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could + 現在完了形

以前、私は久矢君に助動詞should + 現在完了形の表現について教えました。

翌日、私は久矢君と一緒に英会話教室に向かう途中、どこまでできるようになったか、会話をしながらチェックをしました。

その結果、彼はしっかりと使いこなせるようになっていました。

私はそれを聞いて、とても嬉しくなりました。


「サキ、この文法どうだった?」

「バッチリよ。たった1日でよくできるようになったわね。」

「まあ、サキにかっこいいところを見せて、君の喜ぶ顔を見たかったからね。」

「そ、それは、どうも。」

「でさ、今度はcouldやmightに現在完了形をつけた表現について学びたいんだけれど、いいかな?」

「もちろんいいわよ。私も早速資料を用意してきたから、レッスンで教えていくわね。」

「OK。」


それを受けて、私は教室に到着すると早速資料を取り出し、レッスンで久矢君に見せました。

今回はそれをもとに、まずは助動詞couldに現在完了形をつけた表現について解説していきたいと思います。

(※なお、レッスン中なので実際の会話は英語なのですが、便宜上日本語表記にさせていただきます。あらかじめご了承ください。)



1)could + 現在完了形(肯定文)

この文法は大きく分けて意味がいくつかあるので、順番に解説していくことにします。


1つ目は、「~できたのに」と言う場合に使います。

主語が一人称の場合は、過去にやらなかったことについて後悔の気持ちを表現し、主語がそれ以外の場合は、相手が過去にやらなかったことについてアドバイスや非難の気持ちを表現することができます。

場合によっては、shouldを使った時と同じような日本語訳になることもあります。

なお、以下の例文では、haveを短縮形('ve)の形で使ったり、haveそのものの形で使ったりしていますが、特に大した意味はありません。会話ではどちらを使っても大丈夫です。


例文

・I could've had all the food if I hadn't eaten between meals.

(間食をしなかったら、全部食べきることができたのに。)

・I could have met the deadline if I had worked harder.

(もっと一生懸命働いていれば締め切りに間に合うことができたのに。)

・You could have caught a taxi though train service had been suspended.

(列車が運転を見合わせていたとしても、タクシーに乗ることができたのに。)

・You could've acted more carefully at that time.

(君はあの時、もっと注意して行動するべきだったのに。)



2つ目は、過去に起きたことにについて言及し、「~だったのだろう」、「~だったのでしょう」と言う場合に使います。

この場合、主語は人だけでなく、物やthereになることもあります。


例文

・She could've had a cold. Her voice was a little strange to me.

(彼女は風邪をひいていたのでしょう。声が少し変でした。)

・They could have missed the connection.

(彼らは乗り継ぎに失敗したのでしょう。)

・The plane could have been delayed because of fog.

(その飛行機は霧のために遅れたのだろう。)

・Our train hasn't been here yet. There could've been an accident.

(列車がまだ到着しません。事故でもあったのでしょう。)



3つ目は、so + 形容詞 + that節と共に用いることで、程度のはなはだしかった過去のことについて、「~するほど~だった」と言う場合に使います。

これは誇張した表現なので、本当にそこまでしたわけではないのですが、そこまでしそうな程の気持ちだったということを相手に伝えることができます。


例文

・I was so hungry (that) I could've eaten a horse.

(私は馬1頭を食べられる程おなかペコペコだった。)

(※thatは省略可能です。)

・I was so embarrassed I could have run out of here.

(私はここから逃げ出したくなる程恥ずかしかった。)

・I was so tired that I could've slept forever.

(私はずっと寝ていられるくらいに疲れていた。)


なお、この文章を前半は現在形、後半はcould + 動詞の原形という形で使うと、今の気持ちに置き換えることができます。


例文

・I'm so hungry I could eat a horse.

(私は馬1頭を食べられる程おなかペコペコだ。)



「久矢君、ここまでで何か質問はあるかしら?」

「えっと、さっきのI was so hungry I could've eaten a horse.という文章なんだけれど、ここでI was so hungry I could eat a horse.と言えるのかな?」

「それだと『私は本当に馬1頭を食べられる。』と言っていることになるわよ。」

「あっ、そうか。確かにそうだね。」

「そう。あくまでも事実に反する過去のことを言うわけだから、couldの後は完了形を使うの。」

「はい、分かりました。」

「では次は、否定文の場合を見ていくわね。」



2)could + 現在完了形(否定文)

否定文の場合も大きく分けて意味が複数あるので、順番に解説していくことにします。


1つ目は、は「~できなかっただろう」と言う意味になり、実際はできたことに対して、逆説的な言い方をすることができます。

この場合、文章の後半でwithoutをよく使います。

文章としてはI couldn't have done it without you.のような形になり、意味としては「(実際にはできたけれど、)あなたがいなかったら、これはできなかった。」となります。

肯定文の表現では後悔や非難の表現になるけれど、こちらは人に感謝の意を表す表現になりますよ。


例文

・We couldn't have developed the product without you.

(あなたがいなかったら、この商品を開発することはできなかっただろう。)

・I could never have saved my mother without you.

(あなたがいなかったら、母を助けることはできなかっただろう。)



2つ目は、過去に起きた事実について「~だったはずがない」と言う場合に使います。

ちょうど、can't + 動詞の原形で「~であるはずがない」という意味になりますが、その応用形ということになります。

主語は人以外に、itを持ってくることもできます。


例文

・Susan couldn't have modified the report. She doesn't know the password.

(スーザンがそのレポートを修正したはずがない。彼女はパスワードを知りません。)

・It couldn't have been Joe. He was absent yesterday.

(ジョーがやったはずがない。彼は昨日欠席していましたよ。)



「久矢君、could + 現在完了形はここまでだけれど、何か質問はある?」

「あのさ、I couldn't have done it without you.をI couldn't do it without you.と言ってもいいと思うんだけれど。」

「それだと過去ではなくて、現在のことを言っているように聞こえると思うけれど。」

「えっ?couldはcanの過去形じゃないの?」

「確かにI couldn't do it.と言えば、過去のことになるけれど、I couldn't do it without you.のcouldはcanを丁寧な形に置き換えたものだと解釈される気がするの。」

「へえ、そうなんだ。でも難しいね、助動詞って。」

「まあ、機械的にcan = 現在形、could = 過去形と覚えているとそうなってしまうけれど、事実に反する過去のことは助動詞 + 現在完了形になるから、そう覚えておけば大丈夫よ。」

「OK、分かった。」


というわけで、ここまで学んだところで残り時間が少なくなったため、might + 現在完了形ができなくなってしまいました。

私としても資料にまとめてみたら予想以上に長くなってしまったため、レッスン前からcouldとmightを両方やることはできるだろうかと考えていましたが、結局無理でした。

ちょっと悔しかったですが、久矢君もmight + 現在完了形は次回ということに同意してくれました。

それを受けて、その後は終了時間まで久矢君がcould + 現在完了形の例文を書いては私がチェックするということをしていました。


それではレッスン終了となったため、今日は以上です。みなさん、See you.


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