might + 現在完了形
前回、私は久矢君とのレッスンで、助動詞could + 現在完了形の表現について教えました。
その時、本来であればmightについてもやろうと思っていたのですが、時間がなくてできませんでした。
レッスン終了後、久矢君は早速次のレッスンについて私に質問をしてきました。
「サキ、次にやることになった助動詞might + 現在完了形のレッスンっていつやることになるの?」
「そうねえ。今日ならこの時間(2レッスン先)が空いているから、久矢君さえ都合がつけば、ここに入れてもいいけれど。」
「本当?じゃあ、早速そこに予約するよ。」
「はあい、分かりました。じゃあ、早速入れておくわね。」
私はそれを聞くと、早速パソコンで自分のスケジュール表の該当欄にHiromichi Hisayaと入力しました。
その後、私は坂江さんとレッスン(内容はsomeとanyで、弥富さんの時のものを使いまわしました。)をした後、再び久矢君の相手をすることになりました。
「それじゃ、今回は助動詞might + 現在完了形の文法をやっていくわよ。Are you ready?」
「Yeah, sure. レッツゴー、サキ。」
このmight + 現在完了形の用法では、意味がいくつかあります。
1つ目は、「~だったかもかもしれない」と言う場合に使います。
主語が一人称の場合は、過去のことについて後悔の気持ちを表現し、主語がそれ以外の場合は、相手が過去にやらなかったことについてアドバイスやちょっとした非難の気持ちを表現することができます。
意味合いとしては、shouldやcouldよりも弱い言い方になります。
なお、以下の例文では、haveを短縮形('ve)の形で使ったり、haveそのものの形で使ったりしていますが、特に大した意味はありません。会話ではどちらを使っても大丈夫です。
例文
・I might have brought my English-English dictionary today.
(私は今日、英英辞典を持ってくるべきだったかもしれない。)
・You might've passed the ball to the goal keeper. There was no one else.
(ゴールキーパーにパスを出すべきだったかもな。他に誰もいなかったし。)
・The team might have won the game if only he hadn't been injured today.
(今日彼がケガさえしなければ、そのチームは勝ったかもしれないのに。)
2つ目は、過去に起きたことにについて、「~だったのかもしれない」と推測で言う場合に使います。
この場合、主語は人だけでなく、物やthereになることもあります。
例文
・She might've left office because of the boss' sexual harassment.
(彼女はボス(上司)のセクシャルハラスメントが原因で会社を辞めたのかもしれない。)
・She might have had a cold. Her voice was a little strange to me.
(彼女は風邪をひいていたのかもしれません。声が少し変でした。)
・The plane might have been delayed because of fog.
(その飛行機は霧のために遅れたのかもしれない。)
・Our train hasn't been here yet. There might've been an accident.
(列車がまだ到着しません。事故でもあったのかもしれません。)
「久矢君、ここまでで質問はある?」
「OKだけれど、couldの時の文章を使いまわしたでしょう。」
「そのとおり。だってcouldと同じような場面で使えるし、私も時間を節約したかったから(笑)。」
「Oh, come on~.(何だよ、もう~。)」
「あははは。では、次の例文に行くわね。」
3つ目は、might +現在完了形 + B(形容詞の比較級) + if + 過去完了 + Aの形で、「もしAであったら、Bだったかもしれない」という意味になり、過去にどうしていれば良かったかというアドバイスをすることができます。
この場合、主語は通常itになります。
例文
・It might've been better if you'd brought sunscreen.
(君は日焼け止めクリームを持ってきた方が良かったかもしれない。)
・It might have been more useful if you'd used microsoft Power-Point.
(マイクロソフト、パワーポイントを使った方がもっと有用だったかもしれない。)
・It might've been better if there had been more vegetable in that meal.
(あの食事にはもっと野菜があった方が良かったかもしれない。)
「久矢君、might + 現在完了形はここまでだけれど、何か質問はある?」
「あのさ、3つ目の使い方って、全部最初がIt might haveで、itで始まっているけれど、これをyouで始めてもいいの?」
「確かにいいけれど、youを一番最初に持ってくるとアドバイスよりも、むしろ批判的なニュアンスで伝わってしまいそうな気がするから、ここはitにした方が良いと思うわよ。」
「えっ?そうなるの?」
「例えば、最初の方に出てきたYou might've passed the ball to the goal keeper. There was no one else.という文章も、久矢君がもしサッカーチームの監督から直接言われたらどう思う?」
「確かに、何だか監督に叱られているみたいだね。」
「そうでしょ?だから、この文章を批判だと誤解されることなく、アドバイスの意味で相手に伝えたい場合はIt might've been better if you'd passed the ball to the goal keeper. There was no one else.と言った方がいいの。」
「なるほど、分かった。」
今回はmight + 現在完了形の文法について勉強をしましたが、今度は思ったよりも時間が余ってしまいました。
前回は時間が余った時、久矢君がcould + 現在完了形の例文を書いて私がチェックするというやり方で終了時間までつなぎましたが、今回は事前予告なしでmust + 現在完了形の練習をすることにしました。
「サキ、いきなりmustをやるなんて聞いてないよ。今回はmightのはずだろ?」
「だって余った時間をmightの復習だけにあててはもったいない気がしたから。それに、must + 現在完了形の例文もこういう時の予備として用意しておいたし(笑)。」
「……。」
というわけで、半ば強引ではありますが、ここでmust + 現在完了形についても学ぶことにします。
タイトルには書いてないので驚くかもしれませんが、まあCDのシークレットトラックとでも考えておいてください(笑)。
この用法は、「~だったに違いない」と言う場合に使います。
詳しく言うと、過去のことについて自信を持ってこうだったと言い切ることになります。
例文
・She must've left office because of the boss' sexual harassment.
(彼女はボス(上司)のセクシャルハラスメントが原因で会社を辞めたに違いない。)
・She must have had a cold. Her voice was strange to me.
(彼女は風邪をひいていたに違いない。声が変でした。)
・The plane must have been delayed because of fog.
(その飛行機は霧のために遅れたに違いない。)
・Our train hasn't been here yet. There must've been an accident.
(列車がまだ到着しません。事故でもあったに違いない。)
「サキ!また使いまわしかい!」
「あら、分かった?」
「分かるよ、こんなの!」
この時、思わず2人で大笑いをしてしまいました。
(※ちなみにこの時、教室の外では坂江さんがおり、後で「お2人さん、教室で何を笑っていたの?」と突っ込まれて、恥ずかしい思いをしました。)
というわけで、今回はmight + 現在完了形(+ シークレットトラック)の勉強をしました。
英会話では助動詞 + 完了形は上のレベルで勉強することが多いのですが、まだ学んでいないのであれば予習として身につけておきましょう。
あらかじめ予備知識として身につけた状態でレッスンを受ければ、先生もやりやすいし、レッスン自体もスムーズに進むと思いますよ。
今日は以上です。それではみなさん、See you.