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強調表現(1)

ある日、私が教室にあるパソコンでレッスンに向けた資料を作成していると、久矢君がやってきました。

「あっ、サキ。ちょっと今、時間いいかな?」

彼は私を見るなり、Good timing.と言いたげに私に声をかけてきました。

「いいけど、何?久矢君。」

「ちょっと質問したいことがあるんだけれど。」

「どういう質問?」

「あのさ、こないだ外国人の人と話す時に『私は3時の列車に絶対に乗らなければならない。』を英語で言おうとしたんだけれど、この『絶対に』が言えなかったんだ。それで、これを英語で何て言うのか教えてもらおうと思ったんだけれど…。」

「なるほどね。私なら強調のdoを付けるか、definitelyを付け加えて、I do have to catch the train at three. またはI definitely have to catch the train at three. と言うわね。」

「あっ、そうか。確かにこの場合、強調のdoという表現があったね。」

「そうよ。でも私の経験ではこのように文章の意味を強める表現を使う人があまりいなかったから、色々教えた方がいいのかなと思っているんだけれどね。」

「えっ!?強調の表現って、他にもあるの?」

「たくさんあるわよ。久矢君は他に何が思い浮かぶ?」

「ええっと…。」

彼は1分間考え続けましたが、結局soしか思い浮かびませんでした。

(例:I'm hungry.よりも、I'm so hungry.と言った方が強い意味で相手に伝えることができます。)

(※他にveryやreallyなどがあります。)

そこで私は1レッスン分の時間を使って色々な表現を教えてみることを提案してみました。

「あっ、いいね、それ。ぜひそういうレッスンをやってみたい。」

「じゃあ、そのレッスンの予約、いつにする?」

「ちょうど1週間後のこの時間はどうかな?」

「ええっと…(パソコンでスケジュール表をチェック中)。来週だったらこの時間は別の人が入っているわね。でも11時からなら大丈夫だけれど、どう?」

「その時間でいいよ。じゃあ来週、よろしく。」


というわけで、私は久矢君の依頼を受けて、色々な強調表現についてまとめることになりました。

今回はその資料をここに掲載します。



1)ever

否定を表す単語notの後にeverをつけると、否定の意味をさらに強くすることができます。

このnotとeverを合わせてできた単語がneverなので、私達はこの形でよく使っています。

通常の否定文を言った後、最後にeverをつけることもできます。


例文

・He won't come back here again, ever.

(彼はもうここには戻っては来ないでしょう。絶対に。)


・Please do not go to the country, ever.

(その国には行かないでください。絶対に。)


なお、相手からHave you ever ~?という形で質問を受けて、それにNoで答える場合はeverを使いません。

この場合はNo, I haven’t.という形で答えるのが一般的です。

(Noを強調した形で答えたい場合は、No, never.という言い方があります。)



2)even

否定を表す単語notの後にevenをつけると「~でさえもない」というような意味になります。

この場合、続けざまに否定的な意味を述べたり、否定的な意味合いを強調することができます。


例文

A: Did you see any wild koalas in Australia?

(オーストラリアでは野生のコアラを見ましたか?)

B: No. I didn't see any koalas, not even kangaloos.

(いいえ。コアラは全く見かけませんでした。カンガルーでさえも見かけませんでした。)


・There was nothing left in the classroom, not even desks.

(教室には何も残っていませんでした。机さえもありませんでした。)



3)far

比較級や最上級の文章の中で、形容詞(副詞)の前にfarをつけると「はるかに~だ」という意味になります。

形容詞の前にmore, mostを使う場合は、そのmoreの前にfarをつけます。

なお、far1語だけでなく、by farでもOKです。


例文

・Diamond is far more precious than carbon.

(ダイアモンドは炭よりもはるかに高価だ。)


・Shinkansens are far faster than Tokaido line trains.

(新幹線は東海道線の列車よりもはるかに速いです。)


・She is by far the best English teacher in this English conversation school.

(彼女はこの英会話学校で断然に1番いい先生です。)


参考までに言いますと、(by)farの代わりにa bitやa littleを使うと、「少し~だ。」という意味になり、やんわりと比較をすることができます。


例文

・Semi express trains are a bit faster than local ones.

(準急列車は各駅停車よりも少し速いです。)



4)No way.

映画などで、このNo way.というセリフを聞くことが度々あります。

これはNoをさらに強くした言い方で、通常よりも強めに否定をすることができます。

もし相手を誘って、No way.と言われた場合は、それ以上深追いをせずに、いさぎよく引き下がった方がいいでしょう。

こちらが言う場合でも、乱用すると相手に嫌な思いをさせることになりますので、その点は注意が必要です。

この表現は本当に驚いた場合や、「うっそお!?」と言うように、大げさなリアクションで驚く場合にも使えます。


例文

A: Could I have your autograph?

(あなたのサインをもらえますか?)

B: No way.

(とんでもない。)



5)absolutely

先程のNo way.がNoを強調する表現なのに対し、このabsolutelyはYesを強調する表現として使うことができます。

質問に答える場合には、Yes, absolutely.と言うこともできますし、Absolutely.1語で言うこともできます。


例文

A: Would you like to visit Australia?

(あなたはオーストラリアに行ってみたいですか?)

B: Absolutely.

(もちろんです。)



強調の表現に関しては、通常の文章に1語付け加える以外にも、形容詞そのものを大げさな意味の単語に変えるという方法もあります。

しかしそこまで書いたら1話分では収まりきらなくなったため、それは次回にまわすことにします。

久矢君には、レッスン時に2話分をまとめて披露してみようと思っています。

それでは今回は以上です。読者の皆さん、See you.


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