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和製英語の例(2)

以前、弥富さんは私とレッスンをした時に和製英語について学びました。

それ以降、彼女はすっかりその虜になったようで、色々な単語を調べては作品にしたり、メールで質問をするようになりました。

弥富さんは私の返事をもとに自分の作品にさらに磨きをかけ、この度、自分で作品を作り上げることができました。

彼女の英語レベルはまだまだ発展途上で、英語での会話は毎回苦労しているそうですが、それでもこうやって作品を作り上げてしまう努力と根性はすごいものです。

今回は、彼女が一生懸命仕上げた和製英語に関する作品をここに掲載します。

皆さんもぜひその努力の結晶を感じ取ってくださいね。



1)マジック

日本語では紙に文字を書くペンのことを「マジック」ということが多いです。

私自身も、咲先生に送ったメールの中で使ってしまい、指摘を受けたことがあります。

このマジックという意味は、恐らく日本で開発された商品の名前に由来していると考えて間違いないと思うので、日本で生まれた表現であり、和製英語です。

英語では単にpen、またはmarker penと言ったり、先がフェルトでできたペンという意味でfelt penと言います。

英語のmagicの定義は、咲先生の持っている英英辞典では次のように書かれているそうです。

“a power that can make extraordinary or impossible things happen”

(並はずれた、または不可能な物事を起こすことのできる力)

“the art of performing tricks to entertain people”

(人々を喜ばせるためのトリックを演じる技能)

ですから、日本語では「魔法」や「マジックショーのマジック」と訳すことになります。


また、咲先生が教えてくれたのですが、magicを使った表現として

“What's the magic word?”

というものがあるそうです。

直訳すると「魔法の言葉は何ですか?」ですが、実際の会話では次のように使います。


A: Mom, green tea!

B: What's the magic word?

A: Please.

B: Alright.


日本語訳

A: ママ、お茶!

B: そういう時は何て言うの?

A: (お茶)ください。

B: よろしい。


つまり、相手がぞんざいな言い方でお願してきた時に、「そういう時は何て言うの?」→「Pleaseと言うんでしょ?」という意味で使います。

通常は親が子供に言うことが多いそうですが、大人であってもぞんざいな頼み方をすると言われてしまうかもしれません。

ある意味、大人が言われたら恥ずかしい表現だと思うので、できるだけ言われないようにしたいですね。



2)シルバー

この単語は、日本語では「金属の銀」という意味の他に、「お年寄り」という意味も含まれています。

これは国鉄(現JR)が列車に優先席を導入した時、その座席の色が銀灰色だった説や、お年寄りの白髪をイメージしたという説などをもとに日本で生まれた単語で、「お年寄り」を遠まわしに言う言い方として、よく使われています。

一方、英語では「銀、銀の、銀色の」という意味になっており、どこにもお年寄りの意味は含まれていないので、その意味で使った場合は和製英語になってしまいます。

(※なお「銀色の」という意味の場合は、実際に銀が含まれていなくても使うことができます。例として、銀紙を英訳するとsilver paperと言いますが、実際にはアルミニウムが使われています。)

英語でお年寄りと言いたい場合は、senior citizenとなります。

英英辞典による定義としては「65歳以上の人」となっています。

一般にお年寄りと言った場合は大勢の人をさすため、実際にはsenior citizensと複数形になることが多いです。

このseniorという単語は日本語でもカタカナ語として広く使われていますが、単独で使うと「高校や大学の最終学年(の人)」という意味になります。

つまり、後ろにcitizenをつけるか否かで意味がかなり変わってしまいますので、その点を注意してください。

さらに、列車などで見て、すでに知っている人も多いのではないかと思いますが、優先席を意味する「シルバーシート」は、英語ではpriority seatと言います。


また、上記の文章の中で白髪をsilverと解釈していますが、白髪を英語で言うと

“a gray hair”(1本の白髪)または“gray hair”(頭全体を見た場合の白髪)

となります。

(前者は可算名詞で、後者は不可算名詞です。なお、すべて白髪の場合にはwhite hairと言うこともあるようです。)

この点も注意が必要になりますので、ちょっと使うのが面倒ですが、頑張って覚えてくださいね。



3)ビニール袋

私(弥富伊予子)はペットボトルが和製英語だと知ってから、(じゃあ、ビニール袋のビニールは?)という疑問がわいてきました。

そして一生懸命調べた結果、正しい英語はplastic bagだということを知りました。

ビニールを英語表記するとvinylであり、「ヴァイヌル」と発音します。

また、vinylはビニル基CH2=CH(R)(Cは炭素、Hは水素、Rは水素以外の様々な物質。塩化ビニルの場合は塩素Cl)の構造を含んだプラスチックの意味になっており、polyvinyl chloride(ポリ塩化ビニル)などのプラスチックが該当します。

(↑なぜか高校化学の分野に触れてしまう私。)


例文

・This product is made of polyvinyl chloride.

(この製品はポリ塩化ビニルで作られています。)

・We don't say vinyl houses but green houses in English.

(英語ではビニールハウスではなく、グリーンハウス(温室)と言います。)



咲先生の助けを借りたとはいえ、これらを作品としてまとめるのはとても大変でした。

先生が言うには、自分でも大変な思いをしたでしょうと言っていました。

でもこの作品を読んだ先生はすごく喜んでくれました。

英語が満足に話せない身でもこれだけの作品が書けるんだと思うと、私もうれしくなり、ますます英語の勉強に熱が入りそうな気がしました。

これからも咲先生に喜んでもらえるように頑張ります。

それでは今日は以上とさせていただきます。咲先生、See you.


※今日は自分のコメントではなく、弥富さんのメールで締めることにしました。

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