にことわざに興味を持ったようで、ある日、次のようなメールが届きました。
咲先生、私はこの度、英語のことわざについて、インターネットで調べてまとめました。
これらの表現をこれからマスターし、先生との会話でも使いたいと思っています。
・Time is money.(時は金なり)
・Strike while the iron is hot.(鉄は熱いうちに打て)
・Time flies like an arrow.(光陰矢のごとし)
(※以下、英語のことわざとその訳が続きます。)
これらのことわざについて何か追記したいことがあったらよろしくお願いします。
それでは今回は以上です。先生、See you.
私としては彼女の英語に対する意欲を感じることができ、とてもうれしかったです。
とはいえ、ことわざの羅列では物足りない気がしたので、私はよく使いそうなものを選び、さらにはちょっとした解説を加えた上で、彼女に返信することにしました。
今回は、その原稿をここに掲載します。
・Make hay while the sun shines.
直訳すると「太陽が輝いている間に干し草を作れ」になります。
家畜のえさになる干し草を作るためには、草を刈り、乾燥させなければなりません。
でも途中で夜になったり、雨が降り出してしまったら干し草は作れませんので、太陽が顔を出している間に作業をしておかなければなりません。
つまり、物事はチャンスを逃してはならない。やれる時にやっておかなければならない。という意味になります。
このことわざは上記のTime is money.やStrike while the iron is hot.と同じような場面で使えます。
ただ、生徒さんには意味を説明しないと通じにくいため、あまり使ったことはないですけれどね。
・Time flies like an arrow.
弥富さんも書いていましたが、日本語に訳すと「光陰矢のごとし」になります。
時間が経過するスピードの速さは、日本でも英語圏でも共通した認識と言えます。
ですから、やりたいことがあるのであれば、早めにやっておくべきだと言いたい時に、私はこのことわざを使います。
なお、動詞がflyなのでちょっと意外な感じがしますが、英英辞典ではこの場合“to pass quickly”(早く過ぎる)という意味になるので、これで納得していただけるのではないかと思います。
それから「時が過ぎる」という意味の英語には“Time goes by.”という表現もあります。
このgo byは英英辞典では“to pass”と書いてあるので、flyよりは弱い意味になります。
・All work and no play makes Jack a dull boy.
日本語に訳すと「働いてばかりで遊ばないとジャックはだめな男の子になる。」になります。
意味としては「いつも頑張ってばかりでないで、遊ぶ時(息抜き)も大事。」といった感じになります。
私としてはTake it easy.(気楽に行きましょう。)のような意味で使っています。
上記のことわざとはある意味相反する感じになりますが、日本語でも「二度あることは三度ある」、「三度目の正直」のように、相反することわざがあります。
ですから、片一方に固執せず、状況に応じて使いこなせると良さそうですね。
ちなみにこのことわざに出てくるJackは、あまり深い意味はないようで、とりあえずみたいな感じで使われています。
日本語で何でもいいからとにかく人の名前を使う場合に「太郎」、「花子」と言うようなものと考えておけば納得できるのではないかと思います。
・A friend in need is a friend indeed.
日本語に訳すと「本当に必要な時の友が真の友」になります。
普段、何でもないような時では友達であっても、いざという時に頼りにならなければ、本当に友達とは言えません。
私は困っている友人に手を差し伸べられる人になってほしいと言いたい時に、この表現を使ったことがあります。
・It is no use crying over spilt milk.
直訳すると「こぼれたミルクを嘆いても無駄だ。」になります。
日本語のことわざにそって訳すと「覆水盆に返らず」となります。
これは学校の英語でも学ぶ表現なので、結構多くの人が知っています。
ですから生徒さんが使ってくることもありますし、私も「やってしまったことは仕方がない。」というような意味で生徒さんに言ったこともあります。
・Where there's a will, there's a way.
すでに「励ましの表現(2)」の回で登場していますが、日本語に訳すと「こころざしのあるところに道はある。」になります。
日本語ではぴったり当てはまる表現がないため、知らない人が多いのが難点です。
でも私の大のお気に入り表現ですし、人を励ましたりやる気を起こさせるのに適しているので、よく使っています。
私が追記をしたものは他にもありますが、長くなったため、残りは次回にまわすことにします。
これらのことわざが弥富さんや皆さんの役に立つとうれしいです。
それでは今回は以上です。読者の皆さん、See you.




