should+現在完了形
私は英会話教室で講師をしているかたわら、来日している外国人の人達と英語で会話をしたり、日本語を教えたりもしています。
ある日、私がその外国人の人と英語で会話をする機会がありました。
かたわらには久矢君がおり、私達の会話をじっと聞いていました。
彼がどれくらい内容を理解できたかは分かりませんが、いい経験にはなったようです。
その合間に、久矢君は私に次のような質問をしてきました。
「サキ、さっき会話の中でshouldの後に何か言って、それからEnglish-English dictionaryと言っていたよね?」
「えっと、私がI should have brought an English-English dictionary today.と言った時かしら?」
「そう、それ。shouldの後にhave brought?」
「ええ。助動詞shouldに現在完了形をつけたの。日本語にすると『~すべきだったのに。』とか『~した方がよかった』となって、自分が過去にやらなかったことを後悔したり、相手が過去にやらなかったことについて言及、非難する意味になるの。さっきの文章だと『今日、英英辞典を持ってくるべきだった(実際は持ってこなかった)。』という訳になるわね。」
「へえ、現在完了形にはそんな意味があるんだ。今までは過去から今まで続いていることや、完了の意味しか知らなかった。」
「まあ、この表現は英会話でも上のレベルで習うでしょうし、知らない人は多いわね。でも覚えておけばきっとどこかで使う機会が出てくると思うわよ。この表現についてもっと知りたい?」
「えっと、後でね。だって、サキはまだ仕事中だし。」
「まあ、そうね。じゃあ、仕事が終わった後、一緒に夕食でも食べながら説明してもいい?」
「うん、いいよ。」
その後、私は食事をしながら助動詞should + 現在完了形について話しながら、紙に色々と例文を書きました。
今回はその時の内容を掲載します。
なお、実際の会話ではshouldとhaveはshould'veとなることが多く、haveの部分が聞き取りにくいことがあるので、その後に続く動詞が原形か過去分詞になっているかで、意味を見極めることが多いかもしれません。
1)主語が一人称の場合
これは過去にやらなかったことについて後悔の気持ちを表現することができます。
例文
・I should've studied English more.
(もっと英語を勉強しておくべきだった。)(←「勉強しておいた方がよかった。」という訳でもOKです。)
・It's my fault. I should have driven a car more carefully.
(私の責任です。私がもっと注意して車を運転するべきでした。)
2)主語が一人称以外(You、Theyなど)の場合(状況によってはWeも該当)
これは過去にやらなかったことについて相手にアドバイスをしたり、後悔の気持ちを表したり、非難したりする気持ちを表現することができます。
例文
・You should have brushed your teeth every day.
(あなたは毎日歯磨きをすべきだったのに。)
・He should've stayed there.
(彼はそこにいるべきだったのに。)
3)should not + 現在完了形の場合
これは過去にやってしまったことについて後悔や非難などを表現することができます。
例文
・I shouldn't have said “You're a liar!”.
(「君はうそつきだ!」なんて言うべきではなかった。)
※liarは日本語のうそつきよりもずっと強い意味の単語なので、下手に使ってしまうととんでもない誤解を招くことがあります。
・She shouldn't have gone outside in this weather.
(彼女はこんな気象の中で外出するべきではなかったのに。)
「ふーーん、この表現があること、全然知らなかったな。」
「でも日本語でも『~するべきだったのに。』と言えば、実際はやらなかったことを後悔したり、非難したりする表現になるから、考え方としては同じでしょ?」
「あっ、確かにそうだね。日本語と同じ考え方で済むのなら、覚えやすいかもね。とにかくこの表現を覚えておくよ。それでさ、現在完了形とセットで使える助動詞ってshould以外にもあるの?」
「couldやmightと組み合わせることもできるわよ。良かったら学んでみたい?」
「ま、まあ。でも、まずはshould + 現在完了形について復習しておくから、それからでもいい?」
「うん、いいわよ。じゃあ、その時までにこちらで資料を準備しておくわね。」
というわけで、今度はshould以外の助動詞 + 現在完了形について発表するつもりです。
(その前に、弥富さんのエピソードを挟みます。)
今回は以上です。それではみなさん、See you.