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英語で「頑張って」

ある日の夜、私は講師としての仕事を終えると、それまでOFFにしていた自分のスマホの電源を入れ、メールをチェックすることにしました。

すると、弥富さんからメールが届いていました。

私は早速そのメールを開いて読んでみました。

そこには次のような内容が書かれていました。



咲先生、こんにちは。調子はいかがですか?

今日は、相手に「頑張って。」と言う時に、それを英語で何と言うのかを教えていただきたくて、メールをしました。

私は過去にこの意味で相手に“Fight.”と言ったことがあるのですが、全然意味が通じなかったようでした。

日本語の「ファイト」は英語では通じないのでしょうか?

もしそうだとすれば、この時、何と言えば良かったのでしょうか?

どうか教えてください。



私はこのメールを読んだ後、帰りの途中で、どのような内容で返信をするか考えました。

そして自分の部屋にたどり着くと、パソコンの電源を入れ、次のような文章を打ち込んで返信しました。



こんにちは、弥富さん。この度は私に質問をしていただき、ありがとうございます。

英語のfightは私の持っている英英辞典では

“to use physical strength, guns, weapons and so on against somebody or something”

(敵対する人や物に対して、体力や銃、武器などを使用すること)

“to argue”

(議論する)

“to try very hard to stop or prevent something”

(何かを止めたり、防いだりするために必死に取り組むこと)

※3つ目の例は後ろに前置詞againstを伴って、火事や犯罪などで使います。

と書いてあります。

つまり、英語で“Fight.”と言うと、

「格闘技や戦争などの争いごとで、身体や武器を駆使して戦え。」

という意味になってしまうので、言われた人は日本語の「頑張れ。」という意味にはまず解釈してくれないでしょう。

代わりの言い方はこの後色々と調べた上で、またメールします。しばらくお待ちください。



この日は仕事でちょっと遅くなってしまったので、調べる余裕まではありませんでした。

翌日、私は仕事をしながら資料を調べ、さらには自分の体験談を思い出しながらどのような返事を出そうか考えました。

そして仕事を終えて部屋に戻ると、早速次のような文章を打ち込んで弥富さんに送信することにしました。



こんにちは、弥富さん。この度日本語の「頑張って。」を英語で何と言うのかをまとめましたので、参考にしてください。


1)Go for it.

何かの目標に向かって努力する人に向かって、「頑張ってね。」と言いたい時に使える表現です。

今回挙げた表現の中では、最も多くの場面で使えると思いますよ。

例文

A: “I'm going to take a TOEIC test next week.”

(来週TOEICのテストを受けます。)

B: “Go for it.”

(頑張ってね。)


2)Do your best.とGood luck.

これから試験やスポーツの試合などを控えた人に向かって使える表現で、意味合いとしてはGo for it.と似ていると思います。

例文

A: “I'm going to take an audition tomorrow.”

(明日オーディションを受けます。)

B: “Good luck.”

(頑張ってね。)


3)Take it easy.

直訳すると「気楽に行こう。」ですが、これも日本語の「頑張って。」に近い意味で使えます。

仕事を頑張っている相手に、気楽な気持ちで後押しをしたい場合に有効です。

イライラしていたり、緊張している相手を落ち着かせたい時にも使えますよ。

例文

A: “I have to work one more hour.”

(私はもう1時間仕事をしなければなりません。)

B: “Oh, take it easy.”

(そう、(無理しない程度に)頑張ってね。)


4)Come on.

応援している人やチームに声援を送る時に使えます。

“Come on, Yankees!”

(ヤンキース頑張って!)

というような形で使います。


5)Way to go.

相手がいい調子の時に「いいぞ、頑張れ。」「その調子よ。」という感じで言う時に使えます。

相手がすでにいい結果を出した後に使うと、「よくやった。」というように、相手をねぎらうほめ言葉になります。


6)Hang in there.

こちらはWay to go.とは対照的に、相手が逆境の中で苦労していたり、落ち込んでいる時に「まあ、頑張ってね。」というような意味で使えます。

また、真剣勝負の場面や大変な場面に遭遇している人、ケガをした人、病気の人を励ます時にも使えます。

その意味合い上、あまり明るい口調で言うことはないと思います。

競馬の場合、最後の直線で騎手が馬に「頑張って!」と言いたい時は、これがピッタリでしょうね。

“You hang in there.”や“Just hang in there.”とも言いますよ。

例文

A: “I can't do it any more.”

(もうこれ以上は無理です。)

B: “Hang in there! I'm sure you can do it!”

(頑張って!あなたならきっとできるから!)



私としてはこれだけ知っていれば十分だと思います。

Go for it, Yatomi san.



内容は以上ですが、これだけ入力するのにかなり時間がかかってしまい、この日はちょっと夜更かししてしまいました。

そのため、翌日、ちょっと眠い目をこすりながら仕事をするハメになってしまいました。

でもその後、弥富さんから返事が来まして、「本当に色々教えていただき、ありがとうございました。すぐには使いこなせないかもしれませんが、一つ一つ覚えていきます。咲先生も、Go for it.」という喜びのメッセージを目にすることができました。

これを見て、夜更かししてでも頑張った甲斐があったと思い、とても救われた気分になりました。

弥富さん、本当にありがとう。


というわけで、今回は「頑張って。」を英語で何と言うのかについてまとめてみました。

それではみなさん、Take it easy.

See you.


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