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会話で気を付けてほしいこと(1)

以前、私の父、アーロンと母、桜が日本に来た時、彼らは事前に作っておいた作品を私に渡してくれました。

私は部屋に帰ってからそれらを一通り読み、少しアレンジを加えた上で教室に掲示することにしました。

今回はその中から、「会話で気を付けてほしいこと」というタイトルの作品をここで発表することにしました。

これは父が書いたものと、母が書いたものに分かれていたため、今回はまず父の作品を載せることにします。


なお、今回と次回は久矢君と弥富さんが登場しませんので、あらかじめご了承ください。



・食べ物について

僕、アーロンが日本で英会話の先生をしていた時に経験した事ですが、日本人と会話をしている時、

“Can you eat sushi?”

“Can you eat tempura?”

という質問を受けることがありました。

最初、僕はこれを聞いて驚き、ちょっと不快な気分になりました。

後で、当時友人だった寿ことぶきさくらという女性にこれについて相談しました。

彼女が言うには、学校ではこういう時にCanを用いて質問をするように教えられているので、このように言っただけで、別に悪気があるわけではないということを知りました。

しかしこの言い方は丁寧な言い方ではありませんし、場合によっては、こちらの答がNoであることを期待しているような言い方をされたこともありました。

さらに僕の友人の体験では、ここでNoと答えると、相手は変な優越感を持ったり、「何だ。お寿司(または天ぷら)嫌いなんだ。」と吐き捨てるように言われたこともあったそうです。

ですから、次に同じような質問を受けた時、たとえNoであってもYesと答えざるを得ないという経験があったそうです。


この質問の場合、大抵YesかNoで答えるのは当然ですが、仮に答がNoの場合、そこにはそれなりの理由があることも分かってほしいです。

僕の友人が言うには、宗教的な理由があるから、アレルギーがあるから、カロリー制限があるから食べられないという理由を挙げてきました。

また、“Can you eat sushi?”のようにCan youで始まる質問は相手、特に会って間もない人にとってあまりいいものではありません。

この場合は“Do you like sushi?”と質問をしてみてはどうかと思います。

これなら相手も不快感を覚えることはないでしょう。

もし答がNoの場合、今度は“What kind of food do you like?”と言ってみてはどうでしょうか?

そしてもし食べられない理由を聞く場合にも、“Why can't you eat sushi?”と言うのではなく “Do you have any reasons?”や“What makes you dislike it?”のように、whyの使用を避ける、さらにはyouではなくwhatを主語にするという配慮ができるようになっていただければと思います。


国籍の違う人と話をする時、自国民と同様に話すことはちょっと難しいかもしれません。

でもあまり劣等感や優越感を持ったりせずに、なるべく自国民と同じような感覚で話をすることができるようになってくれるとうれしいです。



・箸について

これは僕が日本に来て間もない頃、桜と一緒に食事に行った時のことです。

僕が箸を使いながら食事をしていると、彼女は驚いたような表情で

“Wow! You can use chopsticks very well!”

(うわあ、あなたは箸を上手に使えるんですね!)

と言いました。

僕は彼女が何故驚いたのか、理由が分かりませんでした。

後で、僕がアメリカ人であるにも関わらず、箸の使い方が上手だということに驚いたということを知りました。

どうやら、英語圏の人は箸を使えないという先入観を持っていたようです。

そこで僕は桜に

“How do you feel if someone says “Wow! You can use forks and knives very well!” ?”

(もし相手が「うわあ、あなたはフォークとナイフを上手に使えるんですね。」と言ったら、どう感じますか?)

という質問をしました。

彼女はそれを聞いて“I see what you mean.”(なるほど、分かりました。)と言い、納得してくれました。


僕としては「外国人なのに~できる。」というのは、タブーではないけれど、言われてもあまりうれしくないと感じることもありました。

こういう場合は「外国人なのに」という発想を用いずに会話できればと思います。

ですから、言う前に自分が海外で逆の立場で「あなたは外国人(日本人)なのに~できる。」という質問を受けたら、どのように思うかちょっと考えてみてはと思っています。

仮にもし失敗をしたとしても、次回から気を付けてくれれば、僕としては十分です。



最初のCan youで質問しているところは、「助動詞の落とし穴」や「someとany」ですでに説明しているので、内容がかぶってしまいました。

でも、これは何度も復習しておいた方がいい表現だと思ったので、このまま掲載することにしました。

また、私が生まれる前の父と母のエピソードについても書かれていたので、その点でも私はうれしくなりました。


次回は母が書いた作品を発表します。

それでは今回は以上です。読者のみなさん、See you.


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