challengeの意味
今回は私達が「挑戦、挑戦する」という意味で使っている「チャレンジ」という単語について解説していきます。
私達は毎日のようにこの単語を耳にすると思いますが、実は日本語と英語ではかなり意味の異なる単語です。
先日、私は久矢君からこの単語についての質問を受けました。
内容は次の通りです。
「サキ、僕が外国人の人と話した時『英語に挑戦しています。』という意味で”I'm challenging English.”と言ったら、顔をしかめられて”What?”と言われたんだ。何でだろう?」
「それは顔をしかめられるわね。久矢君はchallengeを日本語の「挑戦する」と同じように解釈していたでしょう。」
「そうだけど。もしかして違うの?」
「そのとおり。驚くかもしれないけれど、日本語の感覚でその単語を使ったら、ほとんどの確率で間違えてしまうわよ。」
「ええっ?まじで!?」
「ほら驚いた。」
「じゃあ、この単語、どうやって使えばいいの?」
「久矢君はメジャーリーグの『チャレンジ制度』って知ってる?」
「ああ。判定に不服な時にビデオ判定を要求することだろ?でも、何であれを『チャレンジ』って言うんだよ?意味分かんないんだけど。」
「確かにそう思うかもしれないけれど、でもあれがまさしく英語の(動詞としての)challengeよ。」
「ええっ!?まじで!!?」(←さっきより驚いています。)
というわけで、今回のテーマはchallengeです。
ついでに言うと、ネイティヴスピーカーの英会話講師も日本人にこの単語の意味を英語で教えることは大変みたいで、結局説明できないままあきらめてしまうことが多いようです。
また、私がネイティヴスピーカーの人に日本語のチャレンジの意味を教えたら、驚いていました。
この単語は意味が複雑で、使いこなすことが大変だけれど、これから一つ一つ丁寧に解説していきます。
1)名詞のchallenge
私の持っている英英辞典では
“something new and difficult that forces you to make a lot of effort, but that is often exciting and interesting”
(新しくて難しく、多くの努力を必要とするが、時には興奮して面白いこと。)
と書いてあります。
つまり、やりがいがあるものの困難を伴うので、多くの努力をしながら乗り越えていくものに対して使う単語です。
例えて言うなら富士山に登ったり、プロの歌手を目指したり、新しいタイプの商品を開発したりすることが該当すると思います。
正直、英語では問題集やクイズに挑戦するくらいではchallengeとは言いません。
私が思うにはこの場合、trialと訳すべきでしょう。
例を挙げると、あるクイズ番組では「TRIAL ¥10,000,000」と出ていましたよ。
ただ、野球でピッチャーがバッターに真剣勝負を挑み、打たれた時に、それまでの努力や逃げずに立ち向かった勇気をたたえる意味で“Good challenge!”と言っていたこともあるから、少し線引きが難しいかもしれませんけれど。
(これは事前にバッターのことを色々と研究し、色々努力をしながら対策を取った上で勝負を挑むわけだから、という意味が込められているからなのかもしれません。)
「久矢君、ここまではいいかしら?」
「ま、まあ。何とか。それにしても使いにくそうな単語だね。」
「日本語と比べればそうなるわね。それでは次は動詞について解説するわね。」
2)動詞のchallenge
私の持っている英英辞典では
“to invite somebody to fight or argue against you”
“to question whether something is true or right”
(あなたと対する誰かと争う、または議論をする。)
(ある物事が本当のことなのか、正しいのかを問いかける。)
と書いてあります。
別の資料も考慮すると、
「人と争う、意見の違う人と議論する」
「物事の真偽について問う。」
と解釈するのが良さそうですね。
この意味を考慮すれば、なぜメジャーリーグでビデオ判定を要求する時にchallengeというのか、理解できるでしょう。
“to invite somebody to fight or argue against you”
の意味では、「ゴルフで、アマチュア選手がプロゴルファーに挑戦する」という場合に使うことができますよ。
基本的に日本語の「チャレンジする」は、tryやdoと訳されることが多いので、覚えておきましょう。
以上を踏まえて、冒頭で久矢君が言っていた”I'm challenging English.”は日本語に訳すと
「私は英国人と争っています。」
「私は英語についての真偽を確かめています。」
という意味になってしまいます。
これでは相手から“What?”と言われてしまうのも無理はないでしょうね。
この場合は
“I'm studying English.”
と言うべきでしょう。
また、この単語の間違った使い方の例として「やってごらん。」という意味で、
“Challenge it.”(実際の意味は「真偽を確かめてごらん。」)
があります。
正しい言い方は“Give it a try.”ですので、覚えておきましょう。
(“Try it.”でも通じなくはないけれど、“Give it a try.”が一般的です。)
以上のことを踏まえた上で、例文を書いてみました。
・It was one of the biggest challenges in his life.
(これは彼の人生で最も大きなチャレンジの一つだった。)
・She challenged me to bowling games.
(彼女は私にボーリングのゲームを挑んできた。)
「あ~、こんなに複雑な意味を持つ単語だなんて知らなかった…。しんど…。」
「まあ、何回もやっていくうちに身につくと思うわ。ちなみに私の経験では動詞のchallengeは名詞のそれと比べて使用頻度が少ないけれどね。」
「じゃあ、覚えてもあんまり意味ないじゃんか。」
「そう言わないの。知っておいて損はないんだから。さて、これまでは名詞と動詞のchallengeについて話してきたけれど、他にも形容詞のchallengingと名詞のchallengerもあるから、それについても解説していきたいんだけれど、OK?」
「ちょ、ちょっと!これ以上はカンベンしてよ!ただでさえややこしい単語なのに…。」
「…あら、そう…。」
というわけで、久矢君が根を上げてしまい、さらにはここまで解説するだけでも長くなってしまったので、challengingとchallengerの2語は次回にまわすことにします。
それではみなさん、See you.